奈良 大和高取城はかつて、天下に名だたる山城。
麓の壷阪寺に車を置いて、ひたすら山道を登り続けて40分。
ふうふう言いながらようやく本丸へとたどり着くと、そこには石垣の上にそそり立つ巨大な楓が、その葉を真っ赤に染めて待っていてくれました。
秋の真っ青な空をバックにして、その赤さは一層際立ち、その鮮やかな色彩にしばし見とれていると、この場所にかつて天守閣が聳え立っていた城の中心であったことを、思わず忘れてしまいそうになるのです。
思った以上に長い山道を、なんとか上ってきただけの価値は十分にあったなぁ…と思いながら、しまった、お弁当を持ってくるんだった、と、シャッターを切りながらひどく残念に思うのでした。