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マスメディアは民主主義の敵?

2019-03-10 21:41:54 | マスメディア
 2015年、大阪都構想は住民投票によって敗れた。この時の賛成反対の差は0.8%、僅かな差である。このとき、MBS毎日放送は大阪都構想に反対の報道をしたと言われている。構想の負の面ばかりを強調したということである。0.8%というわずかな差なので、MBSが実質的にキャティングボートを握っていたと考えてもよい。大阪都構想を実際に決定したのはMBS毎日放送という奇妙なことになった。

 2009年の衆院選挙では民主党が圧倒的な議席を獲得して政権を手に入れた。最大の勝因はメディアの大部分が民主党を持ち上げたためであろう。選挙の勝利が確定した時、ある新聞社では「われわれの勝利だ」と叫んだそうである。3年余に及んだ民主党政権は散々な結果を生み出した。民主党を正しく評価できなかったメディアはその識見の低さが証明された。しかし多くの有権者は民主党政権は自分たちの投票の結果、誕生したという意識があると思う。自分の意志で投票しているように思っても、実際は与えられた情報によって投票しているに過ぎないのである。投票行動は与えられた情報によって変化する関数であると思っても大きな間違いはない。民主党をまず見誤ったのはメディアであって有権者は乗せられただけである。

 投票するのは有権者であっても、実質的に大きな影響力をもって投票結果を左右するのはメディアである。メディアは情報の仲介という仕事をする民間企業に過ぎず、本来情報を恣意的に操作してよい立場ではない。現実にはあり得ない例だが、NTTやソフトバンクなどの通信会社が通過する情報を恣意的に取捨選択することを想像してみればわかるだろう。しかし現在の多くのメディアは特定の目的に合わせて情報の加工をやっている。また、この民間企業は選ばれたわけでもなく、特別な資格があるわけでもない。現実のメディアは政治的な思想性、党派性を強く持っていることが多い。だから余計に厄介なわけであるが。

 ワイロが横行する社会においては、たいていワイロに対して寛容である。だからこそワイロがなくならないともいえるが、一般に、以前から身の回りに存在するものに対して、われわれは鈍感であり、あまり注意を払わない。朝日や毎日が左に偏った報道をしても、それはいつものことであり、特別悪いこととは思わないようになっている。まあ馴化されているわけである。

 そもそも有権者の行動を左右しようなどという考えは有権者より我々の方が正しい判断ができるという思い上がりがなければできない。本当にまともな判断ができるのであればそれも悪くないが、民主党を担いだ例を見れば彼らの見識の程度がわかる。それよりも偏った情報を与えることによって投票を意のままにしようという行為は民主主義の原則を否定するものである。

 偏った報道の例として、放送法遵守を求める視聴者の会による調査結果を以下に引用する。
「当会の調査によると、安保法制成立直前1週間の各局報道番組の法案への賛否の放送時間比較は、NHKニュースウォッチ32%:68%(賛成:反対、以下同)、日本テレビNEWS ZERO10%:90%、テレビ朝日報道ステーション5%:95%、TBS NEWS23 7%:93%、フジテレビあしたのニュース22%:78%など、常軌を逸した偏向報道となっています。特定秘密保護法、集団的自衛権の閣議決定など重大なトピックではほぼ同じ極端な偏向が繰り返されてきました。この現状を短期間に是正しない限り、国民が正しい政治判断を下すことは不可能です」

 朝日と毎日の極端な比率はおなじみのものだが、賛成の立場が5%と7%、あまりにもひどい。日本テレビも10%:90%とは驚く。賛成に最も多くの割合を割いたのがフジでなくNHKというのも意外である。ともかく、視聴者はこれらを見て判断するわけである。強い影響がないわけがない。テレビは公共財の意味が強い。つまりインフラである。こんな偏りが許されてよいわけがない。メディアはしばしば「それは民主的ではない」と批判するが、自分では民主主義の根幹を否定するような行為をしているのである。中立を装いながらの偏向報道には汚い偽善者の匂いがする。

 メディアが政治的に中立でなければならないことは多くのメディアの綱領にも明記されている。民主主義には中立が必要と認めていながら、それを破っているのだ。かなり悪質である。それでは視聴者としてなにをなすべきか。まず現状をおかしいと思う認識、まともな感覚とモラルが必要である。視聴者が、偏向報道はワイロと同様、悪いことだと思う感覚が重要である。ひどい偏向報道は許さないという気持ちが必要である。視聴者・読者がそのような意識を持って、偏向報道する局の番組を見ない、そういう報道をする新聞の購入を断るといった行動が事態の改善に役立つ。偏向報道を示すために放送時間の比率以外にもいろいろな指標があるだろう。Me too 運動のような国民的な運動ができないものだろうか。規制メディアにそれを期待するのは難しいが、今はネットがある。
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2 コメント

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一般人は知るすべがない (urusi)
2019-03-17 18:26:24
こんにちは、マスコミが世論誘導を担っているのは、少しひねくれた人びとでは共通認識でしょう。素直な人々は新聞に書いてあった、テレビでこう言っていたとかでほぼ無批判に受け入れているのが現状かと思います。
人々の善悪感情すらもマスコミが決めているように思います。
彼らマスコミは仲間意識が強いらしく、ほぼ論調が似通る傾向があるように感じます。
NHKはまるでまだよいような数字が出ているようですが、私はNHKはその手の調査手法は研究済みで、決して偏った結果にならないよう腐心していると憶測しています。実際に視聴してみれば決してそんな印象は受けないのではないでしょうか。
(NHKは、ネットに対するネガティブ印象操作も感じます)
私個人はTV東京が一番客観的な印象をもっています。まぁ新聞は今回の軽減税率に対する対応で推して知るべし感があります。産経は残念ながら一地方紙みたいな感じであまり影響力が感じられませんね。このような現状圧倒的多数のマスコミが左寄りの中で、投票では自民党が勝利しているわけですから、日本国民はあっぱれと言いたいです。残念なのはマスコミ内での自浄作用が、機能していないことではないでしょうか。
ご指摘の通りネット社会が普遍的になれば、マスコミも変わらざるを得ないのではないでしょうか。
Unknown (okada)
2019-03-18 23:38:03
実によく観察されていますね。確かにNHKにはバランスを意識しているところが見えるようです。それと中身も一枚岩ではないと思います。「少しひねくれた人びとでは共通認識」、その通りです。ただ朝日、毎日の偏向の程度についてはまだまだ過小評価が多いように思います。
「圧倒的多数のマスコミが左寄りの中で、投票では自民党が勝利しているわけですから、日本国民はあっぱれと言いたいです」まったくその通りです。

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