噛みつき評論 ブログ版

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朝日新聞殿、これで報道の使命を果たされているのですか

2007-11-20 10:36:19 | Weblog
朝日新聞は社を挙げてキャンペーンをやっているようです。11月10日朝刊に続き、14日夕刊、15日朝刊、16日朝刊、16日夕刊、17日朝刊は船場吉兆事件がトップ記事です(大阪版)。国を揺るがすほどの一大事なのかと思ったところ、ラベルにウソが書いてあっただけということを知り、拍子抜け致しました。

 船場吉兆は資本金2600万円の小企業で、中毒事件を起こしたわけでもないのに、なぜこんなに「格別」の扱いを受けるのか、凡人の私は理解に苦しみます。まるで私的な恨みでもあるかのような執拗極まる報道を読んでも、私にとってはなんら得るところがありません。

 多数の人が吉兆を利用しているとは思えません。あるいは高給の新聞社の方は日常利用していて身近な問題だと錯覚されているのでしょうか(朝日新聞社の給与はなぜか非公開ですが、漏れた資料によるとずいぶん高水準のようです―参考資料)。

 トップ記事は1カ所だけしかない、限られたリソースです。だからトップは最も知らせる必要があることを載せるところです。どう考えても船場吉兆がそれほどのニュースとは思えません。

 例えば、国土交通省の道路の中期計画素案は国の行方を左右するほど重要だと思われるもので、15日の朝日社説で取り上げられました。しかし、この発表を扱った14日の記事は目立たないものでした。また国会が機能不全に陥っている現状をもっと指摘してもよいと思います。

 他紙は15日のトップに載せましたが、規制改革会議が混合診療の全面解禁を盛り込む方針を決めたことなど、ほかにも国民生活に大きな影響をもつ重要ニュースがあります。船場吉兆などのニュースを連日掲載することはほかの重要なニュースが削られることになります。

 裁判員制度や司法試験合格者6倍などの司法改革は、決定までの経過があまり報じられなかったために、突如出現した感があり、その間、反対意見が表面化せず、決定した今になってようやく反対が出始めました。報道の役割が果たされていたかという点に注目したいと思います。

 今回の事件の教訓がひとつあります。それは、高級ブランドを好む食通の方でも、簡単にだまされる、ということです。彼らは高額を払い、満足して食ってたわけですから。

 それはブランド信仰が幻影に過ぎないこと、産地表示の実質的な意味が希薄だということを示唆しています。○○産のなんとかなんてどうでもよいのです。

 ともあれ、見出しを赤く塗りさえすれば、スポーツ紙と見まちがうような内容の新聞は公共性を放棄したものと思わざるを得ません。


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