台北の二月は雨季。
全くそれを知らずに訪れたのですが、案の定この日は一日中雨。
九份(チウフェン)といえば、そうです、千と千尋の神隠しの舞台ではないかと言われているあの場所。
しかし、実際の舞台はここではなく、イメージされたあの場所は日本のどこかということらしいのです。
ただ、実際にその光景を目の前にすると、この「阿妹茶楼(あまちゃろう)」が醸し出す独特の雰囲気は、湯婆婆が経営する湯屋、「油屋(あぶらや)」に確かに似ているのです。
ひっきりなしに天から降りしきる雨をなんとか避けるようにして、向かいの店の軒先から眺めていると、映画の場面があれこれといくつも蘇ってきます。
あの窓の向こうに、八百万の神様達がそれぞれゆったりと寛いでいそうに思えてくるのです。