紅露の写真日誌…北の大地・夢空間

小樽・札幌の風景、イベントが中心

小樽ガラス工房

2010-01-13 05:00:00 | 写真

(TheGlassStudioInOtaru上浦氏の作品 このほかにも数々の賞を受けた作品がある) 

すでに、小樽運河、オルゴール堂、北一ガラスを取り上げましたので、小樽観光の目玉であるガラス工房を今回は取り上げたいと思います。小樽ガラスというと、北一ガラスが有名ですが、実は数年前までは工房を持っておらず、殆どが、東京の深川硝子からの仕入れ販売だったのです。近年、深川硝子を子会社化して、小樽有幌町に移転しました。

北一硝子が、小樽観光の中心である堺町に移転したのが昭和58年であることは、前々回のブログで紹介したとおりです。実は小樽に硝子ブームが本格化する以前の昭和54年に、「The Glass Studio in Otaru」が開設されたのです。浅原千代治氏を代表として6人のスタッフが大阪からやってきて、小樽市緑町に工房を構えたのです。

当時新聞等で、大変な話題になったことを覚えております。移転の理由として、内地に比べて、気候が寒冷であること等が上げられていました。小樽で最初の硝子工房の始まりです。その後、現在地である天狗山スキー場直下の海が広く見渡せる高台に体験工房を併設する形で新工房が建てられました。


(ガラスを吹く上浦氏)


(正面入り口が2Fに直結 商品が陳列されている)

昭和54年、1979年に工房を構えて去年で丸30年を経ました。この間、多くの若手職人がここから独立開業して行きました。現在函館で「The Glass Studio in Hakodate」を経営する水口氏もそうです。函館で工房開設に、政府系金融機関として、多少かかわったこともありました。また後で述べる、運河工芸館のスタッフとして育って行った方もおられます。いわば、小樽の硝子工房の原点はここにあったのです。

さて次は、運河工芸館の工房を覗いて見ましょう。運河工芸館は、かつての倉庫群の中でも、ツインドームを持ったユニークな建物です。夏季は、ドームが開放されていて、ここから小樽港が一望できます。運河の周辺では、人力車が行き交います。そんな工芸館の半地下に工房があります。


(どなたの作品か分かりませんが、見た瞬間惹かれました)


(夏場、汗だくになりながら吹くスタッフ小坂氏)


(天窓からの直射日光が床に当たり、レフ版の代わりとなった)

上の二枚の画像のうち下段は、スタッフ中森氏。彼は一昨年この工房から独立して、小樽中央市場の一角に工房を構えた。市場の中という、一間場違いとも思われる場所で開業し、新聞紙上でも話題になりました。

さて、最後の工房は、小樽観光街のど真ん中にある体験硝子工房「K's Blowing」です。ここ堺町工房はおもに観光客向けの体験工房で、本格的な生産工場は別途朝里町にあります。


(工房の奥サイドから工房内を見る)

ガラス越しの撮影のため見にくいですが、中央黒い人物が安井社長で、この方も、運河工芸館の製作スタッフから独立開業した方です。画面奥では青いバンダナのスタッフが、観光客に手ほどきしております。さらにそれを道行く観光客が見つめております。


(灼熱のガラス玉を整えていく 気の緩みが惨事を招く危険な工程)

扱うものが、灼熱のガラス玉です。炎が舞い、火花が散ります。ガラス製作は、気の緩みや不注意は絶対に許されない工程が多々あります。美しく、見とれる製品造りの裏には、こうした職人の危険と裏合せになった熟練があることも知っていただきたいと思います。

なお、機会があれば、ガラス小物の製作、いわゆるトンボ玉作りも取り上げてみたいと思います。

<H23.3.23 お詫びと訂正>
The Glass Studio in Otaruの画像脚注に間違いがありました。謹んで訂正し、お詫び申し上げます。
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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは。 (フリ)
2010-01-15 00:44:11
kouroさん、こんばんは。こういうお写真、ガラス工房で撮らせてもらえるのでしょうか。さすが、真剣に作業している人々の様子が伝わってきますね。
ところで、2月15日(月)が父の49日です。妹の都合で14日日曜日に納骨をやろうということになり、再びですが、帰省することになりました。予定では11日の午前の便で北海道に入り、14日の夜の便で本州に帰ります。ちょうど小樽雪あかりの路が開催されているので、その写真を撮りたいと思っています。
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ガラス工房での撮影は… (紅露)
2010-01-15 08:18:49
殆どの工房はオープンになっていますので、撮影OKです。ただ、ストロボ発光は、作業の邪魔になりかねませんので…
The Glass Studio in Otaru(最上町)では、商品売り場でもOKのようです。
早いですね、もう49日ですか、丁度雪あかりの路の期間中(5~14日)ですね。いい写真を撮って、発表してください。
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潜入レポートですね! (MahalohA)
2010-01-15 08:19:58
おはようございます。
かなり内部情報にお詳しいですね!
小樽行く機会があれば、是非ご案内お願いします!
暗い工房でのスポット光が入ると人物が浮かび上がりますね!
火のある光景も幻想的でいいですね^^
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以前はよく撮りに… (紅露)
2010-01-15 09:53:22
数年前は、あしげく工房に通い撮らせていただきました。何度も通ううちに、スタッフの方と話をすることもあり、色々業界の事を聞きました。
Mahaさん、是非来てくださいよ。ご案内は任せてください。
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いいですなぁ。。。。 (grabie)
2010-01-17 00:19:25
ガラス細工。。。若かりし頃、本気で職人を目指そうと、長野県は諏訪湖畔にある工房へ体験しに行ったことがありまして。。。(・・;)

でも、センスが無いと思い知らされて諦めました。。。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

でも、今でもガラス細工は好きで
当時作ったガラスのコップは今でも、友達です(^_^)

4枚目の作品、これ難しいんですよ。。。。よくもまあ、こんなに幻想的に美しく作られたもんですね!
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ええっ、ガラス職人に… (紅露)
2010-01-17 03:20:08
一時は工房に、弟子入りまでされたんですか…それはビックリ!
四枚目のガラス、どのようにして作るのかわかりませんが、ひときわ心惹かれる作品でした。販売用のガラス商品は撮影禁止のところが多く、もっとオープンでもいいと思うのですが…
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宜しくお願いします (サセ)
2011-03-08 22:22:12
最新の日記にコメントで写真使用のお願いをさせていただいたサセです。

ご返信ありがとうございます。
早速ですが、こちらの方に書かせて頂いています。

こちらで掲載されている、社長さんの写真と、
(天窓からの直射日光が床に当たり、レフ版の代わりとなった)とコメントがついている写真の
いずれかを使わせて頂きたく思っています。
編集会議でどちらになるかわからないのですがが…。

肖像権の件、お手数をおかけします。
宜しくお願いします。

サセ


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了解いたしました… (紅露)
2011-03-08 22:43:23
両工房とも写真撮影OKですので、肖像権に問題はありません。
ただし画像は、ブログ用にリサイズ・縮小されております。元データがありますので必要であれば、メールに元データを添付して送付いたします。その際は、一時的にメールアドレスをご連絡ください。アドレスの載ったコメントはこちらで確認次第削除いたします。
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ありがとうございます! (サセ)
2011-03-08 23:47:06
早速の返信ありがとうございます。
そして色々お骨折りいただいてすみません。

サイズに関しては現行のもので大丈夫であると思います。
もし、原稿に貼り付けてみてダメでしたら、
改めてデータのお願いさせていただきます。
アドレスについてもご配慮いただきすみません。

お忙しい中、ぶしつけなお願いにも関わらず
快諾して頂き本当に感謝いたします。
お陰様で、よい副読本ができそうです。


p。s。父も写真をやっています。
    (私自身は極めて疎いのですが…(汗))
    確かブロニカとかいうものを愛用していたように思います。
    私事…失礼しました。

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了解いたしました… (紅露)
2011-03-09 05:17:08
ブロニカは、大型カメラで、このカメラを使いこなす方は、相当写真に熟知されておられる方ですね。
もし画像のことで、何かございましたら、ご連絡ください。
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