粉砕タイルのうねるベンチに囲まれたメインの中央市場の真下は、広いホールのような空間になっています。
住民のための市場として設計されていたということですが、ここはまた独特な空間。
86本もの円柱が支える広い空間の屋根にもまた細かいモザイクタイルがちりばめられています。
まるで大きな細波(さざなみ)のようにうねりを見せる白いタイルの合間に、たとえば太陽だったり、蛸だったり、海のモチーフがやはりタイルで色鮮やかに形作られているのです。
スペインの強烈な日差しを避けるための、静かで心地よいホールの空間ですが、その意匠はやはり楽天的なラテンのノリ。
かわいい絵本の世界が、現実の空間に現れたような楽しさがありました。