No1331『幸せをつかむ歌』～メリル・ストリープの歌魂に乾杯！～

原題は「Ricki and the Flash」。
これ、作品中で、メリル・ストリープ演じるリンダのバンド名なんです。
メリルの、ステージ名がリッキー。

このタイトルに尽きるとおり、
この映画、もう、このロック・バンドの演奏シーンがたまらなくすばらしい。
メリルが、リード・ギターをかき鳴らし、歌う。
歌もうまいし、ギターも決まってる。
舞台でほんとうにステキに輝いてる。

もう一人のギター、ボーカルはリック・スプリングフィールド（メリルの恋人役）。
キーボードがバーニー・ウォーレル、
ベースが、リック・ローザス（メリルを見守る感じで、いい味、出していました）、
ドラムスがジョー・ヴァイタルと
一流どころがそろっている。
メリル含め、4人が1949年生まれだそうで、還暦を越えているけど、
本当にすごい迫力で、ロック魂があふれていて、
特に「Drift Away」（明日なきさすらい）は、涙が出そうになった。

リッキーは、小さなライブハウスで歌っていて、常連のお客もいる。
でも、そんなに多くはない。
みんながリッキーを愛していて、リッキーの歌を応援している。
年とった人もいれば、若い人もいる。
このライブハウスのお客さんの顔もいい。

メリルは、３人の子どもがいたが、音楽がやりたくて、家をとびだした。
母親であることよりも、ミュージシャンであることを選んだ。
一人娘が離婚して元夫と再婚した妻のいる実家に戻ったが、
精神的に不安定で、と元夫から相談され、
心配して、メリルは数年ぶりに家に帰ってくる。

喧嘩もし、ぶつかりあったりもしながら、
娘は、調子を取り戻し、
メリルは自分の家に戻る。

息子の結婚式の招待状が届くが、
メリルは破産していて、カードもなく、結婚式にいくための飛行機代もない。
恋人のバンド仲間も、子どもがいるけど離婚して、同じスーパーで働く身。

店で働く青年が、僕がお金持ちなら、君に飛行機代をプレゼントするのに、という。
彼もすてきなキャラだった。

メリルは、もともと自分は嫌われ者だしと結婚式を諦める。
ところが、バンド仲間の恋人が、すばらしいプレゼントをする。
この時のステージでの会話がすばらしい。
メリルが、今日はそんなバナナみたいに黄色いのを使うの？嫌いだったんじゃない？と話しかける。
でも、その場面では、まだカメラは、彼が持っている楽器を映さない。
何だろうと思っていると、画面に映る。
彼の男気が伝わり、偉い奴だなあと、感涙しそうになる。
こういう描き方って、いいなあと思う。

お金はなくったって、俺たちには音楽があるし、
気概もあるんだって、ロック魂が思い切り伝わった。
この時演奏されたのが「Drift away」
店で働く青年も、うん、いい演奏だと、にこにこしていたっけ。

そういうわけで、いっぱい歌を紹介したくて、リンクをはりました。
よかったら、聴いてみてください！

“I Still Haven't Found What I'm Looking For" 
U2が歌うのはコチラ→https://vimeo.com/73577436
I have run（逃げ出したこともある）って歌詞がいいんだな。

圧巻だった「Drift Away」（明日なきさすらい）
メリル・ストリープが歌う(サントラから３分半)
https://www.youtube.com/watch?v=POIsbkghSlc

メリルが歌う（映画の一場面）（３分半）
https://www.youtube.com/watch?v=Db5oa9K6-Ug

Dobie gray-が歌う（約４分）
https://www.youtube.com/watch?v=gr_eVcCAUXo

The Rolling Stonesが歌う
https://www.youtube.com/watch?v=yaIV-9AexVM

歌詞は、
Day after day I'm more confused
Yet I look for the light
Through the pourin' rain
You know that's a game that I hate to lose
And I'm feeling the strain
Ain't it a shame

Oh, give me the beat, boys, and free my soul
I want to get lost in your rock and roll
And drift away

このサビがとってもいい。 
この歌詞とシチュエーションがぴったりでした。

このほか“Here I Am"（ Emmylou Harris）もいい歌。
監督はジョナサン・デミ。『羊たちの沈黙』の監督さんだそうです。