ガンプラ秘密工場(仮)

ガンプラ他、プラモデルを限られた環境下(ノンシンナー)で楽しもうというブログ
 

HGスターゲイザーガンダム(最終回)

2006年11月29日 | SEED・DESTINY
 ――勇者スターゲイザーは力尽きようとしていた。この戦闘ですでに多数の敵を倒した勇者だったが、ゲイザーバルカンの弾丸は切れ、スターブラスターのエネルギーも残り1発分を残すのみとなった。
 1体1体は小さくて脆い敵量産機(深宇宙探査開発機構DSSDでは「ザコス」と呼称)であるが、これだけの数を相手にしていたのではキリがない。もともとスターゲイザーは宇宙探査用の機体であるため、護身用の装備しか施されておらず、多数の外敵と戦うようにはできていなかったのである。機体のあちこちからショートする火花がチラつき始めた。


 「これまでか…!」スターゲイザーのパイロットである大宙衛(おおぞらまもる 声:檜山修之)にはまだ闘志が残っていたが、スターゲイザーの機体の消耗と同時に自らの体力も限界が来ていることを悟った。
 迫り来るザコスに対し、諦めにも似た気持ちで歯噛みするしかなかった衛だが、ノイズまみれの通信が聞こえてくるのに気が付いた。

 「…モル! マモル! …まから ………を射出する! お前なら使いこなせるはずじゃ!」

 「父さん! 何だって!?」

 DSSD基地のカタパルトデッキでは、スターゲイザー用の新たなる装備が射出されようとしていた。
 「ドクター大宙、あれは何ですか?」
 「おお、長官。まさかアレを使うことになろうとは思っていなかったがのぉ…。
 座標軸、良し。今じゃ! 射出!」

 細長い円筒形の白い物体がリニアカタパルトから射出される。無人の機体であるため、とてつもないスピードでの打ち上げが可能なのだ。

 「ゲイザー、あとどれぐらい持ちこたえられるんだ?」
 「あと3回食らうとアウトです、チーフ!」スターゲイザーのコアとなる人工知能「ゲイザー」が深刻な状況を伝える。
 「…気力勝負か……!」

 DSSD基地から送られてきたデータによると、新装備の到着まで数分かかるようだ。ゲイザーの被害報告からすでに2発、攻撃を食らってしまった。

 襲い掛かるザコス! もう後がない――!
 「くぅ、やられる…!」

 その時だった。見覚えのあるスペースポッドがスターゲイザーとザコスの間に割り込んで来た。真空の宇宙で、機体がぶつかり合う衝撃音が聞こえたような気がした。
 「ア、アントノフのオッサン!? …大丈夫か!」
 「おう、坊主! オレはなんとか大丈夫だ! これでこないだの借りはチャラにしてもらうぞ。それよりお荷物が届いたようだぜ!」
 肉眼でも白い物体が確認できた。
 「お、予定より早いな! よし、ゲイザー! あれを受け止めるぞ!」
 「了解です、チーフ!」

 スターゲイザーが手にした新装備は、衛がイメージしたものよりもずいぶんと貧弱そうに見えた。なんというか、ステッキのような代物である。
 しかし、その効力は絶大であった。

 「ち、力がみなぎる……!!」
 「私もです、チーフ!」
 機体のエネルギーゲージが満タンになり、ダメージも多少ではあるが回復したように思える。

 「ドクター、あれは一体!?」
 「あれはコードネーム『賢者の杖』といってなぁ、まあ詳しいことは後じゃ。今からショーが始まるぞい」

 「サークルアクセラレータ、再起動! チーフ、この装備は武器としても使えるようです」
 「そうみたいだな! 一丁、派手にやるか!」(この辺から主題歌が挿入される)


 「賢者の杖」を風車のように振り回し、ザコスを一掃するスターゲイザー! さっきまでとは別人(?)のようである。

 「ハラショー! でも、よくあんな使い方して壊れないもんだな!」と、アントノフが笑う。

 衛は「賢者の杖」でザコスをなぎ倒しながら、道場での修業を思い出していた。
 「そうか!ロン師匠が棒術を教えてくれたのは、このためだったんだ… それにしてもこの数、キリがないな!」

 「衛、『賢者の杖』とスターブラスターを連結するんじゃ!」
 「よおし!」

 「オービタル・キャノン、発射準備完了です。チーフ!」

 「おう! いくぜぇぇ! オービタル・キャノン、ファイナルシュートぉぉぉ!!」

 オービタル・キャノンの砲口から打ち出された光の奔流は、幾重もの渦を描いてスターゲイザーとアントノフのスペースポッドの周りに群がるザコスを次々と貫き、殲滅した。エネルギーの残滓とザコスの残骸が、勇者を中心としてまるで土星の輪のように漂っていた。フェイスガードを開き、戦闘モードを解除するスターゲイザー。

 「予想外の効果じゃったなぁ! せっかくGパーツも打ち上げたのに、打ち上げ費用がムダになったわい」ぶつくさ言いながらも、大宙博士は満面の笑みを浮かべている。
 「父さん、『Gパーツ』って、アレ?」

 巨大なカタマリが衛の視界に入ってきた―  ―続く―

 ―次回予告―
 勝利の余韻を味わう暇もなく、新たな敵がスターゲイザーに襲い掛かる。その時、Gパーツが唸りをあげた!! 
 次回「勇者衛星スターゲイザー」第27話「新たなる勇者、グレートスターゲイザー誕生!」にご期待ください!
 
 …もうやりませんよぉ(笑)。
 「ガンダムSEEDスターゲイザー」の本編をちゃんと観たことがないので、いきなりですが「勇者シリーズ」風オリジナルなんちゃってフォトストーリーをお送りしました(汗)。またいずれちゃんとした「ガンダムSEEDスターゲイザー」のフォトストーリーをやりたいなぁ…。

 今回使用した「賢者の杖」です。ビームガンだけでは寂しいなぁと思っていたので、何か長モノを持たせたいということで、作ってみました。

 スターゲイザーが後光を背負ったデザインなので、最初は仏像とか仙人の杖みたいな感じにデザインしました。
 ところが「ガンダムSEED」世界ではおなじみの「連結式火器」の要素を採り入れたくなり、それっぽくデザインを変更。さらに作っている途中に流用パーツの都合でかなりシンプルなモノになりました。

 ランナーとコトブキヤのモビルパイプ&バーニア、HGUCザクで使わなかったパーツとホログラムシールの余白で出来ています。
 宇宙探査機ということで、測量用の三脚とか天体望遠鏡のイメージも盛り込んであります。 


 キット付属のビームガンとはポリランナーで接続しました。かなり無理矢理ですが…(汗)。


 今回の「HGスターゲイザーガンダム」は、キットの出来が非常に良いので、オリジナルの装備で遊んでしまいました。たまにはこういうのも良いのでは? ストーリーの方は、気を付けていても「ガ○ガイガー」になってしまいましたけどね(笑)。しかも男キャラばっかりでムサ苦しいし…(汗)。 ではまた…。