――勇者スターゲイザーは力尽きようとしていた。この戦闘ですでに多数の敵を倒した勇者だったが、ゲイザーバルカンの弾丸は切れ、スターブラスターのエネルギーも残り1発分を残すのみとなった。
1体1体は小さくて脆い敵量産機(深宇宙探査開発機構DSSDでは「ザコス」と呼称)であるが、これだけの数を相手にしていたのではキリがない。もともとスターゲイザーは宇宙探査用の機体であるため、護身用の装備しか施されておらず、多数の外敵と戦うようにはできていなかったのである。機体のあちこちからショートする火花がチラつき始めた。
「これまでか…!」スターゲイザーのパイロットである大宙衛(おおぞらまもる 声:檜山修之)にはまだ闘志が残っていたが、スターゲイザーの機体の消耗と同時に自らの体力も限界が来ていることを悟った。
迫り来るザコスに対し、諦めにも似た気持ちで歯噛みするしかなかった衛だが、ノイズまみれの通信が聞こえてくるのに気が付いた。
「…モル! マモル! …まから ………を射出する! お前なら使いこなせるはずじゃ!」
「父さん! 何だって!?」
DSSD基地のカタパルトデッキでは、スターゲイザー用の新たなる装備が射出されようとしていた。
「ドクター大宙、あれは何ですか?」
「おお、長官。まさかアレを使うことになろうとは思っていなかったがのぉ…。
座標軸、良し。今じゃ! 射出!」
細長い円筒形の白い物体がリニアカタパルトから射出される。無人の機体であるため、とてつもないスピードでの打ち上げが可能なのだ。
「ゲイザー、あとどれぐらい持ちこたえられるんだ?」
「あと3回食らうとアウトです、チーフ!」スターゲイザーのコアとなる人工知能「ゲイザー」が深刻な状況を伝える。
「…気力勝負か……!」
DSSD基地から送られてきたデータによると、新装備の到着まで数分かかるようだ。ゲイザーの被害報告からすでに2発、攻撃を食らってしまった。
襲い掛かるザコス! もう後がない――!
「くぅ、やられる…!」
その時だった。見覚えのあるスペースポッドがスターゲイザーとザコスの間に割り込んで来た。真空の宇宙で、機体がぶつかり合う衝撃音が聞こえたような気がした。
「ア、アントノフのオッサン!? …大丈夫か!」
「おう、坊主! オレはなんとか大丈夫だ! これでこないだの借りはチャラにしてもらうぞ。それよりお荷物が届いたようだぜ!」
肉眼でも白い物体が確認できた。
「お、予定より早いな! よし、ゲイザー! あれを受け止めるぞ!」
「了解です、チーフ!」
スターゲイザーが手にした新装備は、衛がイメージしたものよりもずいぶんと貧弱そうに見えた。なんというか、ステッキのような代物である。
しかし、その効力は絶大であった。
「ち、力がみなぎる……!!」
「私もです、チーフ!」
機体のエネルギーゲージが満タンになり、ダメージも多少ではあるが回復したように思える。
「ドクター、あれは一体!?」
「あれはコードネーム『賢者の杖』といってなぁ、まあ詳しいことは後じゃ。今からショーが始まるぞい」
「サークルアクセラレータ、再起動! チーフ、この装備は武器としても使えるようです」
「そうみたいだな! 一丁、派手にやるか!」(この辺から主題歌が挿入される)
「賢者の杖」を風車のように振り回し、ザコスを一掃するスターゲイザー! さっきまでとは別人(?)のようである。
「ハラショー! でも、よくあんな使い方して壊れないもんだな!」と、アントノフが笑う。
衛は「賢者の杖」でザコスをなぎ倒しながら、道場での修業を思い出していた。
「そうか!ロン師匠が棒術を教えてくれたのは、このためだったんだ… それにしてもこの数、キリがないな!」
「衛、『賢者の杖』とスターブラスターを連結するんじゃ!」
「よおし!」
「オービタル・キャノン、発射準備完了です。チーフ!」
「おう! いくぜぇぇ! オービタル・キャノン、ファイナルシュートぉぉぉ!!」
オービタル・キャノンの砲口から打ち出された光の奔流は、幾重もの渦を描いてスターゲイザーとアントノフのスペースポッドの周りに群がるザコスを次々と貫き、殲滅した。エネルギーの残滓とザコスの残骸が、勇者を中心としてまるで土星の輪のように漂っていた。フェイスガードを開き、戦闘モードを解除するスターゲイザー。
「予想外の効果じゃったなぁ! せっかくGパーツも打ち上げたのに、打ち上げ費用がムダになったわい」ぶつくさ言いながらも、大宙博士は満面の笑みを浮かべている。
「父さん、『Gパーツ』って、アレ?」
巨大なカタマリが衛の視界に入ってきた― ―続く―
―次回予告―
勝利の余韻を味わう暇もなく、新たな敵がスターゲイザーに襲い掛かる。その時、Gパーツが唸りをあげた!!
次回「勇者衛星スターゲイザー」第27話「新たなる勇者、グレートスターゲイザー誕生!」にご期待ください!
…もうやりませんよぉ(笑)。
「ガンダムSEEDスターゲイザー」の本編をちゃんと観たことがないので、いきなりですが「勇者シリーズ」風オリジナルなんちゃってフォトストーリーをお送りしました(汗)。またいずれちゃんとした「ガンダムSEEDスターゲイザー」のフォトストーリーをやりたいなぁ…。
今回使用した「賢者の杖」です。ビームガンだけでは寂しいなぁと思っていたので、何か長モノを持たせたいということで、作ってみました。
スターゲイザーが後光を背負ったデザインなので、最初は仏像とか仙人の杖みたいな感じにデザインしました。
ところが「ガンダムSEED」世界ではおなじみの「連結式火器」の要素を採り入れたくなり、それっぽくデザインを変更。さらに作っている途中に流用パーツの都合でかなりシンプルなモノになりました。
ランナーとコトブキヤのモビルパイプ&バーニア、HGUCザクで使わなかったパーツとホログラムシールの余白で出来ています。
宇宙探査機ということで、測量用の三脚とか天体望遠鏡のイメージも盛り込んであります。
キット付属のビームガンとはポリランナーで接続しました。かなり無理矢理ですが…(汗)。
今回の「HGスターゲイザーガンダム」は、キットの出来が非常に良いので、オリジナルの装備で遊んでしまいました。たまにはこういうのも良いのでは? ストーリーの方は、気を付けていても「ガ○ガイガー」になってしまいましたけどね(笑)。しかも男キャラばっかりでムサ苦しいし…(汗)。 ではまた…。
1体1体は小さくて脆い敵量産機(深宇宙探査開発機構DSSDでは「ザコス」と呼称)であるが、これだけの数を相手にしていたのではキリがない。もともとスターゲイザーは宇宙探査用の機体であるため、護身用の装備しか施されておらず、多数の外敵と戦うようにはできていなかったのである。機体のあちこちからショートする火花がチラつき始めた。
「これまでか…!」スターゲイザーのパイロットである大宙衛(おおぞらまもる 声:檜山修之)にはまだ闘志が残っていたが、スターゲイザーの機体の消耗と同時に自らの体力も限界が来ていることを悟った。
迫り来るザコスに対し、諦めにも似た気持ちで歯噛みするしかなかった衛だが、ノイズまみれの通信が聞こえてくるのに気が付いた。
「…モル! マモル! …まから ………を射出する! お前なら使いこなせるはずじゃ!」
「父さん! 何だって!?」
DSSD基地のカタパルトデッキでは、スターゲイザー用の新たなる装備が射出されようとしていた。
「ドクター大宙、あれは何ですか?」
「おお、長官。まさかアレを使うことになろうとは思っていなかったがのぉ…。
座標軸、良し。今じゃ! 射出!」
細長い円筒形の白い物体がリニアカタパルトから射出される。無人の機体であるため、とてつもないスピードでの打ち上げが可能なのだ。
「ゲイザー、あとどれぐらい持ちこたえられるんだ?」
「あと3回食らうとアウトです、チーフ!」スターゲイザーのコアとなる人工知能「ゲイザー」が深刻な状況を伝える。
「…気力勝負か……!」
DSSD基地から送られてきたデータによると、新装備の到着まで数分かかるようだ。ゲイザーの被害報告からすでに2発、攻撃を食らってしまった。
襲い掛かるザコス! もう後がない――!
「くぅ、やられる…!」
その時だった。見覚えのあるスペースポッドがスターゲイザーとザコスの間に割り込んで来た。真空の宇宙で、機体がぶつかり合う衝撃音が聞こえたような気がした。
「ア、アントノフのオッサン!? …大丈夫か!」
「おう、坊主! オレはなんとか大丈夫だ! これでこないだの借りはチャラにしてもらうぞ。それよりお荷物が届いたようだぜ!」
肉眼でも白い物体が確認できた。
「お、予定より早いな! よし、ゲイザー! あれを受け止めるぞ!」
「了解です、チーフ!」
スターゲイザーが手にした新装備は、衛がイメージしたものよりもずいぶんと貧弱そうに見えた。なんというか、ステッキのような代物である。
しかし、その効力は絶大であった。
「ち、力がみなぎる……!!」
「私もです、チーフ!」
機体のエネルギーゲージが満タンになり、ダメージも多少ではあるが回復したように思える。
「ドクター、あれは一体!?」
「あれはコードネーム『賢者の杖』といってなぁ、まあ詳しいことは後じゃ。今からショーが始まるぞい」
「サークルアクセラレータ、再起動! チーフ、この装備は武器としても使えるようです」
「そうみたいだな! 一丁、派手にやるか!」(この辺から主題歌が挿入される)
「賢者の杖」を風車のように振り回し、ザコスを一掃するスターゲイザー! さっきまでとは別人(?)のようである。
「ハラショー! でも、よくあんな使い方して壊れないもんだな!」と、アントノフが笑う。
衛は「賢者の杖」でザコスをなぎ倒しながら、道場での修業を思い出していた。
「そうか!ロン師匠が棒術を教えてくれたのは、このためだったんだ… それにしてもこの数、キリがないな!」
「衛、『賢者の杖』とスターブラスターを連結するんじゃ!」
「よおし!」
「オービタル・キャノン、発射準備完了です。チーフ!」
「おう! いくぜぇぇ! オービタル・キャノン、ファイナルシュートぉぉぉ!!」
オービタル・キャノンの砲口から打ち出された光の奔流は、幾重もの渦を描いてスターゲイザーとアントノフのスペースポッドの周りに群がるザコスを次々と貫き、殲滅した。エネルギーの残滓とザコスの残骸が、勇者を中心としてまるで土星の輪のように漂っていた。フェイスガードを開き、戦闘モードを解除するスターゲイザー。
「予想外の効果じゃったなぁ! せっかくGパーツも打ち上げたのに、打ち上げ費用がムダになったわい」ぶつくさ言いながらも、大宙博士は満面の笑みを浮かべている。
「父さん、『Gパーツ』って、アレ?」
巨大なカタマリが衛の視界に入ってきた― ―続く―
―次回予告―
勝利の余韻を味わう暇もなく、新たな敵がスターゲイザーに襲い掛かる。その時、Gパーツが唸りをあげた!!
次回「勇者衛星スターゲイザー」第27話「新たなる勇者、グレートスターゲイザー誕生!」にご期待ください!
…もうやりませんよぉ(笑)。
「ガンダムSEEDスターゲイザー」の本編をちゃんと観たことがないので、いきなりですが「勇者シリーズ」風オリジナルなんちゃってフォトストーリーをお送りしました(汗)。またいずれちゃんとした「ガンダムSEEDスターゲイザー」のフォトストーリーをやりたいなぁ…。
今回使用した「賢者の杖」です。ビームガンだけでは寂しいなぁと思っていたので、何か長モノを持たせたいということで、作ってみました。
スターゲイザーが後光を背負ったデザインなので、最初は仏像とか仙人の杖みたいな感じにデザインしました。
ところが「ガンダムSEED」世界ではおなじみの「連結式火器」の要素を採り入れたくなり、それっぽくデザインを変更。さらに作っている途中に流用パーツの都合でかなりシンプルなモノになりました。
ランナーとコトブキヤのモビルパイプ&バーニア、HGUCザクで使わなかったパーツとホログラムシールの余白で出来ています。
宇宙探査機ということで、測量用の三脚とか天体望遠鏡のイメージも盛り込んであります。
キット付属のビームガンとはポリランナーで接続しました。かなり無理矢理ですが…(汗)。
今回の「HGスターゲイザーガンダム」は、キットの出来が非常に良いので、オリジナルの装備で遊んでしまいました。たまにはこういうのも良いのでは? ストーリーの方は、気を付けていても「ガ○ガイガー」になってしまいましたけどね(笑)。しかも男キャラばっかりでムサ苦しいし…(汗)。 ではまた…。