静聴雨読

歴史文化を読み解く

古本屋の店頭にて

2010-10-01 18:32:40 | BIBLOSの本棚
「すいません。棚の上にある本を取ってもらえますか?」
「そこらに脚立があるでしょう。」
「自分で取れ、ということですか? 重くて、下ろすのが大変なんですが。紐を解いて構わないですか?」
「ダメです。」
「??? 買いたいと思う商品の中身を確認したいと思っているのに、中身を確認できないとは、どういうことですか?」
「本当に買うのでしょうね?」

ずいぶん、安く見くびられたようです。この古本屋では、店内での客へのサービスを一切しない、と固く心に誓っているようです。
店内にはコミックやアダルト本が数多く並べられています。ああ、そうか、一般書の客をコミックやアダルト本の客と同等に扱っているのか。

街中の古本屋では、コミック・アダルト本・一般書がそれぞれ1/3の棚を占めています。売上げだけを取れば、コミック40%・アダルト本40%・一般書20%の割合でしょう。それだけ、一般書の扱いがぞんざいにならざるを得ません。

そんな街中の古本屋にも、キラリと光る良書が紛れ込んでいることがあります。一般書への目利きが甘いのです。それで、安く見くびられても、街中の古本屋に足を運びます。  (2010/10)