in my room

静かなパラダイス

ジュリア…

2010年03月30日 | Weblog

ジェーン・フォンダ(米)
ヴァネッサ・レッドグレイブ(英) 主演
フレッド・ジンネマン 監督
1977年作品



ジェーン・フォンダが好きで
かつて何度か観た映画ですが、
またまた魅入ってしまいました。
NHK・BS、録画です。
時代考証、俳優の質、監督の演出、音楽…
揺るぎない女性の友情を描いた格調高い名作です。

女流劇作家リリアン・ヘルマン(ジェーン・フォンダ)の
回顧録の映画化。
恋人のハードボイルド作家ダシール・ハメットとの関係が
描かれていますが、
幼なじみのジュリア(ヴァネッサ・レッドグレイブ)という人物は
どうやら創作のようですね。(?諸説あり)



時は1935年、第二次世界大戦前夜。
ウィーンで反ナチズム地下運動に身を投じた年上の幼なじみジュリア。
パリで劇作家として第一歩を踏み出した
リリアン・ヘルマン(ユダヤ系アメリカ人)に
反ナチ資金をベルリンに運んでほしい、というジュリアの依頼が…
列車のシーン、そしてベルリン駅前のレストランのシーンは
緊張感ピリピリで汗たらりのスリリングさ!



その昔、まだベルリンに壁があった時代に
ロンドンからベルリン行きの列車に乗りましたが、
国境を超えるごとに切符とパスポート・チェックがあって
かなり緊張した記憶がある。
夜中で寝ててもタタキ起こされますから…
周りはシラーッと若い東洋人がなんで一等に乗ってるの?
という雰囲気…
居心地が悪くて以降は二等に移りましたけど。
「最後に寝るものが電気消しなよ」ってな感じで
こちらは若者が多くて気楽だった。
ベルリンは僕にとって感覚的にピタピタッとくる都市で
たいへん気に入り、
予定を変更して何日も滞在していましたっけ。

本筋とは関係ないですが、
ダシール・ハメットに厳しくダメ出しされながら
鍛えられて文章を仕上げていくところや、
気性の激しいリリアンの描写がいいですね。
ロシアに芝居を見に行くことになって、
ハメットを誘うと
「まったく興味がない」と断るところなど
さすがハメット“自分のスタイルを持ってるぜ”
と感心したり…
ハメット役のジェイソン・ロバーツ→いいね!
マクシミリアン・シェルが朝食を食べるシーンもリアルです!

余談ですが、ジェーン・フォンダは私生活でも
1学年上のヴァネッサ・レッドグレイブを尊敬していて、
娘の名前をヴァネッサと名付けたそうですね。