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感染拡大の行方?

2020-02-16 22:00:42 | マスメディア
 感染拡大の行方?

 新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。政府は水際作戦と称して侵入を阻止するいくつかの措置をしたが、今のところ十分に機能しているとは言えない。侵入を阻止するための「壁」に大穴が開いているからである。拡散を止められるかどうかは穴の大きさと対応能力のレベルで決まる。対応能力は一定限度しかないから、穴の大きさが状況を決定すると言ってよいだろう。

 日本は現在、2週間以内に中国の湖北省と浙江省に滞在した人にだけ入国制限をしているが、他は自由に往来できる。中国の大部分の地域からは空路が開かれたままである。大穴である。これに対して米国などは中国全土からの入国を禁止した。感染が日本に侵入して拡大する可能性は予想できたことなのに、日本の措置はずいぶん甘いというか、間抜けな感がある。「渡航や交易制限を制限する理由は見当たらない」というWHOや中国の過少な発表を信じた結果かも知れないが、騙される方も悪い。感染を阻止できた国、侵入を許した国、数か月後には各国政府の危機対応能力の差が明らかになるだろう。それにしてもこの時期に国会で「桜を見る会」を取り上げて政府の足を引っ張る野党って、いったいなんだろう。

 私の住んでいる京都は中国からの観光客が多い。しかしまだ感染例が少ないのは意外である。症状が一般の風邪とよく似ている上、感染能力のある潜伏期も比較的長いなど、始末が悪いウィルスであるから、顕在化していないだけの可能性もある。顕在化の割合がどれくらいなのか、わからないが数倍くらいはあるかも知れない。

 「過度に恐れることはない」「正しく恐れよ」こんな言葉がよく使われるが、何も言っていないのと同じである。過度と言ってもどこまで過度かわからないし、正しくといってもどれが正しいのかわからない。「過度」や「正しいこと」の内容を説明することが前提である。

 テレビ報道を見ていると、大部分の人は「とても恐れる」となるだろう。恐れさせる報道なのである。ここで根拠も示さず「過度に恐れることはない」なんて言ってもあまり意味がない。それとは逆に一部の識者から死亡率はごく僅か、インフルエンザの死亡者数に比べたらたいしたことはない、といった楽観論もある。それも事実なのだろうが、武漢での医療の崩壊を伴う大混乱は現実であり、極端な楽観視も危険である。

 若ければあまり心配しないが、私は高齢者なので、できる範囲で予防のための対策は準備した。今後の情勢が予測できない時は最悪の場合に備えるのが当然である。武漢のようになるのが最悪のケース、国内で市中感染がある程度まで広がるが3月の気温上昇で収束するのが最良のケースであろう。最悪の事態に備えるというのは安全保障と同じである。ウィルス感染にも9条のようなものがあればいいのだが。


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