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有田上等兵、逝く

~勝新太郎との最強コンビ「兵隊やくざ」シリーズ~

5月16日、田村高廣さんが亡くなられた。
つい最近、田中徳三監督特集で、
「続・兵隊やくざ」(’65年)「新・兵隊やくざ」(’66年)を観たばかりで、なんだかとても寂しい。

「張り込み」(’65年、野村芳太郎監督)で、
村はずれで、昔の恋人の高峰秀子とひっそりと会い、
遠くを眺めながら、昔のことを話すシーンは印象的だった。
どこか飄々としつつも、きまじめで、真剣な目と、人間くさいところが好きだ。

「兵隊やくざ」シリーズで、
勝新太郎演じる大宮貴三郎のうでっぷしと
田村高廣演じる有田上等兵の頭のよさとで、
軍隊の権威にはむかっていく姿は、気持ちよく、痛快で、歯切れがよい。

喧嘩にめっぽう強く、情に厚く、根っからの自由人の大宮と
軍隊が大嫌いで、除隊を心待ちにしているが、いじめを見て見ぬふりはできない正義感の強い有田上等兵。
この二人が、妙な絆で、いつのまにか固く結びついていく。

有田上等兵が「おおみや!」と呼ぶ声は、しっかり耳に残っているし、
無頼者の大宮が、有田のいうことだけは、従順にきき、心から慕っていて、
勝新の顔が、愛くるしくて、まるでガキ大将のようだ。

「兵隊やくざ」(’65年、増村保造監督)のラストの脱出シーンは忘れられない。
本当に最高の絶妙なコンビだ。

(追伸)
NHKの衛星放送では、
田村さんをしのんで29日の月曜日に「泥の河」(’81年、小栗康平監督)を
放送するそうです。
ぜひ私もみてみたいと思います。
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