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東京コロナ無策

2020-07-05 21:29:06 | マスメディア
 もし、新型コロナが武漢市の発生地で封じ込められていたら、世界は莫大な犠牲を払わなくて済んだ。先月、北京では新たな感染者の発生を受けて、封鎖に近い厳重な規制が行われているそうである。感染拡大は火事と同様、初期が重要である。遅れるに従って、大規模かつ厳しい規制が必要になる。経済的損害も飛躍的に大きくなる。

 東京の新規感染者数は131人で、その増加傾向は明確である。その数も過去のピークである4月17日の206人に近づいている。既に初期消火の段階は過ぎたように思われる。東京からあふれ出したウィルスは全国に広がり始めており、すでに東京だけの対策では済まない状況になりつつある。感染してから感染が確認されるまで10日間程要するとされるので、すぐに対策をとったとしても効果が見えるのは10日ほど先になる。その間は等比級数的に増加すると考えられるから無策であれば4月の感染状況に近いものになる可能性が高い。その割に今回の危機感は前回に比べるとずいぶん弱い。2回目は新鮮味を欠いて飽きるせいなのか。国民はそれでも仕方ないが、都と政府、メディアはそれではいけない。予測可能なものについては対策を取る立場である。予測である以上、ある程度の見込み違いは仕方がないが、予測範囲の最悪の事態にも備えるのが仕事であろう。

 前回の緊急事態宣言に於けるような全面的な規制は経済的な犠牲が大きいし、それに対処する財源があるわけでもない。春の経験から、我々はどのような環境が感染拡大に危険なのか、心配ないのか、あるいはどのような対策が有効なのかをある程度学んでいる筈である。映画演劇、屋外の公園まで自粛要請されたが、恐らくこれらのリスクは小さいと思われる。いまやり玉にあがっている夜の街やカラオケ、ライブハウスなどが高リスクだとわかってきた。

 いま実施すべき対策はキャバクラやホストクラブ、カラオケなどの高リスク環境の除去であることは自明である。ただ、ここまで感染が広がった以上もう少し範囲を広げる必要があるかも知れない。対象業種・地域が狭ければ、休業補償にかかる費用も安くで済む。とにかく遅ければ遅いほど対策は高価なものにつくのは確かである。スウェーデンのように自然にまかせるというなら別であるが。

 キャバクラやホストクラブなどは濃厚接触が仕事のうちなので、マスクやソーシャルディスタンスなどの対応策を取りながらの営業は無理があると思う。元文部科学事務次官の前川喜平氏ならこの世界の「調査」で詳しいそうなので、ご意見をお聞きしたいものだ。

 この度、東京都はコロナ用のベッドを現在の1000床から3000床に増やすように、病院に要請したと伝えられている。感染拡大を抑えるより、拡大した場合の医療体制を重視しているように思える。医療も大事だが感染拡大を止める方が優先されるべきなのは当然である。しかし拡大抑制に対してほぼ無策であるのは理解できない。現在の急激な感染拡大の状況を見て、先が見通せないのだろうか。まあ見通せる人物ならば1月に33万着もの防護服を送るようなことはしないだろうけれど。まあ23期目の小池都知事の初仕事が新型コロナ感染の全国拡大ということにならないことを願う。


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