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異文化の国々

2019-03-03 22:12:49 | マスメディア
 米朝首脳会談が行われた27日、NHKなどのテレビは数時間後に迫った会談についての解説番組を放送した。多くの学者・評論家が動員され、ああだこうだとそれぞれが分析や予想を繰り広げた。しかし翌日の会談の実質的な決裂を予想した人はいなかったのではないか。お気の毒だと思うが、予想外の結果となり、動員された学者や評論家のセンセイ方の予想はほぼ全員がハズレとなった。ハズレの理由はいろいろあろうが、彼らが北朝鮮を普通の国、合理的な行動をする国であると判断したことがその理由のひとつでないだろうか。正常性バイアスと少し似ている。

 首脳会談の結果は数時間ないしは翌日に出るのだから、それまで待っていればいいのだと思う。テレビに招かれれば断りたくはないのだろうが、こんな結果になれば、センセイ方にとっても不名誉なことになる。そもそも視聴者にとっては間もなく結果が出ることについてあれこれと好き放題に聞かされても意味がない。間違った予断は役に立たない。解説なら首脳会談の後で十分であるし、正確でもある。センセイ方にとっても会談の前後で手の平を返したような説明になるのは嫌だろう。決裂の理由についてはいろいろと解説されているが時間がなかったためか、納得のできるものは少ない。北朝鮮の秘密のウラン濃縮施設を米国が指摘したが、北朝鮮はそれを認めなかったことが決裂の原因のひとつだと一部で報じられた。寧辺の施設を破棄すると言って譲歩を引き出し、裏で同じ施設を作るという過去と同じだましの手口であり、それなら納得がいく。しかしもしそうなら元々ないに等しい北朝鮮の信用がさらに失われたわけで交渉の見通しは絶望的ということになる。まあ米国がまた北朝鮮に騙される事態が避けられたことだけは確かなようである。

 それはともかく、今回、改めて明らかになったことは北朝鮮と交渉することの難しさであろう。交渉や約束は互いを理解することが前提になる。理解のためには、たとえ政治体制が違っていたとしても、ある程度の共通認識、つまり共通の文化が必要なのだと思う。極端な例であるが、共通の文化がない宇宙人との対話は極度に困難なものとなるだろう。むろん北朝鮮は宇宙人ほどの違いはないが、文化の違いが対話を困難にしているのではないかと思う。米国は過去に何度も裏切られて、援助だけ取られてきた経緯がある。北朝鮮の行動は米国の予想を超えるものであったからだ。日本の拉致問題が何十年経っても一向に解決しないことも我々の常識では理解できない。合理的な理解が不可能なのである。

 相互理解が困難という点で言えば韓国もなかなか大したものである。こちらは政治体制の違いは大きくないが、日韓両国間の摩擦が絶えない。戦後70余年になるが、未だに戦前の問題が何度も蒸し返されて永遠に続くようにさえ思える。前大統領の「恨みは千年経っても忘れない」という意味の発言があったが、文化の違いであろう。千年の恨みの上に友好を築けるのだろうか。

 まわりの国が理解困難であることは実に困ったことだが、そうである以上、適切な対策を取らなければならない。過去の失敗の原因のひとつは、相手国の文化を我々と同じだものだと考えたことにあるのではないか。人がみな違うように国もまた違うのであろう。誠実で恩義を忘れない人もあれば、不誠実で恩を仇で返す奴もいる。また約束を守れない者もいる。国もまた同じではないか。何度も約束を反故にされてなお約束事を求めるのは誤りである。その場合は履行に対する強制力のある担保が必要である。信義など何の担保にもならない。相手国のもつユニークな個性を十分見定めた上で、付合う必要があるのではないだろうか。
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