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海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

「生命体の本質」

2007-04-01 | 思い、想う
4月1日付けの山陽新聞朝刊の「文人往来」という記事に星野道夫さんのことが書かれていました。

記事の中では、星野氏の著書『イニュニック(生命)』に収められている17歳の少女ウイローの話が紹介されていました。
この話は、私もとても印象に残っている話です。

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「ロッジの近くを時々カリブーの群れが通り過ぎてゆくでしょう。
観光客の人々が何て美しいのでしょうと見ている時、私はどうしても銃に弾を込めて撃ちたくなってしまうの。
だって、秋のカリブーは本当においしそうなんだから……それを言うとみんなが目を丸くして黙ってしまうの」
星野道夫『イニュニック(生命)』(新潮文庫)
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彼女は白人なのですが、狩猟民族的な生活をしている両親の元で育っているのです。
星野氏はウイローについて「精神的にはエスキモーだった」と語っています。


写真家・岩合光昭氏の奥さまである岩合日出子さんが書かれた『アフリカポレポレ』(新潮社文庫)にはこんな記述がありました。
(この本は、「親と子のセレンゲティ・ライフ」と副題がついていて、岩合夫妻と愛娘・薫ちゃんとのアフリカでの生活の話です。)

ハイエナにつかまってしまったヌーの子供。
それを見ていた4歳の薫ちゃんの言葉。

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「ハイエナって、えらいね。一生けんめい食べる。丈夫な体をつくるんだね」
「えっ」
窓際の薫は背筋をピンと伸ばして外を見つめている。私は下をむきフィルムを交換する。
「ママ、ヌーの子供は死んじゃったよ。私もおなかすいた」
(中略)
「食べられたヌーの子供が、かわいそうだとは思わないの?」
「かわいそうだよ。ほんとうに、かわいそうだと思う。だから見ているの」
岩合日出子『アフリカポレポレ』(新潮社文庫)
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他の命を頂くことによって、生かされているそれぞれの命。
命の循環。命の法則―。
自然を目の前にしていると、自然の中で生きていると、それは日常生活の中で普通に感じられることなのかもしれません。

でも。
自らの手で農耕をしたり、狩猟をしたりという経験が殆どない今の世の中。
そういった感情は薄れてきているように思うのです。

我が社の朝市にお越し下さるお客様は、お子様連れの方も多くいらっしゃいます。
命を頂くことによって「生かされている命」だということを、少しでも肌で感じて頂ければいいなぁ、と思っています。
もちろん私も、ずっと感謝とともに忘れないでいようと思います。

出会い運

2007-03-08 | 思い、想う
「今年の運勢はいいよ~。特に出会い運が!」
と、友人から教えてもらっていた年頭。
すごく楽しみ!!と思っていました。

しかし考えてみると、私は今までずっと人との出会いにすごく恵まれていたと思うのです。
家族、幼馴染、友人、部活の仲間、先生方、同僚、その他たくさんの出会った人たち。

私が4歳、彼女が2歳の時に出会った幼馴染とは今でもお互いに誕生日食事会をする仲。
学校へは友達に会いに行っていたと言っても過言ではないくらいの、友人達に恵まれました。
子供の頃の夢は、幼稚園の先生か国語の教師。出会ったどの先生も好きだったんですよね。
ここ最近ではブログを始めたことがきっかけで、新たな出会いもありました。

たくさんの素敵な出会いに恵まれ、出会った皆さんからはいつも温かな思いを頂いています。
笑顔や言葉であったり、手紙や電話であったり。
プレゼントも頂いたり。
さまざまな形で届く、優しい思い。
改めて、ずっと出会い運に恵まれていたのだと感じています。


今年に入って2ヶ月と数日。
よく知る方が三人、天へと還られました。

悲しいことや辛いことがあったとき、救ってくれるのはいつも皆さんから頂く温かな思いです。
日々贈られる、笑顔や言葉、やわらかな声。
本当にどうもありがとうございます。

私にとって最大の“お守り”は周りで支えて下さっている人たちの存在―。
少しでも皆さんにお返しができますように。

ありがとう

2007-03-01 | 思い、想う
生きていると、いろんなことが起こります。
本当に悲喜こもごも。
今日はすごく嬉しい出来事と、とても悲しい出来事が混ざり合った日でした。


先日、素晴らしいご縁に恵まれ出会った方から、心温まる贈り物を頂きました。
びっくりと同時に感激致しました。
Tさん、どうもありがとうございました。


そして―。
Hさん、たくさんの優しさをどうもありがとうございました。
Hさんから頂いた温かな思いを大切に大切に胸にしまっておきます。


生きていると、いろんなに事に出合います。
笑ったり、怒ったり、泣いたり、喜んだり。
どの感情も大切に―。
出合えたことに“ありがとう”を。

そして出来るかぎり笑顔でいよう。
周りのみんなにも広がっていくように。

まずは明日。
朝市に小学生の子ども達が数人見学にやってきます。
彼らが笑顔で満開になるように、笑顔で迎えてあげようと思っています。






『不都合な真実』

2007-02-21 | 思い、想う


2007年2月21日付け毎日新聞の創刊135周年記念特集で心に留まる記事が二つありました。
建築家・安藤忠雄氏と京都吉兆嵐山本店総料理長・徳岡邦夫氏の記事。

アメリカ元副大統領ゴア氏の映画「不都合な真実」にふれ環境問題について語っていた安藤氏。(以下抜粋)
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ゴアの言うとおり、未来のために必要なのは<地球人>としての意識をもって個人が「自分の出来ること」を始めることだ。

 「不都合な真実」のタイトルは、自身の変化を余儀なくされる真実に対し、つい耳をふさいでしまいがちな、私たち人間の弱さを突いたものだ。私たちは、これからの日本を考える前に、まずこれからの地球を考えなければならない。その上で、自分の手の届く範囲から、行動を始める。大切なのは常に自分が何が出来るかを考えていくこと。一人一人のそのささやかな時間の積み重ねが、新しい日本人と日本を創っていく。
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「食の危機とはどういうことかみんなで考えてみてください」と語る徳岡氏。
食の世界を支える自然環境が破綻したら、農業や漁業などの第1次産業の担い手がいなくなったら…。
徳岡氏は最後に問いかけています。
「一番大事なのは、みなさんひとりひとりの食に対する意識を高めることです。
 みなさん、もう一度考えてください。本当にこのままでいいのでしょうか。」と。


ゴア氏も安藤氏も徳岡氏も、一人一人が“意識”することが大切だと語っています。
環境問題、食、平和、どれも個々人の意識で大きく変わっていく世界。
そして、それらは全て“いのち”と繋がっていくものですよね。
人の“いのち”だけでなく、あらゆる生き物の、そして地球、宇宙全体の―。

アル・ゴア著『不都合な真実』(ランダムハウス講談社)は、第一刷発行が2007年1月5日。
そして私の手元にあるこの本は2007年2月15日 第十刷目のもの。
一ヶ月半足らずで十刷。
環境問題に皆さんがとても関心を寄せているいうことですよね。

ゴア氏は言っています。
「私たちが直面しているのは、警鐘を鳴らすべきことだけではなく、希望を持つべきことでもある」と。

京都議定書を批准していない国、米国。
しかし、米国の多くの都市が独自に京都議定書を批准し、政策を実行中であるといいます。
それぞれが考え、できることを始めた人たち。

日々様々な問いかけに耳を傾け、考え続けること。
そしてできることから始めること。
改めて思い直した1日でした。

12年目

2007-01-17 | 思い、想う
昨日、兄から電話がありました。
仕事中、車の中で聴いたラジオで震災のことを語っていたと。
そして、皆にも気を付けるように伝えておいてと。

兄はあの日のあの時間、起きて仕事をしていたにもかかわらず、あの大きな揺れを感じていません。
冷凍庫に入り作業をしていた兄。
突然の荷崩れに驚いたと言います。(荷は自分の背丈以上)
そして、冷凍庫から出てきて周りの慌てている状況で初めて地震が起こったことに気付いたのです。
今から思うとよく閉じ込められなかったと―。
感謝しなければなりませんね。

阪神大震災から12年目の今日。
昨年の記事「1・17に思うこと」にも書きましたが、自分の出来る範囲で行動していきたいと思っています。
風化させないように―。
思いを新たに―。

今日、「毎日新聞」の「みんなの広場」に大学生の高橋未来さんがこんな記事を寄せていました。
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「何気なく過ごした今日は/昨日亡くなった人の/どうしても生きたかった明日」
去年の暮に偶然出合った言葉です。(中略)
この言葉と出合って気づいたのです。私はまだまだ頑張れると。そして決めました。
07年の目標は、何事にも一生懸命取り組み、悔いのない日々を送ること。
(中略)
そしてよければ、どうか一緒に、昨日亡くなった人に恥ずかしくない生き方をしていきませんか。
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日々を大切に。
感謝を忘れず、一生懸命生きること。
まずは自分のできるところから。

被災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
そしてご遺族が少しでも穏やかに過ごされる日々が多いことを願っています。

「千の風になって」

2007-01-17 | 思い、想う
テノール歌手の秋川雅史さんが歌う「千の風になって」が、22日付オリコンのシングル・チャートで1位になることが決まったそうです。
同チャートでクラシック系の音楽家が首位になるのは初めてとのこと。

秋川さんが去年末のNHK紅白歌合戦で歌ったというこの曲。
(残念ながら私は見過ごしてしまいました…。)
作詞作曲は新井満さん。

作家でもある新井満さんは、作者不明の英語詩を日本語詩に訳した『千の風になって』という本を講談社から出版。
そしてこの曲が出来上がりました。

この詩は私もとても大好きな詩です。
私自身は新井満さんの本より先に出版されていた、南風椎(はえ しい)訳『あとに残された人へ 1000の風』(三五館)を持っています。



この詩を読んでいると、昔聴いた言葉を思い出します。

  風は太古からずっと続いているもの
  昔の人たちの息吹

私達が生きていくために必要な空気。
それはず~っと昔から続いているもの。

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私の墓石の前に立って 涙を流さないでください
私はそこにはいません
眠ってなんかいません
私は1000の風になって 吹きぬけています
     『あとに残された人へ 1000の風』訳・南風椎(三五館)
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そこやかしこで大切な人の存在を感じるとき、
“いのち”は廻っているな、と思います。


報道の波に

2006-12-19 | 思い、想う
12月19日付け山陽新聞夕刊に「養殖カキ産地農相が調査表明」という記事が載っていました。
「ノロウィルスが原因と見られる感染性胃腸炎の流行で、養殖カキ業者が打撃を受けていることについて、広島、岡山、宮城、岩手の四県を中心に生産地の実情調査に乗り出す方針を表明」とのことです。

広島では生食用のカキの販売を自粛されるそうですね。
私の知る養殖カキ業者さんも、現在、朝とったばかりのカキでも生食用ではなく加熱用で出荷しています。
安全を第一に考えてのこと。

しかし…。
ノロウィルスを気にしてというばかりでなく、加熱用で値段は生食用と変わらず、となるとなかなか売れないのです。
消費者心理としては、加熱用で出荷されているものは生食用より新鮮でないような気がするのでしょうね。
カキ業者さんにとって本当に大変な年になってしまいました。
エールの意味も込めて、今回の「さかな、さかな、さかな~♪」はカキ編です。


魚業界のお話をもうひとつ。
12月18日付け「みなと新聞」には「“過熱報道”が消費直撃」の見出しで、マグロ年末商戦について書かれていました。

マグロに焦点を当てた「食卓から消える」「高嶺の花に」という過熱報道が後を絶たないため、マグロ消費が冷え込んでいるというのです。
築地市場のマグロ担当部長は「もうやめてほしい。一向に盛り上がらない」と頭を抱え、水産大手のマグロ担当者は「今まで(価格)を気にせず購入していた消費者が買わなくなった」と肩を落としているそう。

魚の世界に限らず、何でもイメージが付くとなかなか元には戻りにくいですよね。
私自身、賢い消費者にならなければと考えさせられた出来事でした。
物事の本質を見失わないように―。

と、ここまで書いてきましたが。
私は基本的に地産地消が理想的だと思っています。


* ノロウィルスによる食中毒予防についての文書が市の食品衛生協会から会社に届きました。
保健所の食中毒予防のページをリンクしておきます。こちら
手洗いを十分することが大切ですね。
私も気を付けたいと思います!

12月8日

2006-12-08 | 思い、想う
地球が、この世界が美しいと感じる人がいる限り、
美しさは守られていくはずです。

平和を願う人がいる限り、
真の平和へと近付いて行くでしょう。

12月8日
心からの祈りを込めて―。
LOVE and PEACE



心に青空を

2006-11-30 | 思い、想う
NHK総合テレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」を観た。
今回の放送は「いつも心に青空を
〜ユニセフ タジキスタン代表・杢尾雪絵〜」。

ユニセフと聞いて真っ先に浮かぶのは親善大使の黒柳徹子さん。
恥ずかしながら現地スタッフについては詳しくなかった。
今回の放送で日本人女性でこんなにも一生懸命現地で活動されている方がいることを知り、心を打たれた。

彼女が心のよりどころとしているという言葉がある。
 「いつも心に青空を」

心が曇ってしまうことは当然ある。でも希望を捨てない。
そんなときにこそ自分を俯瞰して見ようとする―。

政府の各機関や行政との交渉のときに思うことは「後ろに、子ども達がいる」ということだそうだ。

彼女の存在を知ったことによって、私の心に青空が広がったように感じた。

「ひと粒の糧」

2006-11-15 | 思い、想う
このところ毎日、新聞やテレビ、各種メディアで「いじめ問題」が大きく取り上げられています。
私もこの数日間、ずっと頭の中をめぐっていました。
そしてなかなか言葉に出来ずにいました。
そんな中で読んだ11月14日付「読売新聞」の「編集手帳」。
とても共感を覚えたので、ここに紹介します。

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 伊東柚月さんという方の詠んだ五行歌を頭でなぞっている。「いっそ/大きく凹(へこ)もう/いつか/多くを満たす/器になるのだ」◆草壁焔太(えんた)編「五行歌秀歌集1」(市井社)に収められた一首である。器を満たすものは涙かも知れない。涙の容器になることなど誰しも望みはしないが、凹みを知らない人間に比べてどれほど魅力的か◆一片の詩句を知ることで、気の持ちようで、死を決意させるほどの苦しみが薄らぐとは思わない。自分を励ますことに疲れ、いまこの瞬間にも力尽きそうな子供たちのひと粒の糧になればと、藁(わら)にもすがりつく心境でここに引いた◆人を自殺に追いやるほどのいじめは、ほとんど犯罪である。告発するのは少しも恥ずかしいことではない。凹みも深ければ器が割れる。割れる前に、涙の湖を語ってほしい◆もう1本の藁にすがる。「いじめっこが/いじめられっ子に/ひらあやまり/三十年ぶりの/同窓会」(清美)。昔よりも陰湿で残忍ないまのいじめにはそのまま通用しないとしても、「歳月」がいかなる魔法を演じるかは生きつづけてみなければ分からない◆30年とは言わず、3年、いや1年、心の凹みを打ち明け、声を発して生きてごらんなさい。あの時、死ななくてよかったと思う瞬間が必ず訪れる。約束しよう。だからいま、死んではいけない。

(2006年11月14日 読売新聞・編集手帳)
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子ども達、それぞれ一人一人に個性があります。
育った環境も違う。
それぞれの「違い」をお互いが認められたならば―。

大人たちは、子ども達の抱えている思いにいつでも気付いてあげられるように目を凝らそう。
心を砕こう。
そしていつでも子ども達が「SOS」を伝えられる存在でいよう。
話しを聴こう。話しをしよう。

子ども達が発する「SOS」に気付きにくい時が確かにあります。
子ども達にもプライドがあるし、自分の大切な人たちを悲しませたくないと思う子もいます。
だからこそ両親・教師・親戚・地域の人たち、子ども達の近くにいる大人たちがもっともっと協力し合わねば。

先日地域で活動している方々が、学校側にいじめについての話合いをしにいったと聞きました。
「あなたのことを大切に思っている人がたくさんいる」ということを一人でも多くの子ども達に知ってもらいたいと思います。

情けないことに、大人の世界でも「いじめ」はあります。
子ども達が知ったら何て思うかな。
「自分がされて嫌なことは、人にはしない」
一人一人がそう思い行動する社会になることを願っています。


最後に私が経験したことをお話しします。
小学6年生の時のことです。

我がクラスには「いじめ」がありました。
授業中、泣いて教室を飛び出さなくてはいけないくらいの・・・。

先生はね、とてもいい先生だったんですよ。
とても親身になって解決されようとされていました。

私はというと、いじめっこに向かっていつも怒っていました。
それはもうカンカンに。

高校生になったときにね、その子とお母様にあるスーパーの駐車場でバッタリお会いしたんです。
お母様にそのとき言われたんですよ。

 「学校に行けたのはあなたがいてくれたからよ。あなたがいてくれてよかったわ。」

一生忘れることのない言葉です。
この言葉に、とてもとても救われた気がしました。
嬉しいとか良かったとかいうよりも、安堵の気持ち。

その子は子供の頃から大好きだった生き物に関わる学校へと進路を決めていました。
好きなことを勉強しているという充実感と幸せそうな笑顔。

上に挙げた「編集手帳」にあるように“「歳月」がいかなる魔法を演じるかは生きつづけてみなければ分からない”のです。
だからね、私も約束します。
「生きていてよかった」と思える時が必ずくることを。

あなたが大切だと思う人たちと、あなたを大切だと思っている人たちと、
一緒に、生きていこう。