4月1日付けの山陽新聞朝刊の「文人往来」という記事に星野道夫さんのことが書かれていました。
記事の中では、星野氏の著書『イニュニック(生命)』に収められている17歳の少女ウイローの話が紹介されていました。
この話は、私もとても印象に残っている話です。
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「ロッジの近くを時々カリブーの群れが通り過ぎてゆくでしょう。
観光客の人々が何て美しいのでしょうと見ている時、私はどうしても銃に弾を込めて撃ちたくなってしまうの。
だって、秋のカリブーは本当においしそうなんだから……それを言うとみんなが目を丸くして黙ってしまうの」
星野道夫『イニュニック(生命)』(新潮文庫)
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彼女は白人なのですが、狩猟民族的な生活をしている両親の元で育っているのです。
星野氏はウイローについて「精神的にはエスキモーだった」と語っています。
写真家・岩合光昭氏の奥さまである岩合日出子さんが書かれた『アフリカポレポレ』(新潮社文庫)にはこんな記述がありました。
(この本は、「親と子のセレンゲティ・ライフ」と副題がついていて、岩合夫妻と愛娘・薫ちゃんとのアフリカでの生活の話です。)
ハイエナにつかまってしまったヌーの子供。
それを見ていた4歳の薫ちゃんの言葉。
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「ハイエナって、えらいね。一生けんめい食べる。丈夫な体をつくるんだね」
「えっ」
窓際の薫は背筋をピンと伸ばして外を見つめている。私は下をむきフィルムを交換する。
「ママ、ヌーの子供は死んじゃったよ。私もおなかすいた」
(中略)
「食べられたヌーの子供が、かわいそうだとは思わないの?」
「かわいそうだよ。ほんとうに、かわいそうだと思う。だから見ているの」
岩合日出子『アフリカポレポレ』(新潮社文庫)
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他の命を頂くことによって、生かされているそれぞれの命。
命の循環。命の法則―。
自然を目の前にしていると、自然の中で生きていると、それは日常生活の中で普通に感じられることなのかもしれません。
でも。
自らの手で農耕をしたり、狩猟をしたりという経験が殆どない今の世の中。
そういった感情は薄れてきているように思うのです。
我が社の朝市にお越し下さるお客様は、お子様連れの方も多くいらっしゃいます。
命を頂くことによって「生かされている命」だということを、少しでも肌で感じて頂ければいいなぁ、と思っています。
もちろん私も、ずっと感謝とともに忘れないでいようと思います。
記事の中では、星野氏の著書『イニュニック(生命)』に収められている17歳の少女ウイローの話が紹介されていました。
この話は、私もとても印象に残っている話です。
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「ロッジの近くを時々カリブーの群れが通り過ぎてゆくでしょう。
観光客の人々が何て美しいのでしょうと見ている時、私はどうしても銃に弾を込めて撃ちたくなってしまうの。
だって、秋のカリブーは本当においしそうなんだから……それを言うとみんなが目を丸くして黙ってしまうの」
星野道夫『イニュニック(生命)』(新潮文庫)
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彼女は白人なのですが、狩猟民族的な生活をしている両親の元で育っているのです。
星野氏はウイローについて「精神的にはエスキモーだった」と語っています。
写真家・岩合光昭氏の奥さまである岩合日出子さんが書かれた『アフリカポレポレ』(新潮社文庫)にはこんな記述がありました。
(この本は、「親と子のセレンゲティ・ライフ」と副題がついていて、岩合夫妻と愛娘・薫ちゃんとのアフリカでの生活の話です。)
ハイエナにつかまってしまったヌーの子供。
それを見ていた4歳の薫ちゃんの言葉。
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「ハイエナって、えらいね。一生けんめい食べる。丈夫な体をつくるんだね」
「えっ」
窓際の薫は背筋をピンと伸ばして外を見つめている。私は下をむきフィルムを交換する。
「ママ、ヌーの子供は死んじゃったよ。私もおなかすいた」
(中略)
「食べられたヌーの子供が、かわいそうだとは思わないの?」
「かわいそうだよ。ほんとうに、かわいそうだと思う。だから見ているの」
岩合日出子『アフリカポレポレ』(新潮社文庫)
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他の命を頂くことによって、生かされているそれぞれの命。
命の循環。命の法則―。
自然を目の前にしていると、自然の中で生きていると、それは日常生活の中で普通に感じられることなのかもしれません。
でも。
自らの手で農耕をしたり、狩猟をしたりという経験が殆どない今の世の中。
そういった感情は薄れてきているように思うのです。
我が社の朝市にお越し下さるお客様は、お子様連れの方も多くいらっしゃいます。
命を頂くことによって「生かされている命」だということを、少しでも肌で感じて頂ければいいなぁ、と思っています。
もちろん私も、ずっと感謝とともに忘れないでいようと思います。