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No883『サイボーグ009 怪獣戦争』~0010ヘレナの美しさだけはなぜか格別~

知人がこのビデオテープ誰か観たい人いますかと尋ねた時、
思わず一番に手を挙げてしまった。
009といえば、あしたのジョーと並んで
私の暗い高校時代の受験勉強の励みとなり、
心の支えとなったアニメ。
無理やりサイボーグにされてしまい、
人知れず、人類の平和を守るため闘う9人の戦士たち。
国籍も能力も違い、個性も違って
恋人を殺されたドイツ人の004といい、
どこか皆、影のあるキャラが多く、無性に魅かれた。
特に、片目を髪で隠した009と、
003というフランス人女性のミーハーなファンだった。
(彼女のカチューシャは、
短髪で男の子のような髪型しかしたことのなかった私にはあこがれだった)

本作は、私のなじんだ79年のテレビシリーズよりずっと時代は遡り、
テレビ化される前の劇場版2作目。(1967年。60分)
009も両目があって、
どのキャラも明るく、特に、何にでも変身可能な007が子供として登場し、
ギャグやらお笑いのセリフが満載で楽しいのが意外。
悲劇的要素は、10番目のサイボーグ、ヘレナ(声は市原悦子!)が一手に担う。
他のキャラが、陰影のない、単純化された絵であるのに対し、
スパイの運命を背負ったヘレナだけは、
なぜか、美しさも格別で、表情も丁寧に描かれているように見えたが
気のせいだろうか。

50億の人類の平和のために
命を投げ打ってでも闘うという、009の言葉に、ヘレナは打たれ、
最後は、身を犠牲にして、彼らを守る。
思わず、最近観たばかりのダグラス・サークの『心のともしび』の自己犠牲という
テーマが脳裏に浮かんだ。

そういえば、今日、ぼっとしている時に、ふと
賭場で、太っちょの大らかで温厚なおっちゃんが
札を手に、にこにこしている場面が脳裏に浮かんだ。
最近観たどの映画のことか、考えていて、
思い当たったのが、若山富三郎さん。
賭場で札を持って、笑みを浮かべているのにぴったり。
きっと、傍らには、藤純子さんや高倉健さんがいるような気がして…
と記憶を遡ってみたら、
なんと、昨日観たばかりの
『ぼくの彼女はどこ?』のチャールズ・コバーンだったと思い当たった。
自分の記憶力の薄さに、思わず笑いが出たが、
雰囲気はなんだか似ている気がした。
そういえば、コバーン演じるスミス氏もまた、匿名で、
ギャンブルで借金を重ねた青年のために、カードで金儲けをして
お金をこっそり送ってあげたり、
かつて愛し、結ばれなかった恋人の遺した子どもたちのためにお金を送ったり、と
『心のともしび』の匿名性のテーマを
彼もまた背負っていたのだと思い当たった。

こうして、映画や俳優さんたちが、結びついていくのも
単に記憶力が衰えたゆえかもしれないが、
映画を見る楽しみの一つのように思えて、また映画が観たくなった。

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