グラフィック・デザイナーになった人が多数いるのではないかな?
それ程、当時は作品のインパクト&影響力がありました。
かなり“クセ”がありますけどね。
1960年代半ば、
ストーム・トーガソンとオーブリー・パウエルによって
ロンドンで結成されたデザイン・チームが“ヒプノシス”。
最初は本の装丁などをやっていたそうですが、
ピンク・フロイドのセカンド・アルバム「神秘」のジャケットを手掛ける。
トーガソンはハイスクール時代、
ロジャー・ウォーターズ(ピンク・フロイドのボーカル、ベース)と同級生。
シド・バレット(同ボーカル、ギター)とはトーガソンとパウエル共に
同居していたこともあるといういわゆる“ダチ関係”。
「原子心母」ピンク・フロイド(1970年)
タイトルもグループ名も入っていない!スゴい!!
「原子心母」の牛のジャケットで一躍注目される。
これでピンク・フロイドといえば“ヒプノシス”というイメージが完全に定着。
一時ロジャー・ウォーターズとの確執からジャケット制作を外れましたが、
ウォーターズ脱退後は、
再びトーガソン個人でピンク・フロイドのジャケットを手掛けている。
写真を使ったデザインが主流で、これまで膨大な数の作品を残しています。
1978年には、画像処理のコンピュータ化に対応するため
ピーター・クリストファーソンを加え3人体制に。
MTVなどの影響でミュージック・ビデオが盛んに制作されるようになると、
ヒプノシスを解散して1983年にグリーン・バック・フィルムズという会社を設立。
しかし、優秀な競合他社が多く軌道に乗れず会社は倒産。
その後、パウエルが映像に転向。
トーガソンはカヴァー・アートの仕事を続け、
現在も超売れっ子アーティストとして活動中だそうです。
「聖なる館」レッド・ツェッペリン(1973年)
写真をエアブラシで着色。
「JUMP ON IT」モントローズ(1976年)
「3」ピーター・ガブリエル(1980年)
「昨晩お会いしましょう」松任谷由実(1981年)
作風はそれこそ多種多様。エロでグロなものも多い。
強烈なインパクトで一度見たら忘れられないようなジャケットの数々。
ヒプノシスのデザインの特徴は、
視覚的効果はもちろんですが、人間の欲望や内面をあからさまに表現し、
強いメッセージ性を発しているところでしょうか?!
文字のない(反商業的?)ジャケットが多いのも特徴。
これはスゴいことです!
だいたいの骨組みを聞いて制作するため、
アーチストのコンセプトやイメージと異なり、
いわゆるトラブルに発展したケースも多いとか…
同業者としては頭の痛い話ですね。
“おまかせ”が一番うまくいくと思うんですが?!