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文科省には実験という知恵がない?

2019-03-17 22:19:40 | マスメディア
 世の中には「やってみなければわからん」ということが多い。むしろ、明確に予測できることの方が少ないかもしれない。自然科学の世界では、実験は重要な手段である。北朝鮮が非難を無視してまで核実験やミサイル発射実験を繰り返すのはそれが完成への不可欠の過程であるからである。社会科学においても実験の重要性は同じだと思うが、そのような発想が乏しいようだ。

 大阪府内の公立小中学校でこの春にも、児童や生徒が校内にスマホや携帯電話を持ち込めるようになるそうだ。全国で大半の学校が禁止とする中、相次ぐ地震や台風で子供と連絡を取るのに苦労した保護者らからの要望があったためらしい。これに続いて、文部科学相も2月19日の会見で、携帯電話やスマートフォンについて「小中学校は持ち込みを原則禁止」「高校は校内での使用を禁止」という指針を見直す方針を明らかにした。

 スマホや携帯電話と一括りにしているが大違いである。スマホは通話機能があるが、SNS機能付きのゲーム機と言ってよい。多くの子供にとっては麻薬のように、魅力が強すぎる。持ち込みを認可することについては反対意見もある。休み時間の教室は静かになるかもしれない。多くの子供がゲームやSNSに熱中するからである。休み時間における子供たちの会話や遊びは社会性を育てる上で重要であると思うが、なくなるか、減少する可能性が大きい。また熱中した直後に授業への頭の切り替えができるかも疑わしい。教室での使用を禁止する方法もあるが実効性に疑問もある。トイレなどが満室になるかもしれない。

 持ち込みを求める側は災害時の連絡を挙げるが、そんな災害に出会う確率は僅かである。しかも連絡手段が有効に働くのは通学中である。学校にいる間は学校側の管理下にあるし、そこに父兄から子供に指示がいけば混乱を招くことも考えられる。人命に関わるかもしれない災害時の対策と言えば何でもまかり通るようだが、発生確率も考慮すべきである。

 結局、スマホの影響がどの程度かは、予測が難しい。こういう場合は実験が適している。いくつかの実験校を決めて、異なる条件下で実験するのである。そうすればその是非が明らかなるだろう。教育を全国一斉に変えて、もし失敗すれば影響は大きい。ゆとり教育の失敗はそれほど昔のことではない。これも実験をせず、全国一律で始めたので日本全域での学力低下というひどい結果をもたらし、低学力の厚い世代が出来てしまった。教育での失敗は取り返しがつかないことが多い。だからこそ実験が必要なのである。

 ゆとり教育を推進した人たちの多くは、その失敗が明らかになったとき、責任を問われる立場にはいない。首謀者らの謝罪すら聞いたことがない。だれも責任を取らない無責任体制なのである。だからこそ実験をして慎重にことを運ぶという動機が生まれないのではないだろうか。決定する体制のありかたの問題でもある。
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