ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

夜の国のクーパー/伊坂幸太郎

2016-01-29 | 読書
目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、
身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が
座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を
出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。
「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が
終わったんだ」猫は摩訶不思議な物語を語り始める…
これは猫と戦争、そして世界の秘密についてのおはなし。
(文庫裏書きより)

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んーーーー
猫や鼠が話す、ファンダジーの世界観…それはそれで別にいいんだけど
人間や戦争や、政治や、国の成り立ちや、そういうリアルな世界との共存は
ちょっと個人的にはのめり込めなかったな。
半分過ぎくらいまでは、かなり苦しみながらページをめくりました

でも、これは伊坂くんの思惑どおりで、著者あとがきにあるように
『どうせ小説を読むなら、聞いたこともないような「とんでもないホラ話」
 しかも現実社会とどこか地続きのものがいいと、ずっと思っていた。』
んですと。
なので、私はこのテイストにちょっと不向きだったのかもね。

最後の【オチ】も申し訳ないけど、はじめから予想がついてしまってて
うん、やっぱりそうよね。それしか落とし所ないよね
と、妙な納得感でしたが、ストーリー展開としては、後半からぐっと
いつもの伊坂節になってきて、どんでん返しやテンポの良さが際立ちました。
ラストもなかなか感動的。。
やっぱり伊坂くんの作品は、勧善懲悪でなくちゃ

自分の信じているものを疑え、真実と思っていることを疑え、
そうすれば世界が変わるかもしれない。

それは自分で考えた答えですか?
誰かの意見に左右されていませんか?

猫のトムくんのように、しっかりと自分の眼で見て考えよう!


⭐︎⭐︎


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