噛みつき評論 ブログ版

マスメディア批評を中心にしたページです。  姉妹ページ 『噛みつき評論』 もどうぞ(左下のBOOKMARKから)。

電動アシスト自転車

2018-06-17 23:18:50 | マスメディア
 電動アシスト自転車と言えば一般にママチャリ型を思い浮かべるが、最近おっさん向けにスポーツタイプの電動アシスト自転車が次々と発売されている。ヨーロッパでは既に多くの機種が発売されていて、日本は遅れているそうだ。スポーツをするのに何で電動なのか、という疑問もあったのかもしれない。それでもスポーツカーよりマシである。いくら頑張ってスポーツカーを運転しても運動にはならない。

 最近発売された機種は30万円前後と自転車にしては高額なので、私は以前から発売されているヤマハの機種を買った。価格は格段に安いが、スペックを比べるとそれほど大きな差はない。航続距離は最も補助率の高いモードでも60kmある。マニアには違いが分かるのだろうが、重量も実質的な航続距離も大差なく、あまり気にならない。

 実際に走ってみるとスタート時の加速と登り坂のラクチンさに感心する。登坂で苦闘する人力だけの自転車を追い抜いていくのも気持ちいい。電動アシスト自転車については道路交通法施行規則で定められている。時速10km/hまでは人力1に対して補助動力2以下、時速10km/hから24km/hまでは補助動力は直線比例で減少し、24km/h以上で0となる。従って低速時、登坂時(低速となる)の効果が高いわけである。

 山間部を走るのが好きで、自宅から標高差660mの峠を回ってきた。走行距離は37km/hで、電池の消費は56%であった。バッテリーは約382w/hなので214w/hの消費である。エネルギーとしてはごく僅かであり、電気代としても6円程度にしかならない。使用エネルギーの半分程度は人力であるとしても自転車の移動エネルギーの少なさには改めて驚く。一般の乗用車なら40kw/h(約4.3L)程度の燃料が必要だろう。電動アシストでは0.2kw/hなので約200分の1、人力分を加えても100分の1くらいである。ひとりの人間を37km移動させるのにこんなに違うわけである。

 峠への坂道はとてもきつく、恐らく12度(約21%、100m行って21m登る)程度はあったと思う。しかし座ったままでラクラクと登れた。道路の基準は最大でも12%(6.9度)らしいが、それをを大きく超えてる筈である(日本には37%という公道もあるらしい)。

 よく似た乗り物にモペットというものがある。こちらはペダルもついているがモーターだけでも走ることができる。便利なものだが原動機付自転車に該当し、ナンバーやライトなどが必要で運転免許も要る。堂々と販売されているが、行動では走れませんと書いてある。以前にも触れたが、モーター走行で20km/h程度の速度しか出ないものは自転車と同様の扱いにしてもよいと思うが、実現していない。また津波から逃げるとき、モーターだけの走行が可能であれば助かる人も増えるだろう。だがモリカケ問題で忙しい野党の偉い先生方はこんな些細なことには関わっていられないのだと思う。

 エネルギーの観点だけから言えば優れた乗り物だが、低速であり、屋根なし、エアコンなし、と長距離の実用として使うのはつらい。しかし極端な環境論者にとっては素晴らしい乗り物ではないだろうか。エネルギー自給率が8%に過ぎない日本にとっても有用である。たいていは歩道走行も可能で、自転車より遠距離、車より近距離の移動に便利な乗り物である。