in my room

静かなパラダイス

イーディ…

2006年04月21日 | Weblog

アンディ・ウォーホル。
1960年代ポップ・カルチャーのスーパー・スター。
シルクスクリーンの肖像画は
有名人なら誰もが自分の顔のものを欲しがった。
値段はいくらでもいい…
羨ましいかぎりですが、この人どこかキワモノというか
胡散臭さがつきまとったのも事実。


「イーディ~'60年代のヒロイン」(筑摩書房)
ジーン・スタイン/ジョージ・プリンプトン共著

イーディ・セジウィック。
1965年度「ガール・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた
時代のミューズ、トップ・モデル。
セジウィック家は代々アメリカ東部の大金持ち。
上流階級の超お嬢様で何の不自由もない、と思いきやそうはいかない。
19歳で精神病院に入院。その後、2人の兄が自殺や事故死。
アンディ・ウォーホルと出会い「ファクトリー」※へ。
誰もが憧れる時代のヒロインとなる。


「ライフ」1965年11月号

この本は著者のジーン・スタインが
丹念にイーディに関わった250人にインタビュー、
その証言をまとめたもの。
自伝物としては珍しい証言集だが、
話し言葉の文体が、当時の様子を生き生きと浮かび上がらせる。

イーディはその後、ウォーホルの元を離れ、ボブ・ディランと交際、破局。
25歳で実家に戻るも再び精神に異常をきたす。
その後、結婚をするが28歳で死去。

健康的な女学生時代。
社交界のお嬢様時代。
そしてスーパー・スター時代。
「時代を駆け抜けた」などと言われているが、
僕はこの人は普通のお嬢様で
特に何がしたかったわけでもなかったと思う。
お嬢様はそもそも野心を持つ必要などない。
名家にありがちな家系的な歪みや1960年代という時代、
強烈な個性を放つ面々と関わったことで、
自分自身がよく分からなくなったのではないだろうか?
そして薬物に依存…
孤独であったことは間違いないであろう。
話の合う人はいなかったろうし、気の休まる場所もない。
結婚した時の憑き物が取れたような
清楚で田舎臭い笑顔がとても印象的。

「彼女はもういない。」帯のキャッチ・コピーが素晴らしい。

※「ファクトリー」とはニューヨークのウォーホルの工房のこと。
 または、そこに出入りしていた人たちの総称。
 ヒッピーやプー太郎、自称詩人や芸術家にゲイ。ワケの分からない連中が集まっていた。
 シルクスクリーンの刷りを手伝ったり、アンダーグランド映画を作ったりしていた。

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