ガンプラ秘密工場(仮)

ガンプラ他、プラモデルを限られた環境下(ノンシンナー)で楽しもうというブログ
 

HGUCユニコーン版ドライセン(その6)

2011年06月27日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 HGUCドライセンの続きです。
  
 胸部中央のパーツに装飾部分のシールを貼ります。ギラ・ズールの胸部装飾と同じようにして貼りましたが(シールの貼り方については「不定期連載:HGUCギラ・ズール親衛隊仕様(その1)」を参照)、ドライセンのこのパーツはカーブがややきつい曲面で構成されているためシールが付いてこられず、右の写真の赤矢印で示した部分に少しだけシワができてしまいました。残念…。シワの部分は爪楊枝でこすって、できるだけごまかします。胸部本体に組み込んでしまえばほとんど目立たない部分なので助かりました(汗)。
 また、このシールは白い枠の下側がパーツの形状に合っていない部分もあり、前腕袖口用のシールと比べるとやや精度が低いです。
 この装飾部分のシールは地の部分の濃紺色がAランナーの濃紺成形色とはやや違う色ツヤになっています。「装飾部分の紺色は機体の他の部分の紺色とは仕上げが違う」と解釈することにしました。


 前腕袖口部分に貼るためのシールは良く出来ています。こちらはシワが寄ることも無く、キレイに貼れました。
 *筆者は装甲パーツ1つ1つ別々に貼りましたが、3連装ビームキャノン使用時に開く部分のシール貼り位置がずれないように、腕のフレームに装甲パーツを両方とも取り付けて貼った方が良いかもしれません。ごくわずかでもずれると、気になるもんです(汗)。


 手首側のフチ部分は「水性 工作用カラー」の「下塗り白」で塗装しました。写真は1度目を塗った後の状態です。「塗っては乾かし」を繰り返し、3度塗り重ねました。
 *筆者は前腕の装甲が閉じた状態で塗装しましたが、塗料が装甲のすき間に入り込んで装甲パーツ同士がくっ付いてしまう可能性がありますので、開いた状態にしてから塗装した方が良いと思います。

 
 このキットには武器保持用の握り手と、力強い造形の握り拳の2種類が付属しています。しかし握り拳の方は手の甲が一体成形のため色分けされておらず、指の形状や手のひらから手首関節にかけてのディテールが武器保持用の手とかなり異なっています。
 2種類のハンドパーツは同じランナーに並んで配置されているのですが、どうして隣同士にあるパーツの形状をここまで違うものにしてしまったのか疑問が残ります。
 握り拳の手の甲を塗装するための色は用意しておいたのですが、各部形状やディテールが異なるハンドパーツを併用するのはどうしても嫌でした。
 1:コトブキヤさんのMSG丸指ハンドを使う→平手があるし、造形も良かったのですが、サイズがやや小さいため断念しました。
 2:キットの握り拳を改造して使う→かなり時間が掛かりそうなので断念しました。
 3:左手のみ、いつもの方法で武器保持手から握り拳に改造→右握り拳が用意できないのが残念ですが、見栄えを考えるとベストでは?
 …と、いろいろ考えた結果「3」でいくことにしました。加工の方法については、「HGUCザクⅡF2型」の記事から過去記事にさかのぼってお読みください。この「ゆるく握った武器保持手→握り拳」への改造については、ギラ・ズールの不定期連載記事で補足する予定です。

 一応、本体が完成したので、武器の組み立てに入ります。

 前にも書きましたが、キットのロングビームトマホークは「ZZ」の頃の設定画と比べるとやや短いです。ドライセンの身長よりも頭一つ分以上長い方が、地面に立てて持たせた時のバランスが良いと思います。そのため、延長することにしました。
 ただし、筆者は細い棒状パーツの延長の作業が苦手です。失敗する可能性が高いので、保険としてロングトマホークはキットのまま温存しておいて、別々になっているビームトマホークとビームランサーをつなげてから延長することにしました。慎重になるあまり、遠回りしているような気もしますが…(笑)。
 トマホークとランサーの接続部分には1㎜ドリルで穴を開け、ステンレス針金を通して接着し、強度を確保します。
 

 長さを延長するのは、ビームランサーの中間部分で行ないました。中間部分を切り取り、キットの「E」ランナーを適当な長さに切ったもので継ぎ足します。棒状のパーツを切断した後の切り口を、長さ方向に対して垂直に成形するのは難しいですねぇ(汗)。今回はヤスリで少しずつ様子を見ながら削りましたが、パイプカッターという工具を使ったほうが楽にできるかもしれません。別の機会に試してみようと思います。
 ビームランサーって中間部分が伸縮式になっていて、ビームサーベルとしても使えるという設定があったような気がするのですが、実際はどうなんでしょう? 


 なんとかロングトマホークの延長に成功しました。全体で3㎝近く長くなっています。 



 延長したトマホークとドライセン本体との比較。意外と面倒な作業ですが、やればやっただけの甲斐があると思います。

 このキットには平手が付属していません。トマホークやヒート剣を持たせた場合、平手があったほうが様になると思ったので…
 
 写真左:HGUCドム・トローペン(サンドブラウン)から左平手を拝借することにしました。この平手パーツ、サイズやディテールはドライセンの武器保持手と並べても違和感無いのですが、パーツの表面がかなり荒れています。ひと昔前のガレージキットみたいです。
 写真右:手の甲は別パーツになっているので、ドライセンの手の甲を取り付けることができそうですが、ぴったり取り付けるにはかなり加工する必要がありそうです。


 手の甲の取り付け部分を削り込み、パーツ全体をペーパー掛けして表面を整えてからドライセンの手の甲パーツを取り付けてみました。サイズはちょうど合うのですが、ところどころにすき間が出来てしまいます。

 
 すき間が生じる部分にプラ板を貼り、ヤスリで削って整形しました。手の甲パーツ裏側の取り付け用突起も少し高さを削り、平手に密着するようにしてあります。
 手の甲パーツは左握り拳にも使いまわしする必要があるため、平手に接着するわけにはいきません。接着剤を使わずに取り付けられるように、平手側を削って微調整しました。


 加工が終わった平手をタミヤアクリル塗料の「ダークグレイ」で塗装しました。塗料が完全に乾いてから、表面をティッシュペーパーなどで磨くと、キットのグレー成形色に近い色ツヤになります。

  
 完成した平手です。「ZZ」版ドライセンが発売されるとしたら、平手を付けてほしいなぁと思います。どうでしょう、バンダイさん!?
 ちなみに、キットのランナーには上腕部分のパーツのところにスイッチがあります。「ZZ」版ドライセンが発売された場合、上腕の動力パイプはちゃんと再現されるのではないかと思います。また、3連装ビームキャノンの部分にもスイッチがあったような気がするのですが、あれは砲身に放熱スリットが入ったキャノンを再現するためのものでしょうか?


 ドライセン本体に平手を取り付けた状態です。


 やっぱり平手があるとポーズ付けの幅が広がりますねぇ♪ 肩アーマーの各ノズル周囲の赤部分は、面倒くさかったので塗装していません。気が向いたら塗ることにします(汗)。 

不定期連載:HGUCギラ・ズール親衛隊仕様(その1)

2011年06月25日 | 不定期連載シリーズ
 今回はHGUCドライセンの関連記事として、HGUCギラ・ズールの装飾部分のシール貼りについてをお送りします。MGシナンジュ・サンプルレポートの最終回記事も合わせてお読みください。

 「袖付き」に所属するモビルスーツの胸部や手首付近に施されている装飾部分は、プラモデルではキットに付属するシールを貼るか、または塗装するかで再現するようになっています。
 油性アクリル塗料(いわゆるラッカー系)やエナメル塗料など、臭いのきつい塗料を使える製作環境の場合は、「ラッカー系の金色や白で装飾部分全体を塗装→上からエナメルのつや消し黒で塗装→装飾部分をエナメル溶剤(またはペトロール)で拭き取り」という方法を使えば、比較的楽にキレイに仕上げることが可能だそうです。
 しかし、水性アクリル塗料や油性マーカーを使うしかない製作環境の場合は、そのような方法は残念ながら使えません。装飾部分をシャープに仕上げるのはかなり難しいと言わざるを得ないでしょう。筆者もいろいろ試してみましたが、どれも納得のいく仕上がりにはなりませんでした。
 
 そこで活躍するのが、キット付属のシールです。ガンプラ製作に付属のシールを使うのは「オモチャっぽい・シワが寄る・手抜きっぽい」などのマイナスイメージが主流で、使うのをためらっている方も多いと思います。しかし、あえて言おう…

「キットのシールは、意外と使える」と!

 シールの特性を理解して丁寧に作業すれば、かなり良い感じに仕上げることができます。特にHGUCギラ・ズールのシールは比較的貼りやすいですので、練習用には最適だと思います。

 前置きが長くなりました。まずはギラ・ズール胸部のシールを貼っていきます。 

 ギラ・ズール親衛隊仕様の胸部装甲パーツです。 


 パーツの中央の尖った部分にシール中央の尖った部分を合わせて、シールをパーツに軽く乗せます。位置がずれると格好悪くなりますので、慎重に位置を合わせます。


 写真左:中央の位置が決まれば、中央から左右に向けて、少しずつシールをパーツに合わせていきます。この時点ではパーツにシールを押し付けず、軽く乗せるだけにしておきます。シールの位置が大幅にずれてしまった場合は慎重にはがして貼り直す必要がありますが、少しぐらいのずれなら、この次の作業の時にある程度修正できます。
 写真右:シール全体の位置が合えば、親指の腹でシールをパーツに押し付けて、ある程度密着させます。シールが少しずれた場合は、親指の腹でパーツを少しずつずらして移動させます。


 パーツ表面の凹凸にシールをなじませる道具として、筆者は爪楊枝を使います。ただし、そのままだと先端が尖りすぎていたり木の繊維が突き出していたりして、シールの表面を傷つけてしまう可能性が高いです。写真のいちばん上の爪楊枝は何も手を加えていない状態のものです。
 写真の中段の爪楊枝は、耐水サンドペーパーで表面を滑らかに磨いたものです。細かい凹部分にシールをなじませるのに使います。
 写真のいちばん下の爪楊枝は、彫刻刀の「切り出し小刀」のような形に削ってからペーパー掛けして滑らかにしたものです。凹部分の平面になった部分になじませたシールを仕上げる時に使います。

 爪楊枝を使ってシールをパーツの凹凸になじませる方法はシナンジュのサンプルレポートの時に書きましたが、補足を加えてもう一度解説します。
 1:パーツの凹部分(シールの黒い部分)に爪楊枝を寝かせて当て、凸部分との境目に沿って爪楊枝を横滑りさせてシールを密着させていきます。
 2:凹部分にシールを密着させる範囲を徐々に広げていきます。
 3:凹部分の表面は細かい凹凸になっていたり、引っかき傷が付いたようになっているはずです。爪楊枝を寝かせてなでるようにこすると、凹部の黒いシール表面をかなり滑らかに仕上げることができます。
 4:凸部分(シールの白い部分)の表面も爪楊枝でなでるようにこすり、なじませます。
 5:各面およびエッジ部分を丁寧に仕上げます。

 文章で書くとややこしそうですが、ある程度練習を積めばコツがつかめるはずです。

 シールを貼り終わった状態です。ギラ・ズールの胸部装飾にシールを貼るのは3回目ですので、気楽に貼ることができました。シールの部分はツヤのある仕上がりになります。気になる場合はツヤ消し水性トップコートを吹けば、他の部分とツヤをそろえることができると思います。 


 襟の部分も同様にシールを貼っていきますが、襟パーツへのシールの貼り位置が左右で違ってしまわないように気をつける必要があります。
 パーツにシールを置いて位置決めするときの基準になる部分を自分で決めておくと良いです。
 片方の襟パーツにシールを置いて位置決めすると、すぐにもう片方の襟パーツにもシールを置いて位置決めし、その後爪楊枝でシールをパーツに貼り込む、という順番で作業すれば、左右のシール位置の違いが少なくて済むと思います。


 写真の右側、右襟のパーツにシールを貼り込んだ状態です。 


 ギラ・ズールの胸部本体に装飾パーツを取り付けた状態です。しかし、キット付属のシールでは襟の端面の部分を白く仕上げることはできません。


 シールが無い白部分は水性塗料で補いました。襟パーツの端面に塗料を置くように塗っていき、乾いてからもう一度塗りました。襟の裏側にはみ出た塗料は、ある程度乾かしてから爪楊枝でこすり落としました。
 筆者はアトムハウスペイントの「水性 工作用カラー」の「下塗り白」を使用しました。下地隠ぺい力がかなり高い水性ペンキで、プラモデルの塗装にも使えます。ホームセンターの塗料コーナーなどで扱っている場合がありますので、探してみてください。

 *HGUCドライセンに付属する装飾部分のシールも、同様にして貼ることができます。
 ホイルシールの性能上、カーブのきつい曲面で構成されたパーツへの貼り込みは不向きです。例えばギラ・ズールの手首付近、袖口の部分のシールの白い外周部分にシールを貼り込むと、シールがパーツのカーブに付いてこられずにシワができてしまいます。この場合の対処法については、不定期連載の第2回でお送りします。 

 やや蛇足ではありますが…

 キットには黄色い矢印で示した部分のためのシールは付属していません。ここはシールの余白部分を利用して再現することにしました。


 シールの余白の、赤い線で示した部分にカッターナイフで切れ目を入れ、細切りの白いシールを作ります。パーツの形状に合わせ、片方の端っこは斜めにしておきます。


 写真左:腹部パーツの凸モールドに合わせて、細切りシールを貼っていき…
 写真右:シールの余った端の部分は、腹部の底面に折り込んで貼り付けます。 


 一方、ドライセンは現在どうなったかといいますと…

 ロングビームトマホークのビーム刃を自作中です。トマホークの柄を延長したのですが(写真右側のドライセンが持っている方)、キットのビーム刃では小さすぎるように見えてしまったため、大型化することになりました。このビーム刃はたぶん次の次か、次の次の次の回あたりで登場する予定です。


 *コメント欄でご質問をくださったマッチさんへ:HGUCジムカスタムの記事の続きの件ですが、HGUCジムⅢの関連記事として復活させる予定です。本当はHGUCジムキャノンⅡと合わせて製作記事を書きたかったのですが、ドライセンの製作期間が予想以上に長くなってしまったため、スケジュール的に苦しくなってしまいましたので…(汗)。

HGUCユニコーン版ドライセン(その5)

2011年06月14日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 HGUCドライセンの製作記事、第五回です。頭部だけで4回も使ってしまったため、ややペースを速めてお送りします。
 このキットはモノアイがシールによる再現となっていることや、ややドライセンのイメージとは異なる頭部の造形で非常に損をしていると思います。頭部以外の出来は良好で、しかも組み立てやすいです。そのため、首から下の組み立ては急ピッチで進めることができました。

 ひざ関節の、太ももへの取り付け軸付け根には穴が開いています(矢印で示した部分)。強度的な不安があるため、1㎜径のプラ丸棒と瞬間接着剤で穴を埋めました。期待するほど強度は上がらないとは思いますが、何もしないよりは気分的に楽になると思います。 


 足首関節のボールジョイント基部には、可動部を意識した丸いディテールがあります。ややスカスカな印象があるため、市販のディテールアップ用パーツを貼って密度感を増してみました。ほとんど見えない部分ですので、使い道があまり無さそうなデザインのものを使用しました(コトブキヤさんのMSGプラユニット「P-129 丸モールドⅤ」を使用)。


 各部装甲パーツの取り付けがまだですが、とりあえず自立するところまで組み立てた状態です。

 別アングルから。他のHGUCドム系キットと違い、すねの部分が完全なフレーム構造になっているのが興味深いです。「1年戦争のジオン系モビルスーツはモノコック構造、グリプス戦役以降のモビルスーツはフレーム構造」という設定を再現したかったのでしょうねぇ♪


 HGUCリックドムⅡとの比較。リックドムⅡもかなり大型の機体ですが、ドライセンの大きさはそれをはるかに上回ります。まさに「恐竜的進化」ですね!

 背部スラスターポッドのノズル部分が気になったので、手を加えました。歴代ドム系モビルスーツの背部スラスターは機体に対して小さめなのが特徴ですが、それにしてもやや小さ過ぎると感じました。ノズルがすぼまっていて、迫力に欠けると思います。旧キットの、樽のようなスラスターポッドの印象が強いせいでもあるのですが…。
 
 キットのノズル部分を切り落とし、コトブキヤさんの「P-123 マイナスモールドⅣ」の9mm径に交換することにしました。このパーツはすぼまり方が小さく、開口部および穴の奥の径が大きめのため、迫力が出ると思います。 

 
 ノズル部分はヤスリで削り取っても良いのですが、接着部分の精度を高めるため「かめっチ式パーツスライサー」で切り取りました。スタークジェガンの上腕を切り詰めるために使ったものが残っていたため、そのまま流用しました。
 斜めにすぼまっているノズルに対してエッチングノコギリの刃を当てるため、最初のうちは慎重に作業する必要があります。途中で「あ~、やっぱりヤスリで削った方が早いかも(汗)」と思いましたが…。
 
 写真左:無事、ノズルを切り取ることができました。パーツスライサーが古いものだったためか、両面テープで固定しているエッチングノコギリの刃が微妙にブレてしまい、切断面は完全な平面にはなりませんでしたが、それでもヤスリで削った場合よりも精度は高いと思います。切断面は平らなところに敷いた耐水ペーパーの上で軽く滑らせて、平らに削りました。
 写真右:スラスターポッドの切断面に「マイナスモールド」を置いてみました。 

 
 「マイナスモールド」のノズル奥は単純な平面でやや寂しく感じたので、ディテールアップパーツを貼り足します。丸モールドと皿型のノズルのどちらにするか迷いましたが、奥行き感と迫力を重視して丸モールドを選択しました。

 スラスターポッドのノズルを大型化した背部。 

 背部兵装は個人的好みでトライブレードを装備しました。ドライセンの背中は他に類を見ない構成で、独特ですねぇ。旧キットの説明書に載っている、別バージョンのバックパックも良いなぁと思います。
 後頭部の下半分の紺色部分は、タミヤアクリル塗料の「ロイヤルブルー」をベースに、「フラットブルー」や「フラットレッド」「フラットベース」などを混ぜた色で塗りました。


 大型の肩アーマーは前後挟み込み式になっています。前後のパーツを接着して合わせ目を消したいところですが、肩との接続部分がゆるんできた場合のメンテナンスのことを考え、「接着しない合わせ目消し」で対応しました(写真右側)。

 肩アーマーの接続部分には「簡易ビニールキャップ(1/100ザクウォーリアの記事参照)」を仕込み、軸&軸受けの磨耗によるゆるみの軽減を図りました。
 
 
 簡単な作業で、ポリキャップに近い可動のスムーズさと保持力が得られるので、おすすめです。材料はキットのランナーを包装しているビニール袋のうち、グニャグニャした感触のものを使用します。HGUCドライセンのキットに、このグニャグニャしたポリエチレン系ビニール袋が入っているかどうかは忘れましたが、読者の皆様がお持ちのガンプラの中にはたぶん高い確率で入っていると思います。


 腰フロントアーマーの矢印で示した部分は、タミヤアクリル塗料の「パープル」をベースに「フラットブラック」や「ジャーマングレイ」「フラットベース」などを混ぜた色で塗装しました。この色は手の甲の塗装にも使うため、多めに作っておきました。


 キットを組み立てた方はお気付きのことと思いますが、このキットの肩関節軸はかなり低い位置に付いています。そのため、肩アーマーが付かない状態だと非常に「なで肩」になっています。上向きに跳ね上がった肩アーマーが付くため、「なで肩」の印象はなくなりますが、それでもひじの位置が低く、腕が長い印象があります。
 しかし、前後方向だけでなく上方向にもスイング可能な肩関節基部の構造のおかげで、肩アーマーを含む腕全体を上方向に移動させることができます(写真左側:右腕)。
 当初は肩関節軸を切り取って約3㎜上方向に移動させることも考えましたが、「ガンダムZZ」頃の設定画のように肩関節基部上面装甲と肩アーマーがスムーズにつながった状態(写真右側:左腕)も捨てがたいため、無改造・キットの可動機構で対応することにしました。
 その時の気分に応じて肩のポジションを変更させることができるのはありがたいと思います(笑)。

 次回はドライセンの関連記事として、「HGUCリックドムⅡのモノアイ可動改造」または「HGUCギラ・ズールの装飾部分のシールによる仕上げ」についてをお送りする予定です。

HGUCユニコーン版ドライセン(その4)

2011年06月07日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 HGUCドライセンの製作記事の4回目です。ここで気が付いたのが、頭部というかモノアイ周辺だけで4回目まで来てしまったということです。い、いかん! このままでは完成までにどれだけ掛かることやら…(汗)。
 というわけで今回はかなり長くなりますが、どうぞお付き合いください。m(- -)m

 前回のラストで書いた「問題点」ですが、解説のための図を描いてみました。↓

 図左:頭部下側のパーツ「A9」を上から見たところです。
 図中央:前回作った頭部内フレームを組み込んだ状態で、黄色い矢印はモノアイ可動軸の中心からフレームの外側までの距離を表します。モノアイが正面を向いている状態だと、矢印はこの長さなのですが… (白と黒で色分けされた円がモノアイ可動軸の位置を表します)
 図右:フレームの円弧に対する中心からずれた位置にモノアイ可動軸の中心が設けられているため、モノアイを横に移動させると緑色の矢印のように、モノアイ可動軸の中心からフレームの外側までの距離が伸びてしまいます。

 モノアイの可動軸からレンズの基部までを構成するパーツは、黄色い矢印と緑色の矢印の中間ぐらいをイメージして作っています。モノアイの可動範囲を増やすためには、緑色の矢印か、それ以上の長さで作れば良いのですが、あまり長くするとレンズがモノアイシールドの内部に収まらなくなってしまいます。そのため、モノアイの可動範囲は左右それぞれ約45度程度を目標にしました。

 頭の内部にモノアイの可動ギミックを設ける場合、問題となってくるのが首関節の軸受けの位置です。1/144スケールキットでは、頭部の内部における首関節軸受けが占めるスペースが意外と大きいためです。
 
 写真左側:このキットの首関節軸は、頭部の中心からやや後ろにずれた位置にあります。「もともとこのキットはモノアイ可動ギミックを設ける予定だったのが中止になったのかもしれないなぁ」と思うぐらい、首関節軸受けの前にスペースが設けられているのですが…
 写真右側:首関節軸受けを頭部の中央に設けると、下の図のようなドラム状のモノアイレールを組み込むだけで、簡単にモノアイを左右に可動させることができます。HGUCザクと同じ構造です。 

 首関節軸受けを移動させる改造は意外と大掛かりになる上、首パーツのボールジョイントの位置まで移動させる必要があるので、今回の製作では断念しました。

 ……話が長くなりました。ここから今回の製作に入ります。
  
 前回作った各パーツを頭部に組み込んだ状態です。ここでようやく「Hアイズ」のレンズを仮付けしました。今回使用したHアイズの直径は2.8㎜です。キットのモノアイシールがやや小さく感じたのと、以前作ったHGUCリックドムⅡに使用したHアイズとサイズを統一したかったためです。この「サイズの統一」については、後の記事にて触れたいと思います。

 
 前回も使った「シャッターモールド」を細切りして、モノアイ可動軸パーツの側面に貼り付けました。
 2本の細切りシャッターモールドの長さを切り揃える際には、作業台の上に両面テープを貼り、その上にマスキングテープの粘着面を上にして貼り付け、その上にパーツを貼って固定してから切ると作業が楽です。両面テープに直接パーツを貼った場合よりも、マスキングテープの方がパーツをはがしやすいです。 

 
 同様にして切った細切りシャッターモールドを、頭部内部の奥の方にも貼りました。ちょうど横方向のモノアイスリットの奥にあたる部分です。モノアイ可動軸にシャッターモールドが干渉しないように貼りました。


 ディテールアップのために貼ったパーツによって、モノアイの可動範囲が狭くなってしまったかどうかをチェックしています。やや可動範囲は狭くなりましたが、この後パーツ同士が干渉する部分を削り込んで、左右それぞれ約45度の可動範囲を確保しました。

  
 写真左:「モビルスーツ動画図鑑」で見た「ZZ」当時の作画の雰囲気に近付けるため、上下方向にモノアイレールを延長します。細切りしたシャッターモールドの両側にプラストライプを配置し、リモネン系流し込みタイプ接着剤で接着しました。
 写真右:接着剤が乾燥した後、モノアイレールを適当な長さに切り、片方の端にもプラストライプを貼り付けました。


 下側のモノアイレールを仮付けした状態です。アゴにあたる部分のスロープから頭部内フレームに掛けて、はしごを立てかけたような状態です。横から見るとすき間があってやや見栄えが悪いため、すき間を埋めるパーツをランナーから削り出して取り付けました。
 写真は撮っていませんが、この後、上側のモノアイレールも延長しました。

  
 モノアイの製作が一段落した&ちょっと飽きてきたので、頭部の形状変更を行いました。
 写真左:十字型モノアイの赤い枠の上側、額にあたる突き出した部分ですが、ややドライセンのイメージとは違う気がしていました。
 写真右:かなり作業が進んだ後の写真ですが…(汗)。キットでは赤い枠の上面の角度がかなり寝ていて、リックドムⅡに近い雰囲気になっています(ユニコーン版ドライセンの頭部はこんな感じといえばこんな感じなのですが:笑)。この部分の角度が立つように、上面の部分を削り落とし、同色のプラ材を貼り付けて整形しました。

 作業中の写真です。削り落として開いてしまった部分にフタをするように貼ったのは、HGUCジム改のコクピットハッチのパーツです。もったいないことをしてしまった…(汗)。
 あと前回書き忘れたことですが、モノアイを囲む赤い枠のフチが分厚く感じたため、枠の内側と外側の両側からフチの厚みが薄く見えるように削り込んであります。この赤いパーツはエッジがかなり立っていて平板なイメージだと感じたため、他のHGUCドム系キットの面構成を参考に削り込んで、面に丸みを加えたりエッジを落したりしています。


 頭頂部の角は設定画と比べるとかなり小さいと思います。キットの角を切り落とし、パーツの裏側から1㎜径ドリルで穴を開け(穴位置はパーツの裏側を見れば分かります)、棒ヤスリで穴を広げてから鋭く削ったランナーを差し込んで接着しました。ランナーは鉛筆削りである程度削り、耐水ペーパーで仕上げて適当な長さに切りました。


 粗い画像ですが、整形が終わった状態の頭部です。

 モノアイ製作に戻ります。
 
 可動軸は首の可動に支障が無い程度に切り、断面にはマイナスドライバーを差し込むためのミゾを彫りました。


 透明ビニール製のモノアイシールドは、モノアイスリット下側の部分が固定できていません。そのため、シールドがめくれて浮き上がってくるのを防止するためのパーツを作って貼り付けました。

 とりあえず各パーツの加工が終わったので、内部メカや頭部赤枠パーツの内側をタミヤアクリル塗料のジャーマングレイで塗装しました。以下、組み立てが終わった状態の写真です。まだ後頭部下側の塗装は行なっていません。
  
 
 

 上側の赤枠の先端部、ちょうど角度変更の改造を行った部分の内部には何らかのセンサーの類が入っていると解釈して市販のパーツを貼りましたが、ほとんど分かりませんねぇ(汗)。

 
 モノアイを左右に移動させた状態の写真です。塗装する前はスムーズに可動していました(というより、塗膜の厚みを考慮してゆるゆるにしていました)が、塗装後は塗膜の厚みや水性アクリル塗料独特の粘りが可動を妨げるという結果になりました。数日間放置して塗料が完全に固まってから、可動部を調整する予定です。

 *コメントをくださった読者の皆様、ありがとうございます! トロ准尉さんからいただいたご質問、シャッターモールドの切り出し方ですが…

 図の赤い線がニッパーでの切り取り線です。まず上下の枠をニッパーで切り取り、パーツの向きを変えて両サイドの枠をシャッターのある面と平行にニッパーを当てて切ります。最後に両サイドをニッパーで切り落とせば、パーツが割れる可能性は低くなると思います。切りだしには良く切れるニッパーやデザインナイフをお使いくださいね~。

HGUCユニコーン版ドライセン(その3)

2011年06月02日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 今回はHGUCドライセンのモノアイ部分のディテールアップです。手元には資料が無いに等しい状態だったため、ネットで検索しているうちに、サンライズさんが運営している「GUNDAM.INFO」内の「ガンダムMS動画図鑑」にたどり着きました。そこで筆者が見たものは…

 *サンライズ様、画像を無断掲載してしまいました。著作権などの問題があれば削除いたします。m(- -)m
 「機動戦士ガンダムZZ」に登場していた頃のドライセンです。画像を見ると、赤い十字型の枠の上下方向にしっかりとモノアイレールが伸びています。筆者は頭部アップの設定画を見たことが無いので詳細は不明ですが、このモノアイレールのデザインはおそらくアニメーターさんのアドリブによるものと思われます。
 この画像を見る限り…

 前回の図の左側のような構造が正解のようです。前回は図の右側の解釈で頭部内フレームを作りましたが、劇中の作画のような雰囲気を盛り込むことにしました。


 モノアイレールの材料には、ウェーブさんの「Uバーニアフラット(長方形)」を使用しました。

 
 写真左:このパーツを使用すれば、スジ彫り入りプラ板を自作する手間が省けます。厳密にいえばスジ彫りではなく、階段状というかシャッター状ですが、小さいものなのであまり問題は無いと思います。以下、このパーツを「シャッターモールド」と呼ぶことにします。
 写真右:パーツ周囲の枠部分を切り取って使用します。使う部分によっては、厚み(約0.5mm)を薄く削っておいたほうが良い場合もあります。


 適当なサイズにシャッターモールドを切り取り、モノアイスリット上下左右の各部に置いてみました。シャッターの間隔がやや狭いような気もしますが、雰囲気は良さそうです。

 
 前回作った頭部内フレームの上下方向スリットに、細く切ったシャッターモールドを貼りました。 

 
 シャッターモールドを細い枠で囲みます。使用した材料はホビーベースさん0.14mm厚プラストライプ0.5mm幅です。
 フレームとモノアイとの可動のためのクリアランスがギリギリであるため、非常に薄い素材であるプラストライプを使いました。
 とても薄いプラ材なので、取り扱いはやや難しいです。長めに切って、指でつまむ部分を多めに確保しておくと作業しやすくなります。 


 フレームの横方向へのモノアイスリットに当たる部分にもプラストライプを貼り込みました。平らな板に両面テープでパーツを固定し、プラストライプを接着剤で貼っていきます。両面テープは手の甲などに何度か貼ったりはがしたりして粘着材を弱めておくと、後でパーツがはがしやすくなります。
接着剤は「Mr.セメント リモネン系(流し込みタイプ)」を使用しました。プラストライプに軽く接着剤を塗り、30秒ほど待ってからフレームにプラストライプを巻き付けるようにして貼り位置を決め、位置が決定したらフレームとプラストライプとの境界部分に接着剤を少しだけ流し込みます。
 この作業にはかなり神経を使いました。接着に失敗したら、せっかく時間を掛けて削り出したフレームが台無しになってしまいますので…(汗)。

 接着剤の乾燥を待つ間、モノアイシールドを作ることにしました。
 
 写真左:パーツA11の表面にマスキングテープを貼り…
 写真右:パーツの外形に沿ってニッパーでテープの余分な部分を切り取ります。

 
 写真左:頭部の赤い枠の上下部分の内側を良く見ながら、目分量でマスキングテープを切り出します。
 写真右:テープを貼ったA11を頭部に組み込み、赤い枠の上下部分のためのテープを貼って合成させます。

 
 写真左:A11からマスキングテープを慎重にはがし、自分の手の甲などに何回か貼ったりはがしたりして粘着材を弱めます。
 写真右:キットのランナーを包装しているビニール袋にマスキングテープを貼り付け、テープの形に添ってビニール袋を切り出します。テープをはがせばモノアイシールドは完成、のはずですが…・ 


 頭部にモノアイシールドを挟み込んだ状態です。先ほど切り出したモノアイシールドは頭部内に干渉する部分が意外と多く、この状態になるまで各部を切って微調整する必要がありました。 

 前回写真を撮り忘れたのですが…。
 
 写真左:下側頭部内フレームの写真です。コトブキヤさんの「マイナスモールド」を半円状に切り、頭部内の段差やスロープに合わせて削りました。
 写真右:左側に写っているのが、「マイナスモールド」の元の状態です。

 
 写真左:上側頭部内フレームの写真です。「マイナスモールド」内側の仕切り板の真ん中に切り欠きを入れ、パーツA10裏側の仕切り板にはめ込めるようにしてあります。 
 写真右:左側に写っているのが、「マイナスモールド」の元の状態です。

 
 モノアイの可動軸は、最終的には左の写真のような形状まで削り込む必要がありました。上下の頭部内フレームで挟み込むようにするため、軸とレンズ基部を結ぶ部分を薄く削り、左右方向のモノアイスリット内で動けるようにしてあります。
 実は、この構造には問題があります。話が長くなりそうなので、続きは次回にお送りします(汗)。