in my room

静かなパラダイス

ジム・トンプソン…

2006年05月31日 | Weblog
今回はボルネオではなくてタイにゆかりのある人物をご紹介します。
タイ・シルクの世界的なブランドの創始者ジム・トンプソンがその人。
コタ・キナバルで宿泊したホテルにもこのお店が入っていて、
本など少しばかり買い物をしてきました。
自宅のクッション・カバーや車の座布団カバーはここの製品です。


コタ・キナバルのホテル内のジム・トンプソンのお店で。
店員は親切なお姉さん。

その数奇な運命には興味を覚えないわけにはいかない。
1967年にマレーシアで失踪して未だに生死が不明???
なんてこった!!!

大学で建築学を学んだ後、アメリカ陸軍に自ら志願。
CIAの前身の組織で諜報員!としてヨーロッパやインドシナ半島で活動。
スパイですぞ、スパイ!!終戦後もタイに留まって、
当時衰退の一途をたどっていたタイ・シルクを私財を投じて再建。
その後、品質とデザイン性が欧米で高い評価を受けて、
現在ではタイを代表する産業にまで成長させた伝説の人物です。


英語の本に挑戦してみますか。

なぜ失踪したのか?
それが判らない。
ジョン・ル・カレなら一級のスパイ小説に仕上げたであろうに…
などと考えていたら、
なんと松本清張が「熱い絹」という小説で
この題材を取り上げている。

失踪の原因は
1.身代金目当ての誘拐
2.スパイがらみで暗殺または逃亡
3.ジャングルで遭難
4.地元民による殺害

などが挙げられているが、現在でも謎のままである。
僕は2のスパイがらみで監禁・殺害、
あるいは名前や顔も変えて南米あたりに逃亡したんでは?
と踏んでいるのですが…
今回の旅行で買ってきた本を読んでみることにします。
英語なので心持たないですけど。
しかし、なんともミステリアスな話ですね。


バンコクにある「ジム・トンプソン・ハウス」

タイ・バンコクの彼の住まいは「ジム・トンプソン・ハウス」として
一般に公開されており、観光名所になっている。
収集していたタイやカンボジアの骨董品などが展示されているそうです。


ボルネオ通信 その2…

2006年05月30日 | Weblog
日焼けしていなくて色白、体型はポッテリ系。
おまけに背中にはデイパック…
最もビーチ・リゾートが似合わない、
いわゆる“アキバ系”がビーチに佇んでいる。
キモっ!違和感アリアリでマジ浮き!
「気にしない。気にしない。ノー・プロブレム!」
南国のビーチ・リゾートには
万人を受け入れる度量が備わっている。
太ったオバサンのビキニ姿も品のない入墨をした兄ちゃんも
一目でそれとわかるゲイの2人組も…
何でもOK! いらっしゃ~い!


のんびりとビーチで飲むビールは最高。
コタ・キナバル近くのマヌカン島の砂浜。

前振りはそこそこに今日はマレーシアのビール事情について。
東南アジアを旅行するとよくビールを飲む。
暑さのせいもあるけど、値段が安いというのも理由の一つ。
ミネラル・ウォーター並に安い国もある。
食事はまずくてもビールはどこの国のものでもけっこうイケる。
タイには「シンハ」に「チャーン」
シンガポールは「タイガー」
インドネシアは「ビンタン」
フィリピンは「サン・ミゲル」などなど。
しかし、マレーシアには自国のビール会社がない。
イスラム教国というのがその理由である。
ライセンスでインドネシアの「アンカー」を生産しているそうだが、
コンビニでは置いてなかったなぁ。
コタ・キナバルでよく見かけたのが「タイガー」と「サン・ミゲル」。
あとはハイネケンなどのヨーロッパ系。


コタ・キナバル市内のイスラム寺院。

マレーシアはビールを輸入に頼っているので値段が高い。
コンビニで「タイガー」が8RM(1リンギット=約31円)で
「サン・ミゲル」が4.5RM。
現地の物価からするとかなり割高感がある。
空港やホテルで飲むとその2.5~3倍程度。


夕陽を背にキメのポーズでビールを注ぐウエイター。
「タイガー」だったかな?

コンビニでたくさん仕入れてホテルの部屋で飲む。
リゾート地ではこれに限る!


ボルネオ通信 その1…

2006年05月29日 | Weblog
リゾートへの旅行は
「ホテルと食事が良ければ100%満足できる」
常々そう考えているのだが、今回はまさにその通り。
「もう一度訪れたい」
ボルネオ島コタ・キナバルはそう思わせるほど
豊かで質の高いリゾート地である。
欲を言えば2週間程度は滞在したいが…そうもいかん。


広大な敷地にビックリ!「タンジュン・アル・リゾート」
サービスもいいぞ!

リゾートに行って何をするか?
「何もしない!」
美味しい朝食。
日焼け止めを塗ってホテルのプールで一泳ぎ。
プールサイドで読書&うたた寝。
ランチもここで。ベジタブルにしておこう。
味付けは薄味でとても美味しい。


お昼はベジタブル・バーガーとビールで。

午後は敷地内やプライベート・ビーチを散歩。
シャワーを浴びて、ホテルのベッドでまた読書。
冷えたビールをバシャッ!
さぁ、アロハに着替えてダウンタウンに繰り出そう。
中心街まではタクシーで10分程度。
治安が良く、人々も穏やかでとてもフレンドリー。
何のストレスもない。
日本での些末な事はまず忘れられる。
持っていった本がとても面白く、
新しく買ったデジカメの性能が良い。
これでいい。十分に満足。


ホテルのプライベート・ビーチ。


ワインなど飲みながら…
サンセット・バーからの眺め。
回りは白人系カップルばかり。
こちらは謎の東洋人5人組…浮いとるがや

オランウータンやラフレシア(巨大な花)も見なかったし、
4000メートル級のキナバル山へも
有名な洞窟(世界遺産?)へも行かなかった。
一応、登山靴を履いて行ったんだけど…

欲張らないのがリゾ-ト地の過ごし方。
これが正解!


ossiの旅…

2006年05月23日 | Weblog



明日から週末にかけてマレーシア・ボルネオ島の
「コタキナバル」という所に行ってきます。
リフレッシュ休暇。
休暇を取るという身分でもないんですけどね。
仕事関係の皆様方にはご無理を言いますが、
何卒よろしくお願いいたします。



というわけで、ブログは今週はお休みです。
「ボルネオ通信」乞うご期待!

 


オシャレ系 その2…

2006年05月22日 | Weblog
前回はオシャレなCDを選んでご近所をドライブしてきましたが、
今回はその第2弾。
爽やかな5月の風を感じながら郊外をドレイブするも良し、
静かにお酒など飲みながらくつろぐのも良し。
しかし、雨ばかりですね。もう梅雨でしょうか?



ロジャー・ニコルズ。
オシャレな音楽を作らせたらこの人、達人です。
勘どころが解っているというか聴く者のツボが見えているというか…
「キューーーン!」ときます。あまりの素敵さに。
高度なコーラス・ワークや洗練されたアレンジが何とも素晴らしい。
ビートルズやバート・バカラック、キャロル・キング、
ジョン・セバスチャンの曲をお洒落なアレンジでカバーしています。
以前取り上げたニック・デ・カーロもアレンジで参加。
だいたいメンバー決まってくるんですね。かなり狭い世界でやってます。
5月の晴れた午後に聴くにはうってつけの一枚!
一枚持っていて絶対に損はないと思います。
実は、このアルバム一枚しか出してないんですが…何故なんだろう?
バンド名の「スモール・サークル・オブ・フレンズ」がなんとも良い。
ちょっと控えめというか出しゃばらない感じが…
ロジャー・ニコルズは粋で優しくて包容力のあるとても魅力的な紳士だそうな。
(会ったことはありません!写真で見ると確かにそんな雰囲気です)
グループとしては1967年のこのアルバム一枚のみですが、
カーペンターズなどに名曲を書いています。



家でゆっくり聴くとしたらこれかな?
シンガーズ・アンリミテッドの「アカペラ」。
その名のごとく、歌とコーラスのみで演奏はナシ。
当然、歌が上手くなければできない芸当です。
安い芋焼酎が高級ブランディの味に変わります。
それくらい、上質なアルバムです。
やや低めでゆったりとした女性ボーカルがメチャメチャ上手い。
そして男性コーラスが絶妙に絡む。
彼らの音楽を一言で表すと「お・と・な」ですかね?!
「ヒア・ゼア・アンド・エブリホエア」
「ミッシェル」「フール・オン・ザ・ヒル」
ビートルズの名曲を3曲。絶品です!
ビートルズのバラードはメロディーが繊細で素晴らしいですね。
その才能は抜けてます。
ポール・マッカートニー…あんたは一体何者?
宇宙人ですか?
ヘザーさんと離婚だってね?!


村上さん その1…

2006年05月19日 | Weblog
村上ファンドじゃないですよ、春樹さんの方。
私はどうも彼の小説は面白いとは思わない。
初期の頃は日本でもこういう作家がいるんだ、と
追いかけていたのですが(学生時代)、
どういうわけか、だんだんと馴染めなくなった。
エッセイや旅行記は楽しくて上手いなぁと思うんですが。

しかし、彼はもう一つの顔を持っている。
“翻訳家”としての顔である。
こちらは文句なしに良い仕事をしていると思う。
フィッツジェラルドにカポーティ、サリンジャー…
アメリカ文学の美味しい所をとても丁寧に上手に翻訳している。
レイモンド・カーバーやポール・セロー、
ジョン・アービング、ティム・オブライエンなど
今まで読んだことのなかった優れた作家を
紹介してくれるのはたいへんありがたい。



●レイモンド・カーバー(1938-1988)
自ら長編を書く根気がないと言っているように短編作家である。
早くに結婚し、さまざまな仕事をしながら文章を書いていた経緯があり、
長いものが書けないという理由もうなずける。
とても簡単で簡潔な文章だが、
素朴で絶妙な味わいがあり、読後になんとも形容しがたい余韻が残る。
ストーリーはひねりが効いていて、ハッとさせられる結末もある。
ロバート・アルトマン監督が「ショート・カッツ」(1993年)で映画化しましたが、
短編をどうやって映画にするんだろう?と思っていたところ、
9つの短編と1つの詩を繋げて一本の物語を作り上げた。
そんなムチャな!とかなりの強引さにビックリしましたが、
観てみるとこれはこれで面白かった。さすがにアルトマンですね。



●ポール・セロー(1941-)
映画「モスキート・コースト」(1986年 ピーター・ウィアー監督)が
興味深い内容だったので原作者のセローの事が知りたいと思っていた時に
ちょうど「ワールズ・エンド(世界の果て)」という短編集の翻訳が出た。
いいんですね、これが。
特に表題になっている「ワールズ・エンド」がとても良かった。
今まで知らなかった世界というか、こういうのありだなぁ~、としみじみと感じた。
セローは欧米では旅行作家として有名だそうで、
「大地中海旅行」という本がNTT出版より出ている。
まだ読んでいないので、取り寄せてみようと思う。
陸路にこだわって自宅(ボストン)から南米大陸のパタゴニアまでを
旅したときの様子を軽妙なタッチで綴った旅行記だそうです。
面白そうですね。

村上さんはもう一つ、ジャズ・マニアとしての顔も持っている。
これはまたの機会にでも。
ピーター・ウィアー監督についてもまたの機会に。
「ピクニック at ハンギンロック」の監督ですぞ!


ローラ・ニーロ…

2006年05月18日 | Weblog

女性シンガー・ソング・ライター。、
けっこう好きで全部ではないけど、たくさんCDを持っている。
この人は「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と呼ばれることもある。
音楽をやっている人達に人気がある、という意味。
いわゆる“通好み”?!
別に通でなくても曲の良さは歴然です。

ニューヨーク生まれ。
父親がジャズ・トランペッターで
伯母さんがジャズ・ボーカルで有名なヘレン・メリル。
良い音楽環境で育った、サラブレッドですね。
他の人に書いた曲にもヒット曲がたくさんある。



僕は特にこの2枚が好き。
ファースト・アルバム「ザ・ファースト・ソングス」。
音楽性の高さは1曲目「ウェディング・ベル・ブルース」(全米1位)を聞くだけで分かる。
ハーモニカの使い方が新鮮、何しろ歌がメチャ上手い。
5曲目「レイジー・スーザン(Lazy Susan)」という曲は、
同名のブティックがある。
おそらく、この曲から取ったと思われる。
ラスト「アンド・ホェン・アイ・ダイ」はまさに名曲。
全12曲、すべて粒揃い。
ゆったりとリラックスした雰囲気の好アルバム。
ジャケットの赤と中央の赤いバラも印象的。



次はニューヨークでのライブアルバム
「ローラ・ニーロ・ライブ・アット・ザ・ボトムライン」
ライブアルバムは好んで聴かないけれど、
これは特別。愛聴盤。
進行やゆったりとしたテンポが良い。
しゃべりも入っているし、メンバー紹介もカッコいい。
お客さんもとてもリラックスして楽しんでいる様子が伝わってくる。
それから、ここでギターを弾いているジミー・ビビーノという人が凄腕!
この人、大好き。本当に上手い!
彼に憧れて、同じ型のエレキ・ギターを買いました。(カッコだけ?)
派手なことはしないのですが、ビシバシ決めてくるし、入ってくる。
上手いなぁ~と言いながら聴いている。
決して歌の邪魔をしないところも
腕の良いスタジオ・ミュージシャンらしくて素晴らしい!

ローラ・ニーロは1997年、
49歳の若さで癌で亡くなりました。
とても残念!


ベン・ニコルソン…

2006年05月17日 | Weblog

私は絵を見る時にその絵自体の良さというよりも、
インテリアとしてその絵が機能するかどうかで見る傾向がある。
漆喰の壁面に大きさはこのくらいで、
ここに古い木製の家具を置いて、照明はこんな感じで…
などと考えてしまうのだ。

black bottle 1979

ベン・ニコルソン(1894-1982)。
20世紀イギリスを代表する抽象画家。
いいですね、この人。
モチーフはその辺りにいくらでも転がっているありきたりなものですが、
彼の手にかかればこうなる。
ピカソやブラックのキュビズムに触発され、
モンドリアンの新造形主義の影響を受けている。
風景画も描くようですが、
静物画の方がシンプルな描線が効いていて好みです。
繊細な描線と構図の素晴らしさ、押さえ気味だが絶妙な色合い。
壁に一枚欲しいですね。

cut glass 1979

部屋の模様替えをする時に
家具やカーテンに照明器具、そして絵などもゴソッとえれば
さぞ気分転換できるのにな、と思います。
季節ごととかね。
現実では、そんなのは夢のまた夢ですが…

2年程前の今頃の時期だったと思いますが、
名古屋・芸文でニコルソンの回顧展をやっていて、
行くぞ行くぞと思いつつ何度も前を通ったのにもかかわらず、
結局見逃してしまいました…なんてバカな!
印刷物ではニコルソンの良さが判らないという人もいる。
絵の大きさも見当がつかないし。
あ~ぁ残念!本物が来ていたのに!れーれれーのれーっ!!

私はそういう“ウッカリ”が度々ある。
映画に行ったら先週で終わっていたとか、
CDを買って喜んでいたら既に同じCDを持っていたとか、
文庫本を買ったのはいいがハードカバーで持っていたとか…などなど
日頃、何考えてるんだか?
ボーッとしてるんだろうね、きっと。


Cosi Fan Tutte…

2006年05月16日 | Weblog

コジ・ファン・トゥッテ(女は皆こうしたもの)。
モーツァルトの有名なオペラのタイトル。
今年はモーツァルト生誕250周年だそうですね。

今回は洋服屋さんの話。
東京・銀座のセレクト・ショップ「DECENT」の
オリジナル・ブランドの名前が「Cosi Fan Tutte」。
スーツやジャケットの評判が良い。
生地はイタリアやイギリスの高級素材を使用して、縫製は日本。
日本人の体格を熟知した仕立ての良さが売り。
既製品でもオーダーしたような着心地で、
価格もまぁそれなりだが、イタリア製に比べればリーズナブルで
薄手のジャケット程度なら手が出ないこともない。



僕は春夏物の一枚仕立てのコットン・ジャケットを持っている。
生地はイタリア“オルメザーノ社”の目の詰った極上コットン。
色は明るめの紺色。
きれいにフィットするショルダーラインから、
ナチュラルにシェイプされたウエストライン。
スタイルがよく見える。
袖、背、フロントに至るまで、
フルステッチ加工を施した手のこんだ職人技で
袖を通した瞬間からその柔らかな着心地が味わえる。



現在、スーツやジャケットはイタリアのナポリ・スタイルが主流。
クラシコ・イタリアと呼ばれるベイシックでオーソドックスなスタイル。
ナポリには腕の良い職人が揃う
有名な「サルトリア(仕立て屋)」が数多くあり、
世界中の政財界を始め、著名人やスポーツ選手などが
こぞってオーダーしているようです。
日本のセレクト・ショップでもよく見かけます。
触れただけで極上品だと分かりますが、高価過ぎて手が出ない。
このブランドはそこそこの価格で、本場ナポリ・スタイルが堪能できるし、
何より日本人の体型にフィットする。
次は冬物のツィード・ジャケット…買えるかな?

職業柄、スーツはまず必要ないですが、
ジャケットは必需品。
ネクタイをすれば公的な場所でもなんとかなる。
ジーンズとスニーカーでも様になるし、
ブルゾン代わりにちょっと羽織ることもできる。
使い勝手がなかなか良いのだ。

合わせるシャツやパンツ、靴などなど。
懲り出したらキリがないんだけど…ま、ホドホドに!


デビット・フィンチャー…

2006年05月15日 | Weblog
いつも古い音楽や映画の話題ばかりなので、
先日の飲み会でも20代の諸君からは「よう分かりまへ~ん!」と言われたばかり。
まぁ、趣味ってそんなもんよ!
というわけで今日は新し目の映画監督をいってみましょう。

デビット・フィンチャー。
知ってますか?
まだ若いので監督した映画は少ないですが、ちょっと注目しています。
映画は良いのもあるし、ハズレもある。
良い出来の次ぎがダメでその次ぎが良い、そしてその次ぎがまたダメ。
交互に良いものを作るんですね。まるでオセロみたいに。
結論からいくと「セブン」と「ファイトクラブ」が◎かな?!

以前にご紹介した「エイリアン」の3作目「エイリアン3」(1992年)で監督デビュー。
本当のところは、監督交代などのゴタゴタでやる者がいなくなって回ってきたらしい?
それまでは、マドンナやストーンズのプロモーション・ビデオを撮っていたそうだ。
で、結果はやっぱり???なんだけど、
何となく暗~い世界観(宗教っぽい?)には惹かれるものがあった。

「セブン」

ケビン・スペイシー

次ぎに撮ったのが「セブン」(1995年)。これ◎です。
ラスト強烈過ぎ!これもダークで壮絶な世界観にマジでビビリました。
雨ばかり降っている架空の都市や、焦った感じのブラピがなかなか良い。
ケビン・スペイシーという俳優が好きなんですが、彼の役が「ようやるわ!」といった感じ。
ケビン・スペイシーは「ユージュアル・サスペクツ」(1995年 ブライアン・シンガー監督)
という映画がすごく良い。お薦めです。
「L.A.コンフィデンシャル」(1997年 カーティス・ハンソン監督)も
1950年代のロサンゼルスの雰囲気がいいですよ。

「ファイトクラブ」

そして傑作「ファイトクラブ」(1999年)を撮るんですね。
これ◎◎◎です。あまり期待しないで観たのですが、メチャ良かった。
これもブラピです。
原作が良いのか、すごくオリジナリティがあるんですね。
ストーリーは少々荒唐無稽なんだけど、そのアンダーなトーンは病みつきになる。
男の子の映画です!ハマればすごいですゾ、この監督!!
フィンチャーが創り出す独特の世界観にどっぷりと入り込んでしまいました。
エドワード・ノートンという俳優はこの後ひっぱりだこ…僕は良いと思わんけど。
観ていない人にはお薦めしますが、全然ダメな人もいるだろうな、きっと?!
キューブリックの「時計じかけのオレンジ」がOKだったら、
絶対にハマると思いますよ。


バート・バカラック…

2006年05月12日 | Weblog

バート・バカラックの音楽を聞いて思い浮かべるもの。
それは摩天楼から眺める大都会の夜景。
あるいは届きそうで届かないあの人への想い…
曲は洗練されていてとってもロマンチック。いわゆる都会派。
最近は77歳にして新しいアルバムを出して話題に。


バート・バカラックとハル・デイビッド。

聞いているうちに「ブロークン・ハート」「ブレイク・マイ・ハート」
「ドント・ゴー・アウェイ」「ネバー・フォーリン・ラブ」…
などという歌詞が多いことに気がつく。
ちょっと調べてみてビックリしたのが、
彼の曲は、すべて!全部!!“失恋”の歌なんですね!!!
バカラックは作曲家なので、これは作詞家の仕業。
ハル・デイビッド。それがこの人。
「あんたの人生、ええ事ひとつも無かったんとちゃうの?」
と同情したくなるような見事な失恋ぶり。
でも、どことなく優しくて良い感じなんですね、この人。
ジャケットを見ても人の良さそうなオッチャン。
目の感じがいい。親近感が沸いてくる。
バート・バカラックのCDはベスト盤を含めてたくさんあるけど、
僕はハル・デイビッドがジャケットに出ているという理由だけで
このベスト盤を買いました。


映画「明日に向って撃て!」のサントラ。

映画のサントラでは、「明日に向って撃て!」(1969年)が有名。
ジョージ・ロイ・ヒル監督作品。
ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス主演。
「雨にぬれても」は誰もが聞いたことのある名曲。
B.J.トーマスという人が歌っている。
この映画でバカラックはアカデミー賞とグラミー賞を受賞。
以前ご紹介した「007カジノロワイヤル」のサントラもこの人。
この映画の出来は???なので、音楽にずいぶん助けられたという趣きがある。

映画「ミスター・アーサー」(1981年)
「ニューヨーク・シティー・セレナーデ」とても美しいメロディ。
これで2度目のアカデミー賞を受賞。
この頃はハル・デイビッドではなくて(残念!コンビは1973年まで)、
作詞家で歌手のキャロル・ベイヤー・セイガーという女性と組んでいる。
後に結婚。1991年に離婚したようです。


ビリー・ワイルダー…

2006年05月11日 | Weblog

マリリン・モンローの白いドレスの裾がフワァ~ッ…あれですよあれ!

絶対にハズレのない監督といえばこの人。
こんなにオシャレで楽しい映画監督はそうはいない!
まさにデートに最適!
私はいつも一人で観に行ってましたが…(暗)
「失われた週末」(1945年)や「サンセット大通り」(1950年)など
シリアス物もありますが、とにかく出来が素晴らしい。
この人7回もアカデミー賞を獲っている!


オードリー・ヘップバーンと。やっぱり綺麗。
左がワイルダー。

「何よりも重要なのはよい脚本である」という通り、
練りに練った脚本がズバ抜けて面白く、セリフはテンポ&センス抜群。
共同脚本家のチャールズ・ブラケットとI.A.L.ダイアモンドの存在も欠かせない。
三谷幸喜さんはこの人に随分助けられているハズ?!
モロに影響を受けていますね。2001年には対談までやっている。

オーストリア出身。ウィーンで新聞記者に。やがて映画の脚本を手掛ける。
ナチス・ドイツが台頭し、ユダヤ人の彼はパリに逃れ…苦労人ですね。
生涯の師、ドイツ人監督のエルンスト・ルビッチの下で脚本を担当。
エルンスト・ルビッチ…洗練された恋愛コメディーを撮らせたらまさにピカ一!
「ルビッチ・タッチ」といわれた都会的でお洒落な映画を数多く作った名監督。
晩年になっても事務所の壁に「ルビッチならどうする?」
と書かれた額を掛けていたのは有名な話。

その後、英語も喋れないのにルビッチと共にハリウッドへ。
脚本家として最高の評価を得て、いろいろな監督と組むが
「オレの方がよっぽどオモロい!」
と言ったかどうかは知りませんが、自分でやらなければ気がすまない。
そして名監督の道をまっしぐら…
かなりの頑固者で偏屈な人だったそうで、
周りと衝突することもしばしば~インタビュー嫌いでも有名。

お薦めはこのあたりでしょうか。


「麗しのサブリナ」(1954年)
左より“ボギー”ハンフリー・ボガート、
オードリー・ヘップバーン、ウイリアム・ホールデン

「お熱いのがお好き」(1959年)

「アパートの鍵貸します」(1960年)

自伝はとにかく面白い。
シニカル&ひねくれ者で洒落っ気たっぷり、なんとも憎めない人物。
お洒落で靴集めが趣味だったとか。
2002年95歳で没。
今後は三谷さんに期待するしかないですね。


ビリー・ワイルダー「自作自伝」(文芸春秋 刊)
表紙の和田誠さんのイラストがいい感じ。


南馬込 みなみまごめ…

2006年05月10日 | Weblog

東京都大田区南馬込3丁目。
最寄り駅はJR「大森」。
かつてここに5年ほど住んでいた。
東京ではそれほど楽しい思い出がないけれど、
ここは僕にとってとても好きな場所であった。

今は横浜に移転したドイツ学園というドイツ人学校があって、
駅前の不二家にはドイツパンを置いていて、よく買っていた。
長くてややこしい名前のパン。
固くて大きくて丸いやつ。
歯ごたえがあって美味しい。
「カドヤ」という高級スーパーがあり、惣菜にワインにチーズ…
美味しい鳥料理の「葡萄屋」、蕎麦やタイ料理も良いところがあった。


JR大森駅前にある文士のレリーフ。

このあたりは大正末期から昭和の初め頃より作家や芸術家が多く住んだところ。
尾崎士郎、石坂洋次郎、宇野千代、川端康成、北原白秋などなど。
馬込文士村といって散策コースになっている。
駅前に文士の顔が並んだレリーフがあり、ここからスタート。
南馬込4丁目には三島由紀夫の瀟洒な洋館があり、
篠山紀信が写真集を出している。
建て込んだ住宅地なのに、とても上手に撮影しています。


三島邸の中庭。篠山紀信「三島由紀夫の家」より
(美術出版社)

僕が住んでいたところは古い洋風アパートの3階で、
冬は風呂場に風が入ってきて我慢大会のような趣きで風呂に入っていた。
大家さんの息子が著名な舞踏家らしく、1階を稽古場として使っていて、
夜な夜な怪し気な音楽が聞こえてきたものだ。
舞踏は日本ではそれ程でもないが、ヨーロッパではとても評価されているようで、
1階にはさまざまな国の人たちが出入りしていた。
息子さんはよく海外にも公演に出かけていたようだ。

大田区といえば高級住宅地の田園調布があるが、
このあたりはもっと古くに開発された住宅街だそうな。
新しい物はないけど、しっとりと落着いた坂の多い古い街並で緑も豊か。
そして、JR大森駅界隈は下町っぽい風情もあり、
親しみやすく、住み心地のよい場所であった。

5月の住宅街は歩いているだけで気持ちいい。
深い新緑に太陽の照返し。
そして頬をかすめる爽やかな風。
また訪ねてみたくなりました。


ニーロ・ロータ…

2006年05月09日 | Weblog



作曲家。1911年イタリア・ミラノ生まれ。
音楽一家に育ち、早熟の天才として国内外から注目を集める。
本業はクラシック音楽の作曲家。
映画音楽は小遣い稼ぎ程度に考えていたそうだが、
その実力はケタ違い!


「甘い生活」(1960年)

僕の大好きなフェデリコ・フェリーニとは監督デビュー当初からずっと組んでいる。
1979年にロータが死去してフェリーニはガクッときた。
その後、テンションが確実に落ちたように感じる。
彼の音楽は、優しくて、哀しくて、愛らしくて、懐かしくて、どこか不思議な感じがする。
魔法にかかったような…おとぎ話を聴いているような感覚とでもいいましょうか?
モダンな「甘い生活」のテーマ曲は今でも遊園地などでよく耳にするし、
以前、フジテレビ「プロ野球ニュース」のオープニングでも使われていた。
フェリーニの映画といえばこの人の音楽以外は考えられない。
フェリーニとは大の親友だが、彼の映画は一度も観たことがなかったそうだ???
それでよく作曲できたものだと思うが、そこは以心伝心だったと想像できる。
本業はクラシックの音楽家なので、
映画(音楽)はちょっと下に見ていたのかもしれない。


フェリーニの「アマルコルド」のサントラを
ジャズ・ミュージシャンがカバーしたCD。
フェリーニっぽいジャケットを見ただけで即買い!
少々ゴージャス過ぎるかな?
ロータの音楽は素朴なところが持ち味なんだが。

この人の映画音楽はフェリーニだけではない。

「太陽がいっぱい」

「山猫」

●太陽がいっぱい(1960年)ルネ・クレマン監督
●若者のすべて(1960年)●山猫(1963年)ルキノ・ヴィスコンティ監督
●ロミオとジュリエット(1968年)フランコ・ゼフレッリ監督
●ゴッドファーザー1(1972年)・2(1974年)フランシス・F・コッポラ監督

などなど すごいなぁ!

どれも有名な映画で、すぐに思い浮かぶ曲ばかり。
現在では、本業のクラシック音楽が再評価されているらしい。
きっと彼は映画音楽で有名になったのが不本意だったに違いない。


異星人…

2006年05月08日 | Weblog

GWも大雨とともにあっけなく終了。
本日は、気持ちを引き締めるためにも恐いのを1本。
さぁ、社会復帰しよう!

恐いです。
今思い出してもかなり恐い。
遠い宇宙の果て…薄暗い宇宙船の中。
誰も助けに来てはくれない。
仲間の一人が死ぬ。
そして、信頼していた隊員が…やっぱ、恐すぎ!


真ん中の女優さんは、ヒッチコックの「鳥」で子役だった人。
さすがに練れたキャスティング。

リドリー・スコット監督「エイリアン」。(1979年)
これは恐い。イギリス人が作るとこうなる。
リドリー・スコットといえばCM出身のスタイリッシュな映像感覚で唯一無二の存在。
あの「ブレードランナー」の監督だ。
「ブラック・レイン」(1982年 大阪が舞台。後半が今一?)や
「ハンニバル」(2001年)も映像(特にライティング)が素晴らしい。
アップルコンピュータ、ナイキのTVCMも切れ味&センス抜群!
弟のトニー・スコットも映画監督だが、こちらは少々商業的か?
美術がまたなんとも圧倒的!
スイス出身の画家、H・G・ギーガーのデザイン。
まさに悪夢!グロテスク!背筋が寒くなる!こんなの初めて!
その後、ギーガーズ・バーという飲み屋もできたくらいのインパクトと影響力。
この映画以降は亜流がたくさん出て食傷気味になりましたが、
初めて観た時には、オリジナリティとクォリティの高さにド肝を抜かれた。

出てる俳優がまたすごい!
よくぞこれだけ集めたというくらいの名優揃い!
その中でも僕が好きなのは、
イギリスの名優、イアン・ホルム(「炎のランナー」コーチですね)と
「パリ・テキサス」のハリー・ディーン・スタントン。
ジョン・ハート(「ミッドナイト・エクスプレス」)も出てる。
贅沢すぎる~まさに奇跡ともいえる布陣。


主演のシガニー・ウィーバー。

主演のシガニー・ウィーバーはそれほど美人でもないし、
ノー・メイク?で猛烈に戦うファイターなのだが、この役は当った。
その後の活躍はご存知の通り。

ちなみに「エイリアン2」は、また違った趣きでメッチャ面白い。
さすがにジェームス・キャメロン!(「ターミネーター」「タイタニック」の監督)
こう来たの?ってな感じでまさに脱帽!素材を巧みに料理している。
単なる1の続きじゃ、絶対に超えられないもんね!
この人、頭いいですね!



『ぼちぼちと、人生相談』