ガンプラ秘密工場(仮)

ガンプラ他、プラモデルを限られた環境下(ノンシンナー)で楽しもうというブログ
 

HGUCゼクアイン(その1)

2011年09月27日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 久しぶりの更新です。しかも、なぜかお題は10年前のキットです。どうしてこうなったのかといいますと…

 普段の筆者なら「HGUCジェスタ」や「HG ガンダムAGE-1(ノーマル)」の製作記事を始めているはずですが、最近のジム系モビルスーツHGUC化ラッシュの反動で、モノアイが付いたジオン系のモビルスーツが作りたくなってしまいました(汗)。もう少し待てば「HGUCゼー・ズール」や「HGUCドラッツェ」などのモノアイMSのキットが発売されるのですが、それまで待てません。

 と、そこに「OVA『ガンダムUC(ユニコーン)』の第4巻にはジオン残党軍の機体として、小説版で登場したMS以外にもマラサイやズゴックが登場する」との情報が…!!
 「ガンダムUC」には中古車販売店の展示場のように、旧型のMSが次々と登場するのが魅力です。模型雑誌やOVA公式サイトで発表されているカラー設定画を見ると、渋いカラーリングのマラサイやズゴックが…!!
 突然、HGUCマラサイを作りたくなってしまいました。しかし売り切れのためか、マラサイを入手することはできませんでした(劇場版「Zガンダム」公開時のエクストラフィニッシュバージョンは、上から塗装するのがもったいなくて手が出せませんでした)。 そこで筆者は思いました
 「マラサイをジオン残党軍が使っているのなら、ゼク・アインがいてもいいじゃないか!?」
 ゼク・アインは「ペズン計画」の時にジオンで設計されていたという設定のMSです。もしジオン残党軍がドサクサにまぎれて入手していたら、好んで使っていたはずです。
 「HGUCゼクアイン」は1年に1度は個人的に作りたくなるキットなのですが、なかなか作る機会がありません。そこで、この「ガンダムUC」の旧型MS祭りに便乗して、ゼクを作ることにしました。ひょっとしたら、マラサイは「プレミアムバンダイ」の通販限定で色替えキットが発売されるかもしれませんし…(笑)。

 前置きが長くなりました。さて、「HGUCゼクアイン」ですが、2001年10月ごろに発売された、まさにひと昔前のキットです。微妙に1990年代後半のキットの雰囲気も残っています。とりあえず仮組みをしてみたのですが…。

 この状態まで持ってくるのに、けっこう時間が掛かりました。まずスナップフィットのはめ込みが固いです。もともとそういうキットだったのか、金型が消耗してきた結果なのか分かりませんが、パーツとパーツをはめ合わせようとしてもなかなか合わせ目が閉じません。一度はめ込むと取り外しにくくなるので、後で分解する必要のある仮組みにはキツいものがあります。はめ込みピンの先を斜めに削ったり、ピンの表面の凸部を削ったりして、分解しやすくしながらの仮組みとなりました。
 あと、足首や股関節の可動範囲が広くなるよう、装甲とフレームが干渉する部分を削っています。

 ちょっと気が早いような気もしますが、カラーリングについても考えました。

 「ガンダムUC」版マラサイと色調を合わせたかったので、設定カラーに近いと思われる2色を用意しました。タミヤアクリル塗料の「オリーブグリーン」と「カーキ」です。カーキにはもう少しグリーンを入れた方が良いかも…。
 
 モデルグラフィックス別冊「ガンダムセンチネル」(←懐かしい…)に収録されている、当時の設定画を元に、配色を考えます。

 左側:マラサイ的な塗り分け。
 右側:旧ジオン軍MS的な塗り分け。
 ゼク・アインが地上戦に使える機体かどうかはさておき、こういうカラーリングも似合うと思います。右側の、旧ジオン的なカラーリングでいくことにしました。長大なゼク・マシンガンは、ちょっとでも目立たないように機体と同色で塗る予定です。

 製作に戻ります。「HGUCゼクアイン」は、キット開発用にカトキ氏によって新たに描かれた設定画を参考に設計されているため、「ガンダムセンチネル」当時の設定画やフルスクラッチビルド作例とは雰囲気が異なります。個人的には新設定版の方が好みですので、キットの造形を活かす方向で、ちょっとずつ手を加えることにしました。旧設定を再現しようとすると、大改造になりますので…。

 手首は「HGUCニューガンダム」から流用しました。キットのものよりひと回り小さく、造形はシャープです。手首関節のボールジョイントが前腕側のポリキャップに対して小さいので、ボール部分に瞬間接着剤をコーティングして径が合うようにします。


 キットの銃握り手よりもマシンガンを構えさせやすくなったような気がしますが、たぶん気のせいでしょう。問題はマシンガンの給弾ベルトなのですが、今は考えないでおきます(笑)。


 額の白いパーツの中に2つ並んだセンサーは、径の大きなものに交換すれば格好良くなるとは思いましたが、作業は意外と難しいものになりそうです。
 面倒くさいので、白いワク部分よりも前に突き出したセンサーがワクとツライチになるように削るだけにしておきました。写真では分かりにくいですが、加工後は目の錯覚でセンサーの径が大きくなったように見えます。

 
 左側:モデルグラフィックス別冊「ガンダムセンチネル」に収録されている挿絵の一部です。モノアイはザクをはじめとするジオン系MSの方式(頭部内部のレールに沿ってカメラが移動する)とは違い、モノアイ自体が固定式のリックディアス方式のようです。モノアイに十字線が描かれていますねぇ。
 右側:モノアイはいつも通りウェーブ製「Hアイズ ミニ(ピンク)」を使用しますが、レール式モノアイとは違って可動させたり透明なモノアイシールドで覆ったりする必要がありません。レンズの径は2.2mmにしました。ひさしの部分がレンズと干渉するので、レンズの上の方を0.3㎜ほどカットしてあります。


 くるぶしの丸い部分は平らになっていますが、いわゆる「マルイチ」になっているのが正解のようなので、「HGUCドム・トローペン(サンドブラウン)」で余るパーツを流用する予定です。


 腰サイドスカートアーマーは取り付け位置がかなり内側に来ているため、脚をちょっと広げただけでスカートもつられて大きく広がってしまいます。ポリキャップを長いもの(PC-123系ポリキャップ使用のHGUCキットでひざ関節によく使われているもの)に交換し、サイドスカートの位置を外側に移動させました(写真右側)。このポリキャップを取り付けるには、腰フレーム側の軸受け穴を広げる必要があります。

 肩関節の取り付け軸は、前方や上方向へのスイング機構を持たない固定式です。やや物足りないですが、関節を追加するのは面倒くさいのでやめておきました。
 この肩関節軸にはちょっと問題があります。

 軸の基部付近に小さい突起があります(黄色い矢印で示した部分)。この突起物は腕側の肩関節ポリキャップに深く入り込みすぎないように設けられたストッパーらしいのですが…↓


 ポリキャップは材質が軟らかいので、このストッパーを乗り越えて深く入ってしまいます。ポリキャップには傷が付いてしまいました。10年前にこのキットを初めて作ったときにも同じ失敗をやったはずなのですが、すっかり忘れていました(汗)。

 ポリキャップが深くはまるのを防止するためのリングを作ります。

 使用するのはコトブキヤ製「丸ノズル(S)」の5㎜外径でフチの厚いものです。
 中心に穴を開け、その穴を棒ヤスリなどで4㎜径にまで広げます。


 肩関節軸のストッパーを削り落とし、リングをはめ込めば作業完了です。これでポリキャップが深くはまり込むのを防止できます。このリングは関節軸への取り付け位置の調節にも使えますので、ぜひお試しください♪(筆者はMGウイングガンダムver.Kaの肩関節や旧1/100ガンダムアストレイの股関節の位置を外にずらすのに使用しました)。 

 *いろいろ思うところがあって、当ブログとは別のブログを作ってみました。「秘密工場」とはまた違ったブログにしていく予定です。良かったら見に来てくださいね♪  

HGUCジムⅢ(その1)

2011年08月04日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 今回からHGUCジムⅢの製作記事をお送りします。前にも書きましたが、キットは「ガンダムUC」連載当時に掲載されたのが初出と思われる、カトキハジメ氏による新設定画を元に立体化されているようです。余談ですが元々「ZZ」の頃のジムⅢも、オリジナルデザインはカトキ氏で、ジムにしては格好良すぎるとの理由から、他のデザイナーさん(確か「宇宙の騎士テッカマンブレード」の佐山善則氏だったかと思います)が頭部を描き直したそうです。

 今回発売されたキットは「ガンダムZZ」版ですが、説明書にはジムⅢが「逆襲のシャア」や「ガンダムUC」に登場したことが書かれており、さらにHGUCジェガンからシールドを流用して「UC」版を再現できることにも言及しています。ランナーのパーツ配置やスイッチを見ると、以前書いたように「UC」の小説版のカラーリングに対応するための用意は出来ているように思われます。一方、マイナーな色替え機種は「プレミアムバンダイ」での通販限定販売になるケースが見受けられるようになってきました。これらを合わせて考えると、「ガンダムUC」小説版のジムⅢは通販限定販売かイベント限定販売になる可能性が高いと思わざるを得ません。うーん、残念(汗)。

 さて、キットは「ガンダム00セカンドシーズン」のHGキットから採用されている新型ポリキャップを関節部に使用した、完全新規設計になっています。当ブログでは「HGUCパワード・ジム」系ABS樹脂ランナーを使用したバリエーションキットを何度も採り上げてきましたが、基本構造がほぼ同じキットばかりなので、もう飽きてしまい…(以下、自粛:汗)。完全新規のジム系キットが発売されたのはうれしい限りです。
 カトキ氏による設定画と見比べてみると太ももとスネのバランスが違ったりしますが、これはこれで格好良くまとまっていると思います。そのため、細かいところにちょっとだけ手を加えることにしました。
 
 胸部中央、コクピットブロックとの境界部分には軽くスジ彫りが入っていますが(写真左)、やや中途半端な気がしたので、個人的好みでより別パーツっぽく見えるようにスジ彫りを太くしました(写真右)。


 胸部正面だけではなく、コクピットブロック周辺全体にもスジ彫りを追加していますが、写真ではほとんど分かりませんねぇ(汗)。

 
 写真左:胸部ダクトは真四角な印象なので…
 写真右:内側(コクピット寄り)のエッジを落としてみました。

 
 コクピットハッチの赤いパーツは、説明書の完成写真を見た感じではややノッペリしているような気がしたので、外周部のエッジを落としました。   
 
  
 完成した胸部です。首の部分はタミヤアクリル塗料の「ジャーマングレイ」で塗装しました。キットのグレー成形色とよく似た色のため、重宝しています。「ダークグレイ」とともに、メカ色としてよく使っています。


 顔面のカメラ内部メカはガンダムマーカー「ガンダムシルバー」のインクを筆塗りし、その周辺はHGUCジム・カスタムの時と同様、ジャーマングレーで塗装しました。塗料がはみ出した部分は、後で爪楊枝でこすって落とします。


 頭部アンテナは、先端に向かって細くなるように削りました。アンテナの根元が細くなっていますので、折らないように注意が必要です。あと、左右の削り具合が同じぐらいになるようにしなければならないので、ちょっと面倒臭いですねぇ。

 *下の写真の透明パーツは、頭部に軽く乗せているだけです。完全にはめ込むと、取り外すのが困難になりますのでご注意ください。
 
 ジムⅢのカメラは、目の部分のゴーグルと頭頂部のメインカメラがつながっていているのが印象的です。キットの透明パーツには、メインカメラの枠がモールドされていますが、この枠を白く塗るのが意外と難しいです。 
 とりあえず白い塗料で塗ってみましたが、納得のいく仕上がりにならず、この写真を撮った後ではがしてしまいました。


 「塗ってもダメなら、貼ってみるか…」と、シールを細切りして貼ってみましたが、貼る面積が非常に狭いため、貼り付きませんでした。
 ガンプラに付属しているホイルシールの白い部分(最近は袖付きモビルスーツのキットでよく見かけますよねぇ)および、手持ちのマーキングシール(テトロンシール)の両方を試してみましたが、結果は同じで「ペロッ」とめくれました。

 「貼りものなら上手くいくと思ったんやけど、粘着力が足りんなぁ…。接着できたらなぁ…」

 というわけで、キットのランナーから伸ばしランナーを作り、貼ることにしました。
 ランナーを見ていると、ちょうど良いものを発見♪

 ランナーのタグに刻印されている「HGUC」の「H」です。この文字をナイフでそぎ取って使います。
 タグに「HGUC」の刻印があるランナーは2枚ありますが、文字の太さやサイズから、「Aランナー」の方が適していると思います。

 作業しやすいように、タグ板の「H」の部分だけを切り取ります。隣の「G」の文字は、作業の邪魔にならないよう、先に削り落としておきました。

 
 写真左:デザインナイフで文字をそぎ取ります。文字をつぶしてしまわないように、慎重に…。
 写真右:「H」の文字で台形のカメラ枠の3辺は作れますが、もう1辺の直線が必要です。「1/144」の「/」をナイフでそぎ取りました。

 
 切り取った文字の反りを直したり余分な部分を切ったり、角度を調整したりと、細かい作業が続きます。息で文字を吹き飛ばさないように注意しながら、なんとかカメラの枠に使うパーツが準備できました。

 
 写真左:透明パーツのカメラ枠部分に、文字で作ったパーツを接着します。接着には流し込みタイプの「Mr.セメント リモネン系」を使用しました。カメラのガラス面に余計な接着剤が流れ込まないように、接着剤のフタの裏に付いているハケを瓶のフチでしごいて、ごく微量の接着剤だけが残っているようにして接着します。
 写真右:接着剤が乾いたら、余分な部分をニッパーで切り落とします。

 
 完成した頭部。とりあえず、カメラの枠は自分では納得のいく仕上がりになりました。透明パーツのグリーンがキレイですねぇ♪。
 頬のダクト部分は、設定では丸いパーツが縦に2個並んだようになっています。市販のディテールアップパーツを貼って再現しようかと思いましたが、実際にパーツを並べてみると、労力のわりに格好良くならないことが分かったため、やめておきました(汗:あくまで個人的な感想です)。 

HGUCユニコーン版ドライセン(最終回)

2011年07月15日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 今回でHGUCドライセンの製作記事は最終回となります。今回は武器の組み立て(?)の続きです。

 前回ロングビームトマホークの柄を延長したのですが、柄が長くなった分だけビーム刃が小さく見えてしまうという結果になりました。ビーム刃のパーツを大型化するのは非常に難しいので(というか、無理:汗)、大きめのビーム刃を自作することにしました。

 ビーム刃だけに、やっぱり透明素材で作りたいと思いました。そこで買ってきたのが…

 表紙がクリアーイエローの塩ビシートで出来たA4サイズのクリアーファイルです。ダイエーで買いました。確か90円ぐらいだったと思います。表紙の一部を切り取って使いますが、中身のファイルには資料入れとして活躍してもらう予定です。


 もう一つ用意した材料は、リキテックスの「ジェルメディウム」です。アクリル絵の具で絵を描く際、絵の表面に凹凸を作ったりツヤを出したりという特殊効果を生み出すためのものです。画材店で入手可能です。筆者が購入したものはドライセンとのサイズ比較でも分かるとおり、かなりたっぷり入ったものです。値段もかなり…(汗)。


 まず、キットのビーム刃パーツよりも大きめに、ファイルの表紙を切り出します。

 キットのパーツを定規にして柄の部分との接続部をファイル表紙に写し取り、それを基準にしてビーム刃のサイズや形状を検討しながら油性ペンで描き込みます。ビーム刃の長さは、設定画では柄の3分の1ぐらいありますので、それを目標にしました。

 
 写真左:ビームの形や大きさが決まったら、カッターナイフでファイル表紙を切り抜きます。油性ペンの線は、消毒用アルコールやアクリル塗料の溶剤で拭き取ります。
 写真右:自作ビーム刃をトマホークの柄に取り付けた状態です。

 
 キットのパーツを参考に、ビームの輪郭に切れ目を入れてみました。


 このままでは平板な印象ですので、ジェルメディウムで表面に凹凸をつけます。まずトマホークの柄にジェルメディウムが付かないように、マスキングテープで覆います。


 ジェルメディウムは木工用ボンドに似た、白いペースト状です。ボトルから適量を筆で取り、ビーム刃の片面に塗り広げます。この作業は模型作りというより、ケーキ屋さんがホイップクリームをスポンジケーキに塗り広げるような感じです。筆よりもバターナイフのような道具を使ったほうが良かったかもしれません。
 ある程度塗り広げたら、柄の部分からビームの粒子が放出されているのをイメージして、爪楊枝でスジを入れていきました。

 
 反対側の面も同様に、ジェルメディウムを塗りました。この後、ギラ・ズールにトマホークを持ってもらってジェルメディウムを乾燥させました(6月25日の記事参照)。

 *ジェルメディウムについては「エプロンの人 模型制作日記」の過去記事で、アクリル絵の具を混ぜ込んだ表現についての実験が行なわれています。ぜひ参考にしてみてください♪


 ジェルメディウムは乾燥すると、ツヤツヤの透明になります。ただ、灼熱の重金属粒子の集合体であるビーム刃にツヤがあるのはおかしいと思うので…

 
 表面に水性ツヤ消しニスを塗って、ツヤをなくしました。ジェルメディウムは乾燥してもやや表面がベタつくのですが、ニスを塗ったらベタつきがなくなるので一石二鳥です。


 完成したロングビームトマホークです。ドライセン自体がかなり大型の機体ですので、トマホークもこれぐらいのサイズがあればバランスが良くなると思います。

 次はジャイアントバズです。
 
 砲口の内側は仕切り板があるだけですので、市販のノズルパーツに穴を開けたものを貼ってディテールアップしました。


 このジャイアントバズ、ドライセンに対してやや小さく感じますが、それでもHGUCの他のドム系モビルスーツのバズーカより長いです。



 ヒート剣の刃は「ガンダム ラメパールマーカーセット2」のオレンジ色で塗りました。もう少し黄色っぽいオレンジ色なら、劇中の雰囲気に近くなったのですが…。 


 やっぱりドム系モビルスーツには実体弾バズーカやヒート剣が似合いますねぇ♪


 後ろ姿。結局、各ノズル内部は赤塗装しました。使用したのはアサヒペンの「カラーパレット水性マーカー」の「ルビーレッド」です。ペン先が太いので、筆にマーカーのインクを含ませて塗装しました。


 というわけで完成したドライセン、キット自体はシールで再現されたモノアイで損をしていますが、価格のわりにサイズが大きいのでお買い得感があります。頭部さえなんとか攻略すれば格好良いドライセンが手に入りますので、気になる方はぜひ!

 *ヤマトさんからのご質問「HGUCドム・トローペン(サンドブラウン)とHGUCドム/リックドムの平手は同じですか?」:HGUCドム/リックドムの平手は、トローペンのものとは異なります。指が大きく開いていて、活き活きとした表情になっています。好みにより、使い分けると良いと思います。ホビージャパン誌の作例では、ドムの平手が使われていましたねぇ。

 次からはHGUCジムⅢ…の前に、HGUCパワードジム系列キットの上腕についての記事をお送りします。パワードジム・ジムストライカー・ジム改共通(ジムキャノンⅡにも使えるかも?)の改修法ですよ~。

HGUCユニコーン版ドライセン(その6)

2011年06月27日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 HGUCドライセンの続きです。
  
 胸部中央のパーツに装飾部分のシールを貼ります。ギラ・ズールの胸部装飾と同じようにして貼りましたが(シールの貼り方については「不定期連載:HGUCギラ・ズール親衛隊仕様(その1)」を参照)、ドライセンのこのパーツはカーブがややきつい曲面で構成されているためシールが付いてこられず、右の写真の赤矢印で示した部分に少しだけシワができてしまいました。残念…。シワの部分は爪楊枝でこすって、できるだけごまかします。胸部本体に組み込んでしまえばほとんど目立たない部分なので助かりました(汗)。
 また、このシールは白い枠の下側がパーツの形状に合っていない部分もあり、前腕袖口用のシールと比べるとやや精度が低いです。
 この装飾部分のシールは地の部分の濃紺色がAランナーの濃紺成形色とはやや違う色ツヤになっています。「装飾部分の紺色は機体の他の部分の紺色とは仕上げが違う」と解釈することにしました。


 前腕袖口部分に貼るためのシールは良く出来ています。こちらはシワが寄ることも無く、キレイに貼れました。
 *筆者は装甲パーツ1つ1つ別々に貼りましたが、3連装ビームキャノン使用時に開く部分のシール貼り位置がずれないように、腕のフレームに装甲パーツを両方とも取り付けて貼った方が良いかもしれません。ごくわずかでもずれると、気になるもんです(汗)。


 手首側のフチ部分は「水性 工作用カラー」の「下塗り白」で塗装しました。写真は1度目を塗った後の状態です。「塗っては乾かし」を繰り返し、3度塗り重ねました。
 *筆者は前腕の装甲が閉じた状態で塗装しましたが、塗料が装甲のすき間に入り込んで装甲パーツ同士がくっ付いてしまう可能性がありますので、開いた状態にしてから塗装した方が良いと思います。

 
 このキットには武器保持用の握り手と、力強い造形の握り拳の2種類が付属しています。しかし握り拳の方は手の甲が一体成形のため色分けされておらず、指の形状や手のひらから手首関節にかけてのディテールが武器保持用の手とかなり異なっています。
 2種類のハンドパーツは同じランナーに並んで配置されているのですが、どうして隣同士にあるパーツの形状をここまで違うものにしてしまったのか疑問が残ります。
 握り拳の手の甲を塗装するための色は用意しておいたのですが、各部形状やディテールが異なるハンドパーツを併用するのはどうしても嫌でした。
 1:コトブキヤさんのMSG丸指ハンドを使う→平手があるし、造形も良かったのですが、サイズがやや小さいため断念しました。
 2:キットの握り拳を改造して使う→かなり時間が掛かりそうなので断念しました。
 3:左手のみ、いつもの方法で武器保持手から握り拳に改造→右握り拳が用意できないのが残念ですが、見栄えを考えるとベストでは?
 …と、いろいろ考えた結果「3」でいくことにしました。加工の方法については、「HGUCザクⅡF2型」の記事から過去記事にさかのぼってお読みください。この「ゆるく握った武器保持手→握り拳」への改造については、ギラ・ズールの不定期連載記事で補足する予定です。

 一応、本体が完成したので、武器の組み立てに入ります。

 前にも書きましたが、キットのロングビームトマホークは「ZZ」の頃の設定画と比べるとやや短いです。ドライセンの身長よりも頭一つ分以上長い方が、地面に立てて持たせた時のバランスが良いと思います。そのため、延長することにしました。
 ただし、筆者は細い棒状パーツの延長の作業が苦手です。失敗する可能性が高いので、保険としてロングトマホークはキットのまま温存しておいて、別々になっているビームトマホークとビームランサーをつなげてから延長することにしました。慎重になるあまり、遠回りしているような気もしますが…(笑)。
 トマホークとランサーの接続部分には1㎜ドリルで穴を開け、ステンレス針金を通して接着し、強度を確保します。
 

 長さを延長するのは、ビームランサーの中間部分で行ないました。中間部分を切り取り、キットの「E」ランナーを適当な長さに切ったもので継ぎ足します。棒状のパーツを切断した後の切り口を、長さ方向に対して垂直に成形するのは難しいですねぇ(汗)。今回はヤスリで少しずつ様子を見ながら削りましたが、パイプカッターという工具を使ったほうが楽にできるかもしれません。別の機会に試してみようと思います。
 ビームランサーって中間部分が伸縮式になっていて、ビームサーベルとしても使えるという設定があったような気がするのですが、実際はどうなんでしょう? 


 なんとかロングトマホークの延長に成功しました。全体で3㎝近く長くなっています。 



 延長したトマホークとドライセン本体との比較。意外と面倒な作業ですが、やればやっただけの甲斐があると思います。

 このキットには平手が付属していません。トマホークやヒート剣を持たせた場合、平手があったほうが様になると思ったので…
 
 写真左:HGUCドム・トローペン(サンドブラウン)から左平手を拝借することにしました。この平手パーツ、サイズやディテールはドライセンの武器保持手と並べても違和感無いのですが、パーツの表面がかなり荒れています。ひと昔前のガレージキットみたいです。
 写真右:手の甲は別パーツになっているので、ドライセンの手の甲を取り付けることができそうですが、ぴったり取り付けるにはかなり加工する必要がありそうです。


 手の甲の取り付け部分を削り込み、パーツ全体をペーパー掛けして表面を整えてからドライセンの手の甲パーツを取り付けてみました。サイズはちょうど合うのですが、ところどころにすき間が出来てしまいます。

 
 すき間が生じる部分にプラ板を貼り、ヤスリで削って整形しました。手の甲パーツ裏側の取り付け用突起も少し高さを削り、平手に密着するようにしてあります。
 手の甲パーツは左握り拳にも使いまわしする必要があるため、平手に接着するわけにはいきません。接着剤を使わずに取り付けられるように、平手側を削って微調整しました。


 加工が終わった平手をタミヤアクリル塗料の「ダークグレイ」で塗装しました。塗料が完全に乾いてから、表面をティッシュペーパーなどで磨くと、キットのグレー成形色に近い色ツヤになります。

  
 完成した平手です。「ZZ」版ドライセンが発売されるとしたら、平手を付けてほしいなぁと思います。どうでしょう、バンダイさん!?
 ちなみに、キットのランナーには上腕部分のパーツのところにスイッチがあります。「ZZ」版ドライセンが発売された場合、上腕の動力パイプはちゃんと再現されるのではないかと思います。また、3連装ビームキャノンの部分にもスイッチがあったような気がするのですが、あれは砲身に放熱スリットが入ったキャノンを再現するためのものでしょうか?


 ドライセン本体に平手を取り付けた状態です。


 やっぱり平手があるとポーズ付けの幅が広がりますねぇ♪ 肩アーマーの各ノズル周囲の赤部分は、面倒くさかったので塗装していません。気が向いたら塗ることにします(汗)。 

HGUCユニコーン版ドライセン(その5)

2011年06月14日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 HGUCドライセンの製作記事、第五回です。頭部だけで4回も使ってしまったため、ややペースを速めてお送りします。
 このキットはモノアイがシールによる再現となっていることや、ややドライセンのイメージとは異なる頭部の造形で非常に損をしていると思います。頭部以外の出来は良好で、しかも組み立てやすいです。そのため、首から下の組み立ては急ピッチで進めることができました。

 ひざ関節の、太ももへの取り付け軸付け根には穴が開いています(矢印で示した部分)。強度的な不安があるため、1㎜径のプラ丸棒と瞬間接着剤で穴を埋めました。期待するほど強度は上がらないとは思いますが、何もしないよりは気分的に楽になると思います。 


 足首関節のボールジョイント基部には、可動部を意識した丸いディテールがあります。ややスカスカな印象があるため、市販のディテールアップ用パーツを貼って密度感を増してみました。ほとんど見えない部分ですので、使い道があまり無さそうなデザインのものを使用しました(コトブキヤさんのMSGプラユニット「P-129 丸モールドⅤ」を使用)。


 各部装甲パーツの取り付けがまだですが、とりあえず自立するところまで組み立てた状態です。

 別アングルから。他のHGUCドム系キットと違い、すねの部分が完全なフレーム構造になっているのが興味深いです。「1年戦争のジオン系モビルスーツはモノコック構造、グリプス戦役以降のモビルスーツはフレーム構造」という設定を再現したかったのでしょうねぇ♪


 HGUCリックドムⅡとの比較。リックドムⅡもかなり大型の機体ですが、ドライセンの大きさはそれをはるかに上回ります。まさに「恐竜的進化」ですね!

 背部スラスターポッドのノズル部分が気になったので、手を加えました。歴代ドム系モビルスーツの背部スラスターは機体に対して小さめなのが特徴ですが、それにしてもやや小さ過ぎると感じました。ノズルがすぼまっていて、迫力に欠けると思います。旧キットの、樽のようなスラスターポッドの印象が強いせいでもあるのですが…。
 
 キットのノズル部分を切り落とし、コトブキヤさんの「P-123 マイナスモールドⅣ」の9mm径に交換することにしました。このパーツはすぼまり方が小さく、開口部および穴の奥の径が大きめのため、迫力が出ると思います。 

 
 ノズル部分はヤスリで削り取っても良いのですが、接着部分の精度を高めるため「かめっチ式パーツスライサー」で切り取りました。スタークジェガンの上腕を切り詰めるために使ったものが残っていたため、そのまま流用しました。
 斜めにすぼまっているノズルに対してエッチングノコギリの刃を当てるため、最初のうちは慎重に作業する必要があります。途中で「あ~、やっぱりヤスリで削った方が早いかも(汗)」と思いましたが…。
 
 写真左:無事、ノズルを切り取ることができました。パーツスライサーが古いものだったためか、両面テープで固定しているエッチングノコギリの刃が微妙にブレてしまい、切断面は完全な平面にはなりませんでしたが、それでもヤスリで削った場合よりも精度は高いと思います。切断面は平らなところに敷いた耐水ペーパーの上で軽く滑らせて、平らに削りました。
 写真右:スラスターポッドの切断面に「マイナスモールド」を置いてみました。 

 
 「マイナスモールド」のノズル奥は単純な平面でやや寂しく感じたので、ディテールアップパーツを貼り足します。丸モールドと皿型のノズルのどちらにするか迷いましたが、奥行き感と迫力を重視して丸モールドを選択しました。

 スラスターポッドのノズルを大型化した背部。 

 背部兵装は個人的好みでトライブレードを装備しました。ドライセンの背中は他に類を見ない構成で、独特ですねぇ。旧キットの説明書に載っている、別バージョンのバックパックも良いなぁと思います。
 後頭部の下半分の紺色部分は、タミヤアクリル塗料の「ロイヤルブルー」をベースに、「フラットブルー」や「フラットレッド」「フラットベース」などを混ぜた色で塗りました。


 大型の肩アーマーは前後挟み込み式になっています。前後のパーツを接着して合わせ目を消したいところですが、肩との接続部分がゆるんできた場合のメンテナンスのことを考え、「接着しない合わせ目消し」で対応しました(写真右側)。

 肩アーマーの接続部分には「簡易ビニールキャップ(1/100ザクウォーリアの記事参照)」を仕込み、軸&軸受けの磨耗によるゆるみの軽減を図りました。
 
 
 簡単な作業で、ポリキャップに近い可動のスムーズさと保持力が得られるので、おすすめです。材料はキットのランナーを包装しているビニール袋のうち、グニャグニャした感触のものを使用します。HGUCドライセンのキットに、このグニャグニャしたポリエチレン系ビニール袋が入っているかどうかは忘れましたが、読者の皆様がお持ちのガンプラの中にはたぶん高い確率で入っていると思います。


 腰フロントアーマーの矢印で示した部分は、タミヤアクリル塗料の「パープル」をベースに「フラットブラック」や「ジャーマングレイ」「フラットベース」などを混ぜた色で塗装しました。この色は手の甲の塗装にも使うため、多めに作っておきました。


 キットを組み立てた方はお気付きのことと思いますが、このキットの肩関節軸はかなり低い位置に付いています。そのため、肩アーマーが付かない状態だと非常に「なで肩」になっています。上向きに跳ね上がった肩アーマーが付くため、「なで肩」の印象はなくなりますが、それでもひじの位置が低く、腕が長い印象があります。
 しかし、前後方向だけでなく上方向にもスイング可能な肩関節基部の構造のおかげで、肩アーマーを含む腕全体を上方向に移動させることができます(写真左側:右腕)。
 当初は肩関節軸を切り取って約3㎜上方向に移動させることも考えましたが、「ガンダムZZ」頃の設定画のように肩関節基部上面装甲と肩アーマーがスムーズにつながった状態(写真右側:左腕)も捨てがたいため、無改造・キットの可動機構で対応することにしました。
 その時の気分に応じて肩のポジションを変更させることができるのはありがたいと思います(笑)。

 次回はドライセンの関連記事として、「HGUCリックドムⅡのモノアイ可動改造」または「HGUCギラ・ズールの装飾部分のシールによる仕上げ」についてをお送りする予定です。

HGUCユニコーン版ドライセン(その4)

2011年06月07日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 HGUCドライセンの製作記事の4回目です。ここで気が付いたのが、頭部というかモノアイ周辺だけで4回目まで来てしまったということです。い、いかん! このままでは完成までにどれだけ掛かることやら…(汗)。
 というわけで今回はかなり長くなりますが、どうぞお付き合いください。m(- -)m

 前回のラストで書いた「問題点」ですが、解説のための図を描いてみました。↓

 図左:頭部下側のパーツ「A9」を上から見たところです。
 図中央:前回作った頭部内フレームを組み込んだ状態で、黄色い矢印はモノアイ可動軸の中心からフレームの外側までの距離を表します。モノアイが正面を向いている状態だと、矢印はこの長さなのですが… (白と黒で色分けされた円がモノアイ可動軸の位置を表します)
 図右:フレームの円弧に対する中心からずれた位置にモノアイ可動軸の中心が設けられているため、モノアイを横に移動させると緑色の矢印のように、モノアイ可動軸の中心からフレームの外側までの距離が伸びてしまいます。

 モノアイの可動軸からレンズの基部までを構成するパーツは、黄色い矢印と緑色の矢印の中間ぐらいをイメージして作っています。モノアイの可動範囲を増やすためには、緑色の矢印か、それ以上の長さで作れば良いのですが、あまり長くするとレンズがモノアイシールドの内部に収まらなくなってしまいます。そのため、モノアイの可動範囲は左右それぞれ約45度程度を目標にしました。

 頭の内部にモノアイの可動ギミックを設ける場合、問題となってくるのが首関節の軸受けの位置です。1/144スケールキットでは、頭部の内部における首関節軸受けが占めるスペースが意外と大きいためです。
 
 写真左側:このキットの首関節軸は、頭部の中心からやや後ろにずれた位置にあります。「もともとこのキットはモノアイ可動ギミックを設ける予定だったのが中止になったのかもしれないなぁ」と思うぐらい、首関節軸受けの前にスペースが設けられているのですが…
 写真右側:首関節軸受けを頭部の中央に設けると、下の図のようなドラム状のモノアイレールを組み込むだけで、簡単にモノアイを左右に可動させることができます。HGUCザクと同じ構造です。 

 首関節軸受けを移動させる改造は意外と大掛かりになる上、首パーツのボールジョイントの位置まで移動させる必要があるので、今回の製作では断念しました。

 ……話が長くなりました。ここから今回の製作に入ります。
  
 前回作った各パーツを頭部に組み込んだ状態です。ここでようやく「Hアイズ」のレンズを仮付けしました。今回使用したHアイズの直径は2.8㎜です。キットのモノアイシールがやや小さく感じたのと、以前作ったHGUCリックドムⅡに使用したHアイズとサイズを統一したかったためです。この「サイズの統一」については、後の記事にて触れたいと思います。

 
 前回も使った「シャッターモールド」を細切りして、モノアイ可動軸パーツの側面に貼り付けました。
 2本の細切りシャッターモールドの長さを切り揃える際には、作業台の上に両面テープを貼り、その上にマスキングテープの粘着面を上にして貼り付け、その上にパーツを貼って固定してから切ると作業が楽です。両面テープに直接パーツを貼った場合よりも、マスキングテープの方がパーツをはがしやすいです。 

 
 同様にして切った細切りシャッターモールドを、頭部内部の奥の方にも貼りました。ちょうど横方向のモノアイスリットの奥にあたる部分です。モノアイ可動軸にシャッターモールドが干渉しないように貼りました。


 ディテールアップのために貼ったパーツによって、モノアイの可動範囲が狭くなってしまったかどうかをチェックしています。やや可動範囲は狭くなりましたが、この後パーツ同士が干渉する部分を削り込んで、左右それぞれ約45度の可動範囲を確保しました。

  
 写真左:「モビルスーツ動画図鑑」で見た「ZZ」当時の作画の雰囲気に近付けるため、上下方向にモノアイレールを延長します。細切りしたシャッターモールドの両側にプラストライプを配置し、リモネン系流し込みタイプ接着剤で接着しました。
 写真右:接着剤が乾燥した後、モノアイレールを適当な長さに切り、片方の端にもプラストライプを貼り付けました。


 下側のモノアイレールを仮付けした状態です。アゴにあたる部分のスロープから頭部内フレームに掛けて、はしごを立てかけたような状態です。横から見るとすき間があってやや見栄えが悪いため、すき間を埋めるパーツをランナーから削り出して取り付けました。
 写真は撮っていませんが、この後、上側のモノアイレールも延長しました。

  
 モノアイの製作が一段落した&ちょっと飽きてきたので、頭部の形状変更を行いました。
 写真左:十字型モノアイの赤い枠の上側、額にあたる突き出した部分ですが、ややドライセンのイメージとは違う気がしていました。
 写真右:かなり作業が進んだ後の写真ですが…(汗)。キットでは赤い枠の上面の角度がかなり寝ていて、リックドムⅡに近い雰囲気になっています(ユニコーン版ドライセンの頭部はこんな感じといえばこんな感じなのですが:笑)。この部分の角度が立つように、上面の部分を削り落とし、同色のプラ材を貼り付けて整形しました。

 作業中の写真です。削り落として開いてしまった部分にフタをするように貼ったのは、HGUCジム改のコクピットハッチのパーツです。もったいないことをしてしまった…(汗)。
 あと前回書き忘れたことですが、モノアイを囲む赤い枠のフチが分厚く感じたため、枠の内側と外側の両側からフチの厚みが薄く見えるように削り込んであります。この赤いパーツはエッジがかなり立っていて平板なイメージだと感じたため、他のHGUCドム系キットの面構成を参考に削り込んで、面に丸みを加えたりエッジを落したりしています。


 頭頂部の角は設定画と比べるとかなり小さいと思います。キットの角を切り落とし、パーツの裏側から1㎜径ドリルで穴を開け(穴位置はパーツの裏側を見れば分かります)、棒ヤスリで穴を広げてから鋭く削ったランナーを差し込んで接着しました。ランナーは鉛筆削りである程度削り、耐水ペーパーで仕上げて適当な長さに切りました。


 粗い画像ですが、整形が終わった状態の頭部です。

 モノアイ製作に戻ります。
 
 可動軸は首の可動に支障が無い程度に切り、断面にはマイナスドライバーを差し込むためのミゾを彫りました。


 透明ビニール製のモノアイシールドは、モノアイスリット下側の部分が固定できていません。そのため、シールドがめくれて浮き上がってくるのを防止するためのパーツを作って貼り付けました。

 とりあえず各パーツの加工が終わったので、内部メカや頭部赤枠パーツの内側をタミヤアクリル塗料のジャーマングレイで塗装しました。以下、組み立てが終わった状態の写真です。まだ後頭部下側の塗装は行なっていません。
  
 
 

 上側の赤枠の先端部、ちょうど角度変更の改造を行った部分の内部には何らかのセンサーの類が入っていると解釈して市販のパーツを貼りましたが、ほとんど分かりませんねぇ(汗)。

 
 モノアイを左右に移動させた状態の写真です。塗装する前はスムーズに可動していました(というより、塗膜の厚みを考慮してゆるゆるにしていました)が、塗装後は塗膜の厚みや水性アクリル塗料独特の粘りが可動を妨げるという結果になりました。数日間放置して塗料が完全に固まってから、可動部を調整する予定です。

 *コメントをくださった読者の皆様、ありがとうございます! トロ准尉さんからいただいたご質問、シャッターモールドの切り出し方ですが…

 図の赤い線がニッパーでの切り取り線です。まず上下の枠をニッパーで切り取り、パーツの向きを変えて両サイドの枠をシャッターのある面と平行にニッパーを当てて切ります。最後に両サイドをニッパーで切り落とせば、パーツが割れる可能性は低くなると思います。切りだしには良く切れるニッパーやデザインナイフをお使いくださいね~。

HGUCユニコーン版ドライセン(その3)

2011年06月02日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 今回はHGUCドライセンのモノアイ部分のディテールアップです。手元には資料が無いに等しい状態だったため、ネットで検索しているうちに、サンライズさんが運営している「GUNDAM.INFO」内の「ガンダムMS動画図鑑」にたどり着きました。そこで筆者が見たものは…

 *サンライズ様、画像を無断掲載してしまいました。著作権などの問題があれば削除いたします。m(- -)m
 「機動戦士ガンダムZZ」に登場していた頃のドライセンです。画像を見ると、赤い十字型の枠の上下方向にしっかりとモノアイレールが伸びています。筆者は頭部アップの設定画を見たことが無いので詳細は不明ですが、このモノアイレールのデザインはおそらくアニメーターさんのアドリブによるものと思われます。
 この画像を見る限り…

 前回の図の左側のような構造が正解のようです。前回は図の右側の解釈で頭部内フレームを作りましたが、劇中の作画のような雰囲気を盛り込むことにしました。


 モノアイレールの材料には、ウェーブさんの「Uバーニアフラット(長方形)」を使用しました。

 
 写真左:このパーツを使用すれば、スジ彫り入りプラ板を自作する手間が省けます。厳密にいえばスジ彫りではなく、階段状というかシャッター状ですが、小さいものなのであまり問題は無いと思います。以下、このパーツを「シャッターモールド」と呼ぶことにします。
 写真右:パーツ周囲の枠部分を切り取って使用します。使う部分によっては、厚み(約0.5mm)を薄く削っておいたほうが良い場合もあります。


 適当なサイズにシャッターモールドを切り取り、モノアイスリット上下左右の各部に置いてみました。シャッターの間隔がやや狭いような気もしますが、雰囲気は良さそうです。

 
 前回作った頭部内フレームの上下方向スリットに、細く切ったシャッターモールドを貼りました。 

 
 シャッターモールドを細い枠で囲みます。使用した材料はホビーベースさん0.14mm厚プラストライプ0.5mm幅です。
 フレームとモノアイとの可動のためのクリアランスがギリギリであるため、非常に薄い素材であるプラストライプを使いました。
 とても薄いプラ材なので、取り扱いはやや難しいです。長めに切って、指でつまむ部分を多めに確保しておくと作業しやすくなります。 


 フレームの横方向へのモノアイスリットに当たる部分にもプラストライプを貼り込みました。平らな板に両面テープでパーツを固定し、プラストライプを接着剤で貼っていきます。両面テープは手の甲などに何度か貼ったりはがしたりして粘着材を弱めておくと、後でパーツがはがしやすくなります。
接着剤は「Mr.セメント リモネン系(流し込みタイプ)」を使用しました。プラストライプに軽く接着剤を塗り、30秒ほど待ってからフレームにプラストライプを巻き付けるようにして貼り位置を決め、位置が決定したらフレームとプラストライプとの境界部分に接着剤を少しだけ流し込みます。
 この作業にはかなり神経を使いました。接着に失敗したら、せっかく時間を掛けて削り出したフレームが台無しになってしまいますので…(汗)。

 接着剤の乾燥を待つ間、モノアイシールドを作ることにしました。
 
 写真左:パーツA11の表面にマスキングテープを貼り…
 写真右:パーツの外形に沿ってニッパーでテープの余分な部分を切り取ります。

 
 写真左:頭部の赤い枠の上下部分の内側を良く見ながら、目分量でマスキングテープを切り出します。
 写真右:テープを貼ったA11を頭部に組み込み、赤い枠の上下部分のためのテープを貼って合成させます。

 
 写真左:A11からマスキングテープを慎重にはがし、自分の手の甲などに何回か貼ったりはがしたりして粘着材を弱めます。
 写真右:キットのランナーを包装しているビニール袋にマスキングテープを貼り付け、テープの形に添ってビニール袋を切り出します。テープをはがせばモノアイシールドは完成、のはずですが…・ 


 頭部にモノアイシールドを挟み込んだ状態です。先ほど切り出したモノアイシールドは頭部内に干渉する部分が意外と多く、この状態になるまで各部を切って微調整する必要がありました。 

 前回写真を撮り忘れたのですが…。
 
 写真左:下側頭部内フレームの写真です。コトブキヤさんの「マイナスモールド」を半円状に切り、頭部内の段差やスロープに合わせて削りました。
 写真右:左側に写っているのが、「マイナスモールド」の元の状態です。

 
 写真左:上側頭部内フレームの写真です。「マイナスモールド」内側の仕切り板の真ん中に切り欠きを入れ、パーツA10裏側の仕切り板にはめ込めるようにしてあります。 
 写真右:左側に写っているのが、「マイナスモールド」の元の状態です。

 
 モノアイの可動軸は、最終的には左の写真のような形状まで削り込む必要がありました。上下の頭部内フレームで挟み込むようにするため、軸とレンズ基部を結ぶ部分を薄く削り、左右方向のモノアイスリット内で動けるようにしてあります。
 実は、この構造には問題があります。話が長くなりそうなので、続きは次回にお送りします(汗)。 

HGUCユニコーン版ドライセン(その2)

2011年05月27日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 今日は仕事が休みだったのですが、天気が悪いため、ほぼ一日中家でHGUCドライセンの頭部を組み立てたり分解したりしていました。
 その結果、モノアイ可動改造に成功しました♪ 試行錯誤を繰り返したため、かなり時間を使ってしまいましたし、ボツになった材料もいくつか出てしまいましたが…(汗)。

 ドム系モビルスーツの特徴は十字型のスリットに沿って可動するモノアイです。十字型にモノアイを動かそうとすると、ボールジョイントまたは上下・左右の2軸式の可動部を設ける必要があります。しかし、どちらの場合でも頭部内部に可動のためのスペースを広めに確保しなければなりません。そのため、頭部内部メカを再現させることは難しくなります。
 さらに十字型にモノアイを可動させるには、透明なモノアイシールドを取り付けずに完成させるか、可動させるたびに頭部を分解させる必要があります。
 頭部内部メカは充実させたいし、透明モノアイシールドは取り付けたい。可動のたびに頭部を分解するのは面倒臭い……というわけで、筆者は見た目と操作性を重視して、上下方向へのモノアイ可動はあきらめることにしました。


 写真は頭部下半分のパーツ「A9」です。首関節のボールジョイントを受ける穴が開いていますが、この穴の少し前方にモノアイの可動軸を差し込むための穴を開けます。
 
 穴の径は約2.5㎜です。狙い通りの位置に穴を開けるため、最初は1.0mm径のドリルを使用して下穴を開け、細い棒ヤスリを回転させて下穴を2.5㎜まで広げます。


 
 可動軸およびモノアイレンズの基部を兼ねるパーツは、ランナーから削り出しました。HGUCギラ・ズールの「E」ランナーが直径約2.5㎜の丸棒で構成されているため使用しましたが、径が合えばどのキットのものでも良いと思います。
 直径2.5㎜を採用した理由は、強度と省スペース性のバランスを考慮した結果です。数日前の夜中にグラフ用紙に頭部内部スペースの図を描き、軸位置や軸の太さ、内部メカのサイズなどを検討していました。しかし、図面と実物のパーツではかなり勝手が違い、図面はあまり参考になりませんでした(汗)。う~ん…。



 ドライセンのモノアイの動きについてですが、放映当時は左の図のような動きをすると思っていました。上下方向のモノアイレールは前方に向かって伸び、上に移動したモノアイは下向きに、下に移動したモノアイは上向きになる、と…。
 しかし、リックドムⅡの設定画で球状に描かれたモノアイ周辺ブロックを見た後は、右の図のような動きなのかもしれないと思うようになりました。
 今回の製作では、右の図のような構造と解釈し、球状の頭部内部フレームに十字型のスリットが開いているように見えることを目標にしました。 

 使用したのはコトブキヤ製MSGプラユニットの「マイナスモールドⅣ」です。直径10mmの薄型のものを使いました。これを半円状にカットし、頭部パーツ「A9」「A10」の内側の凹凸に合わせて、干渉する部分を削りました。
 この作業は「削ってはパーツに合わせ、様子を見てはまた削り…」の繰り返しで、非常に面倒臭かったです。そのため、途中経過の写真を撮り忘れました(汗)。次回の記事で、その辺について補足したいと思います。
 


 頭部内フレームとモノアイの可動軸が、とりあえずは形になりました。当初、モノアイ可動軸はガタつきを防止するため、T字型にする予定でしたが、上部フレームと干渉するため、L字型になりました。詳しくは次回…。

 
 頭部にモノアイ周辺パーツを組み込んだ状態です。現時点ではレンズは取り付けていません(とりあえず、レンズを取り付ける部分をピンク色に塗ってあります)。前回紹介したリックドムⅡと同様、頭部の底からマイナスドライバーでモノアイを左右に動かすことができます。
 上下方向のモノアイスリットはダミーです。上下方向の赤い枠がモノアイの可動に全く関係しなくなりましたが、この部分は「ドム系モビルスーツであることを強調するために付けられたパーツ」ということにしました。それでも何らかのディテールアップを施す必要がありそうですねぇ。


 
 ビニール袋で作ったモノアイシールドをかぶせても、可動に支障はありません。

 今回はとりあえず可動部分が形になりましたが、まだまだ内部メカはあっさり味です。次回の記事ではその辺をいじってみようと思います。

HGUCユニコーン版ドライセン(その1)

2011年05月21日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 今回からHGUCドライセンの製作記事を始めます(HGUCギラ・ズールの製作記事を期待していた皆様、ごめんなさい!)。ドライセンについては半年ほど前に「発売されたらいいなぁ…」という記事を書いたのですが、ついに実現しました♪

 キットの方はユニコーン版の新設定を元に立体化されたもので、非常に格好良いと思います。重厚感がありつつも引き締まった感じで、実に男前です。
 しかし、気になる点もあります。HGUCリックドムⅡではモノアイシールドが透明パーツに、HGUCヅダやHGUCドムでは透明モノアイシールドに加えモノアイが可動式に、と着実に進化してきたツィマット(ツィマッド)系モビルスーツの顔面が、このドライセンでは「黒っぽいパーツにシールを貼る」方式に逆戻りしています。
 理由については定かではありませんが、デザイン的またはサイズ的に難しかったのでしょう。中央にほぼ90度の折れ角度が付いたモノアイシールドを透明パーツにすると、パーツの肉厚の関係でレンズ状になってしまい、内部にモノアイを再現したとしても妙な見え方になってしまうのだろうと思います(HGUCデルタプラスの記事参照)。進化してきた十字可動式モノアイをシールに戻したのは、バンダイさんとしても苦渋の選択だったのかもしれません。

 さて、当ブログの製作記事に登場したHGクラスのモノアイMSには、ほとんど全て「透明モノアイシールド・Hアイズによるモノアイレンズ・可動式モノアイ」という仕様にするための加工を施してきました。当然、このHGUCドライセンも同様の仕様に加工する予定です。
 一方、キットの頭部の構造は、赤い十字形モノアイスリットを上下に分割し、間にモノアイシールドのパーツ(A11)を挟み込むようになっています。一見、モノアイ可動化は簡単そうに見えますが、意外と加工しにくいです(汗)。 
 
 当初の予定では、A11のパーツをくりぬいてモノアイレールを再現し、内部に可動式モノアイを設置してからA11の表面に透明塩ビシートを貼るつもりでした(下図のような感じです)。

しかし、A11パーツの裏側には固定用の突起が設けられています。この突起を削り落としたり、パーツをくりぬいたりするのは失敗の危険性があるように思われました。パーツの加工も面倒くさそうです(笑)。

 いろいろ考えているうちに、「ひょっとしたらA11パーツ裏側の突起は、パーツの固定に絶対必要なものではないのかも…」という気がしてきて、ためしに頭部上半分のパーツ(A10)にA11をはめ込んでみると、意外とピッタリはまります。
 さらに、「A11の代わりに透明なシート状のものを挟み込んでも、案外しっかりと固定できるかも…」という気がしてきました。

 最初はやや固めの透明塩ビシート(書類を挟むクリアホルダーのような材質。筆者はお菓子の包装に使われているものを使用しました)をA11の外形に切り抜きました。A11の表面にマスキングテープを貼り、パーツの外形を写し取ると精度を確保できます。
 しかし、A11の折れ角度と同じぐらいに塩ビシートを曲げると、曲げた部分が白くなってしまいました。塩ビシートを使う場合、ヒートプレスやバキュームフォームといった熱加工を施す必要がありそうです(プラ板や塩ビシートを熱加工する場合は、火事やヤケドに注意しましょう)。

 そこで、いつも筆者が使っている「キットのランナーを包んでいるビニール袋」を使ってみることにしました。
 
 使用したのは端の部分がギザギザになった、透明度が高くてパリパリした感触のものです。試しにA11パーツを見ながら、目分量でビニール袋を切り抜いてみました。

 
 適当に切り抜いた、ビニール袋の切れ端を頭部にセットしてみました。思ったよりしっかりと固定されます。マスキングテープでA11を採寸して、正確にビニール袋を切りぬくと、さらに精度は向上するはずです。
 強度はあまりありませんが、触らなければ問題は無いと思います。 


 緑色の斜線で囲んだ部分まで延長するようにビニール袋を切りぬくのも良いかもしれません。

 肝心の可動式モノアイですが…
  
 写真はHGUCリックドムⅡを改造したものです。
 写真左:頭部底面のパーツに穴を開け、可動軸(矢印で示した部分)を通した簡単な構造です。実はこの可動軸、HGUCジム改で余った肩関節軸のパーツ(パワードジムのパーツ)を加工したものです。軸の先端にミゾを彫っているので…
 写真右:頭部の裏側からマイナスドライバーを使って軸を回転させ、モノアイを左右に動かすことができます。ちょっと前のMGキットに使われていた方式です。
 この方式を今回のHGUCドライセンにも採用する予定です。

 技術的には「透明モノアイシールド・Hアイズによるモノアイレンズ・可動式モノアイ」への道が開けてきたような気がしてきましたが、頭部内部が丸見えになってしまうため、モノアイスリット内側を格好良くディテールアップする必要もあります。ただし、モノアイの可動に干渉しないようにディテールアップするのはちょっと難しそうです。どうする、オッサン!?(汗)。

近況報告&HGUCギラ・ズール予告編

2011年05月09日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 諸事情によりブログを2ヶ月も放置してしまいました。読者の皆様にはご心配をおかけしまして、たいへん申し訳ございません。m(- -)m 身体に疲れがたまっていますが、とりあえず筆者は元気です。
 
 4月およびゴールデンウィークは仕事がとても忙しかったためブログの更新はできませんでしたが、少しずつ実験を進めた結果、キット付属のシール+水性塗料で「袖付き」の装飾部分をある程度納得のいく仕上がりまで持っていけそうな手応えを得られました。
 ギラ・ズール一般仕様およびアンジェロ専用機に実験台になってもらいました。もったいない…(汗)。

 前腕の袖口付近の装飾部分です。キット付属のシールはパーツの曲面や凹凸にも対応可能なホイルシールですが、カーブのきつい曲面には追従しきれず、シワができてしまいます。写真では分かりにくいですが、白線の外周部分にシワが数ヶ所できてしまいました。
 
 
 いろいろ試してみた結果、シワができやすい白線部分はキットのシールを使用せず、塗料で塗るのが無難だと分かりました。シールは翼状の装飾を含めた黒い部分だけを切り取って使用しました。詳しくは後日の記事にて…。


 組み立て中の親衛隊機の上半身です。キットの動力パイプの成形色は輪ゴムのような色なので、個人的好みでタミヤアクリル塗料の「XF51カーキドラブ」で塗装しました。
 機体各部のフックやノズル類は「XF20ミディアムグレイ」で塗装しました。明るい色のわりに下地隠ぺい力が強いので、塗りやすいです。 


 襟の部分はキットのシールと水性塗料を併用しました。
 
 
 腹部の白線はキットのシールには含まれていないため、シールの余白部分を切り取って使用しました。  


 肩スパイクアーマーの丸いパーツは成形の都合で形状がシャープではないため、ドリルや棒ヤスリで穴を開けて市販のディテールアップパーツを埋め込みました。

 キット製作の方は、下の写真の状態までこぎつけたのですが…。

 HGUCギラ・ズールは非常に出来の良いキットですが、手を加えたくなる部分も数多くあります。また、ギラ・ズールはザクをはじめとするジオン系モビルスーツの集大成ともいえるデザインになっているため、キットの製作も「今までのジオン系キットのおさらい」という感じになりました。結果的に製作中に撮影した写真はかなり数が多くなりました。できるだけ多くの写真を使用したいので、ギラ・ズールの記事は不定期連載の長期シリーズでお送りする予定です。気長にお付き合いくださいね♪

 *東日本大震災に被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。筆者には直接は何もできませんが、このブログを通じて模型業界を盛り上げていきたいと思います。それがごくわずかでも災害復興のお役に立てれば…と願っています。

HGUCデルタプラス(全)

2010年10月03日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 前回の記事のラストで「次のキットが作りたくてしょうがないので」と書いたキットは「HGUCデルタプラス」です。5月のホビーショーで試作品が発表されて以来、ずっと作りたいと思っていたキットです。待ちに待ったキットですが、諸事情により製作記事は手短に済ませます。
 
 
 写真左:このキットでまず目に付く部分が前頭部のアンテナ(?)部分だと思います。破損防止のため全体に分厚く、安全性確保のため先端にフラッグ(突起)が付いています。
 写真右:フラッグを切断し、アンテナの裏側を削って薄く見えるようにしました。アンテナ先端部はゼータガンダムのカメラガード(短い方のツノ)を意識して斜めに切ってあります。アンテナの付け根辺りとか額の五角形部分との境目はエッチングソーなどで切れ込みを入れるとよりシャープな仕上がりになると思いますが、筆者は強度が低下するのを恐れてスジ彫りやスミ入れで対処することにしました。   

 
 写真左:向かって右側のアンテナが削り込んだ後の状態です。
 写真右:左側が削り込んだ方のアンテナです。強度を確保するため、後ろ側はほとんど削っていません。
 頭頂部カメラの両脇にある小さい方のアンテナは非常に小さいため、手を加えてもあまり効果がないと思い、そのままにしておきました。 

 
 写真左:このキットの目の部分はマスクのパーツにシール(色はブラウン・ブルー・シルバーの3色が用意されています)を貼り、その上から無色透明のカバーをかぶせる構造になっています。マスクのパーツには切れ長の格好良いツインアイのモールドがあるのですが…
 写真右:無色透明のカバーパーツを取り付けると、目と目の間がかなり離れた状態になってしまいます。カバーパーツの厚みが中央部で分厚くなっているため、レンズの役割を果たしてしまうからだと思われます。

 
 写真左:試しにマスキングテープを目の形に切って、キットのモールドよりも内側寄りに貼ってから…
 写真右:透明カバーを取り付けてみました。マスキングテープで作った目がちょうど良い位置になりました。

 
 写真左:マスクパーツの目のモールドを削り落としてから目の周囲を黒く塗り、キット付属のホイルシールの金属色部分を目の形に切り出して貼りました。OVA版の設定画では目の下に「隈取り」がありますので、ガンダムマーカー「ガンダムメカグレー」を塗ったシールを細かく切り、隈取りを再現してみました(立体感は乏しいですが…)。
 写真右:クリアーレッドとクリアーオレンジを混ぜた色で塗装した透明カバーを取り付けた状態です。「ガンダムメカグレー」が思ったより暗い色だったためか、隈取りはほとんど確認できません(汗)。隈取りを目立たせるためには、やや明るめの色を使ったほうが良さそうです。

  
 キットの首はゼータガンダムや百式のような五角形断面の形状になっていますが、デルタプラスの設定画(小説版・OVA版共に)では断面が円形です。カトキ氏が描くガンダムに多く見られる、太い丸首を再現することにしました。
 コトブキヤさんのバーニアノズルパーツの両端をかめっチ式パーツスライサーで約2.5㎜切断したものを使用しました。

 
 首の基部外装パーツの開口部を、太い丸首に対応させるため丸く削りました。


 首のパーツはオレンジ色の線で示した部分で切断し、ボールジョイントの基部はバーニアノズルで作った首パーツの穴に合わせて丸く削りました(緑色の線で示した部分)。
 この後、丸首パーツにキットの首パーツから切り出した可動部を移植するのですが、接着位置が歪まないように細心の注意が必要でした。

 
 
 完成した頭部と首です。透明カバーの奥に光るツインアイですが、実際にはあまり目立ちません。キットのシールをそのまま貼るのが楽だと思います(汗)。
 首は個人的好みでかなり長くしましたが、ボールジョイントの可動範囲を確保するため、予定よりも0.5㎜ほど長くなりすぎてしまいました。しまった…(汗)。

 
 首の基部はキットの可動部を利用したため、少しだけ可動します。本当に少しだけですが…(汗)。

 
 写真左:頭部を取り外した状態です。首元の「VMsAWrs」のマーキングは、ちょっとしたお遊びです(笑)。
 写真右:設定画では首の正面に縦線のディテールがあるのですが、スジ彫りを入れるのが面倒くさかったので、黒いシールを細く切って貼りました。 

 
 シールドから突き出したビームサーベルのビーム射出口は、2㎜のドリルで開口した後、コトブキヤさんの丸ノズルSを埋め込みました。ドリルで穴を開ける際には、デザインナイフの刃先で穴の中心とする部分を突き、ナイフをクルクル回して小さい穴を開け、その穴を直径1㎜のドリル→1.5㎜→2㎜のドリルと、順番に広げると失敗が少ないと思います。
 シールド先端のビームガンの砲口は穴が小さいと感じたため、細い棒ヤスリで広げました。

 
 腰サイドアーマーの基部となるアーマー(分かりにくい…)は設定画と見比べるとかなり短いため、ランナータグから削り出して右の加工写真のように延長しようかと思いましたが、脚の可動を妨げてしまう恐れがあるためやめておきました。
 延長する場合は、このアーマーの取り付け方法を考えなければなりませんねぇ…。






 上記以外の部分はパチ組みです。ふくらはぎ横や腰後ろ、シールドの白い部分の色分けにはキット付属のシールを使用しました。変形用の各パーツは、今はランナーにつながったままです。「作りたくてしょうがないキット」のわりにはぞんざいな扱いですが、また機会があれば新たにキットを買ってじっくり作ろう、ということで…。 

 *「HGUCジム改」の製作記事を中断してこのキットの製作記事を始めるということに予想外の反響(?)があったため、このデルタプラスについては手短に済ませ、次回からジム改の記事を再開することにしました。「ジム改の製作記事を中断するのは、失敗隠しのためでは?」というコメントもいただきましたが、筆者は「失敗した」とは思っていませんよ(笑)。失敗したら「失敗でした」という趣旨を正直に書いているつもりですし。

 *「突然ですが相互リンクをお願いします」というコメントをときどきいただきます。 残念ながら当ブログのリンク可能な数には限りがあります。また、「突然ですが」という方は、相互リンクが完了するとすぐ音信不通になったり、ブログをやめてしまったりする場合が多いです。しばらく交流を続けてから、相互リンクについて考えるのが良いと思うのですが、いかがでしょうか?

 *「ラファエルガンダムの脊部のセラヴィーガンダムⅡのモビルスーツ形態の改造のやり方を教えてください」というコメントをいただきました。
 申し訳ありません。筆者はラファエルガンダムのキットを買っていませんので、改造の方法は思いつきません。実際に改造を行なっている方のサイトがあるかもしれませんので、まずはググってください。お願いします。
 ……ひょっとしたら、セラフィムガンダムのように、別キットでセラヴィーガンダムⅡが発売される可能性が無いとも言い切れませんよ♪

HGUCスタークジェガン(最終回)

2010年03月08日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 HGUCスタークジェガンの最終回です。かなり長い記事になりますので、前置きはこの辺で…。

 スタークジェガンの製作記事(その1)の最後に「(カトキ版ジェガンに近付ける方法として)いちばん簡単で効果的なのは設定画を見ながら立ちポーズを研究することだと思います。詳細は次回にて…」と書いておきながら、前回の記事で立ちポーズについて書くのを忘れていました(汗)。下の2枚の写真は、上腕の短縮などの改造をする前の状態です。

 写真左:とりあえず脚を肩幅に開いて「カトキ立ち」させてみたのですが、つま先が長く、足が大きく見えます。ガンダムGP-01フルバーニアンに近い印象です。
 写真右:カトキ氏による設定画を見てみると、かかとがふくらはぎ下のスラスターカバーよりも後ろに突き出ています。足首関節の可動を活かして、できるだけ足を後ろ方向にずらして配置すると、足元がスッキリした印象になると思います。
 あと、顔を少しだけ上に向けて、写真のアングルからでも首が見えるようにすると、無加工でも首を延長したかのような効果が得られます。

 
 出渕氏が描くジェガンとカトキ氏が描くジェガンは頭身バランスが異なります(前者が約7頭身、後者が約8頭身)。カトキ版にするには、できるだけ頭や顔を小さく見せたいところです。キットの頭部は意外と大きくないため、やや上向きかげんにするとある程度頭身が高く見えます。
 しかしスタークジェガンは口元に増加装甲が付くため、顔が大きく見えてしまいます。とりあえず増加装甲の下側を斜めに削って小顔化を図ったのですが、あまり効果は無いような気が…(汗)。
 
 写真ではどこをどう削ったのか分かりにくいので、図を描いてみました。


 カトキ版ジェガンはかなり脚が長いです。どうやら太もも・スネ共に長いようです。一方、スタークジェガンのキットは腰前部に追加された可動式スカートアーマーがあるため、やや脚が短く見えてしまいます。
 太ももやスネを延長する作業はたいへんです。股関節の位置を下げるとか、足首関節部で延長するという手もありますが、D型ジェガンが発売された場合に同様の工作をすることを考えると面倒くさくて…(汗:D型ジェガンはスカートアーマーが無いため、脚が短く見える心配は無さそうですが)。
 というわけで、股間ブロックの装甲を少し削って「実際には見た目よりも脚が長いのでは?」という錯覚を誘う方法を採ることにしました。
 
 股間ブロックを横から見たところです。正面装甲の下側は、元のキットでは左の写真の黄色い線で示したような形状になっているのですが、右の写真のような形状に削りました。こうすれば可動式フロントアーマーとの間にすき間ができるので、下の比較写真のように…
 
 写真左:股間正面装甲の下側がそのまま股間ブロックの底面に回り込んでいる状態(RX-78ガンダムと同様のパーツ構成)に見える
 写真右:改造後。股間ブロックの底面はやや上にあり、股間正面装甲だけが下に伸びている(Zガンダム的なパーツ構成)ように見える

 ……という効果を狙ったのですが、ほとんど効果はありませんでした(汗)。これでは単なる机上の空論です。う~ん…。

  

 気を取り直して、手首(特に握り拳)の話に移ります。
 
 キットの握り拳は最近のガンプラでよく見られる「ゆるく握った細長い握り拳」です。いわゆる「穴あきゲンコツ」ですね。ザクⅠ・スナイパーHGUCザクⅡ改、そしてHGUCギラ・ドーガなどのジオン系丸指マニピュレーターについては「深く握り込んだゲンコツ」にするための改修を行なってきましたが、連邦系角指は今まで改修したことがありませんでした。今回、初挑戦です。作業については上記ジオン系のものと同様なので、先にこれらの記事を読んでおいて下さい。

 ジオン系と違う点は、連邦系のものは指が細いため、ジオン系とまったく同じ作業を行なうと握り込んだ指の各部にすき間が大きく開いてしまう可能性があるということです。その問題を解決するため、手のひら側の指の付け根部分から指を切り離して、指付け根を斜めに削ることによって指の角度を変えることにしました。
 
 エッチングソーで指を切り離し…

 指の付け根部分を手のひらに向かって斜めに削ります。

 人差し指~小指までと親指がつながったパーツは、切り離す時にどちらの指を活かすかが悩みどころですが、今回は親指を削り落として人差し指&中指を活かすことにしました。
 
 親指を活かして人差し指と中指の2本を新造するより、親指1本の方が楽ですからねぇ。この後、人差し指~小指の部分は人差し指の先端の欠けた部分を修復し、指の角度を変えるために裏面をヤスリで削りました(どう削るかはジオン系の過去記事を参考にしてください)。

  
 ランナーから親指の先端部分を削り出して、親指を復元するのですが、ランナーの色を間違えてしまいました(汗)。スタークジェガンのキットにはグレーのランナーが2色あります。しまった…(汗)。

 整形が済んだ各パーツを接着したら、ゲンコツの完成です。
  

 それぞれの写真の左側が改造後の状態です。

 
 改造後のゲンコツを腕に取り付けた状態です。見た目は良くなったとは思いますが、ビームサーベルを持たせることはできなくなりました。劇中のスタークジェガンはビームサーベルを使うそうです。しまったぁ~!!(汗)

 連邦系マニピュレーターはジオン系に比べるとサイズがやや小さいため、作業が細かくて実に面倒くさいです。結局、実験のために右手を改造しただけで、左手はやめておくことに…。はっきり言っておすすめできません。
 しかし、最近では良いものが手に入るようになりました。コトブキヤさんの「M.S.G ハンドユニット」です。
 
 写真左:サイズや形状はいろいろありますが、1/144スケールの連邦軍モビルスーツには「ノーマルハンドA」がちょうど良いです。
 写真右:ランナーからパーツを切り取って、ゲート処理して組み立てるだけで、良い感じのゲンコツが出来上がります♪
 この「ハンドユニット」はバンダイ製キットと比べると、パーツ表面に付着している油分(製造時に金型からランナーが外れやすいようにするための油と思われます)が多いように感じます。普段ガンプラを組み立てる時、筆者はパーツ表面の油分はあまり気にしない方なのですが、このハンドユニットにはかなりの油分を感じました。パーツをランナーから切り取る前に、食器洗い用の中性洗剤と歯ブラシを使って油分を洗浄しました。
 また、バンダイ製キットほどスナップフィットの精度が高くないようで、はめ込んだパーツがよく外れます。気になる部分は接着してしまった方が良いと思います。この「ハンドユニット」はABS樹脂製ですので、瞬間接着剤を使うと良いでしょう。 

 
 写真左:「ノーマルハンドA」の握り拳をスタークジェガンに取り付けた状態。「ノーマルハンドA」には手首関節用のボールジョイントが2種類付属しています。大きい方のボールジョイントは直径約3.65ミリです。一方、HGクラスのキットに使用されている「PC-123」系ポリキャップの手首関節用のものは内径約3.5ミリです。ハンドユニットのボールに荒めの耐水ペーパーを巻き付けてクルクル回して削り、ボールの直径がポリキャップに合うように調整する必要があります。
 写真右:スタークジェガンには付属していない平手があるのもありがたいです♪ 手の甲や手のひらのディテールが異なるのを気にしなければ、そのまま使っても良いですね。手の甲がグレーのままでも、機体各部にグレーの増加装甲が装備されたスタークジェガンの場合、あまり違和感は無いと思います。


 キットの手と「ノーマルハンドA」のサイズはだいたい同じぐらいです。キットの手の甲パーツを「ノーマルハンド」に移植することも可能だと思いますが、取り付け部分を削り落としたり、サイズを微調整する必要はあります。でも、キットの手指を切り刻んで改造するよりは楽な作業だと思います。

 
 写真左:ビームライフルやバズーカをコトブキヤ製「ハンドユニット」に持たせる場合は、武器類のグリップに付いている取り付け用リブ(矢印で示した部分)を削り落とす必要があります。
 写真左:「ノーマルハンドA」にキットのビームライフルを持たせた状態。指の各パーツが外れやすいため、武器を持ち換えさせない場合は指を手のひら部分に接着してしまった方が良いと思います(持ち替えをする場合は、指パーツのはめ込み部分に瞬間接着剤をコーティングして保持力を高めると良いでしょう)。

 
 というわけでHGUCスタークジェガンの改修が終わりました。久しぶりのGM系モビルスーツだったので、楽しかったです。まだまだ完成には至っていませんが、やりたいことは全てやってしまったので、次のネタに移ろうと思います。
 次回からは「HGUCザクⅡF2型」です。「ガンダムセンチネル0079」でデザインが発表されて以来、ずっと欲しかった1/144スケールのカトキ(当時は「かとき」)版ザクです♪ キットは素晴らしい出来といううわさなので、楽しみです!

 *リンク先のツヨさんが、当ブログで紹介した連邦軍エンブレム自作や上腕の短縮にチャレンジし、見事成功されています! 自分の書いた記事を参考にして、読者さんが製作してくださるのは本当にうれしいです。自分の作業がうまくいった時よりもうれしいです。ありがとうございます。m(- -)m

 *剣時さん、でるたさん(リンク先、新しい方に貼り換えておきました)、Kさん(復活おめでとうございます!)、Angle 45さん、ヤブチカさん、コメントありがとうございます!m(- -)m

 *ガンダムさん:コメントありがとうございます! リクエストいただいた「実物大ガンダム」の写真ですが、写真集(その1)(その2)(最終回)(フランスのAEUGさんへ)の4つの記事で手持ちの写真のオイシイところを出しきってしまいました。残りの写真は暗かったり逆光だったり風景写真になってしまっていたりで、模型製作用の資料にはなりそうにありません(汗)。ご期待に添えなくて申し訳ございません。m(- -)m

HGUCスタークジェガン(その2)

2010年03月03日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 「機動戦士ガンダムUC」第1話のブルーレイ&DVD発売日が近づいてきました。第1話ではスタークジェガンが大活躍するらしいので、楽しみです♪ 劇中での扱いが良いと、キット製作のモチベーションも上がりますよねぇ! とか言いつつ、気持ちの方は次ネタのF2ザクの方に大きく動いているのですが…(汗)。

 さて、今回はスタークジェガンの上腕を短縮します。出渕氏のジェガンは上腕が長いのですが、カトキ氏が描くジェガンは上腕が短いです。キットの上腕は出渕ジェガンとしてはちょうど良い長さなのですが、カトキジェガンの場合は2~3ミリほど長いような気がします。
 HGUCジェガンの上腕パーツは一定の太さではなく、ひじ関節に近い側が少しだけ細くなるように角度が付いてます。この角度がくせもので、材木を切るようにしてノコギリでカットするわけにはいきません。また、2本の上腕の長さをそろえる必要があります。
 そこで、久しぶりに「トースカン」という道具の原理を応用した「かめっチ式パーツスライサー(今回命名しました)」の登場となりました。トースカンとは、任意の高さで対象物に水平線を描く道具です。その構造を簡略化し、手軽に任意の高さでパーツをスライスするように考案したのがパーツスライサーです。本来はパーツの外側から一定の距離でスジ彫りを入れるためのものでした。

 用意するもの。エッチングソー(エッチングノコギリ)以外は、特殊な材料はありません。

 写真の左下に写っている銀色の物体がエッチングソー。薄さ0.1ミリの精密なノコギリです。筆者はコトブキヤ製「モデリングノコ」を使用しています。
 エッチングソーの上に並んでいるのが0.5ミリ厚のプラ板です。あらかじめ適当な大きさに切っておきました。
 写真右下にあるのは両面テープです。粘着力は普通ぐらいのものが使いやすいです。
 写真の上の方にある黒い物体は、100円ショップで売っていたコレクションケース(ミニカーなどの展示用)の台座部分です。平らで滑らかな板状のものなら何でも構いませんが、金属やガラスの板が磨耗しないのでおすすめです(筆者が使用したプラスチック製の台座は、少しだけすり減ってしまいました:汗)
 写真には写っていませんが、瞬間接着剤があると便利です。

 パーツスライサーの組み立てです。 
 
 写真左:5枚の0.5ミリプラ板を瞬間接着剤で貼り合わせ、厚さ約2.5ミリのブロックを作りました。このブロックの厚みが、上腕を切り詰める長さになります。

 写真右:平らな板の上にプラ板ブロックを両面テープで貼り付け、ブロックの上にエッチングソーを両面テープで貼り付けます。エッチングソーの刃の中央部は、ブロックから1.5ミリほどはみ出すようにして貼ります。エッチングソーは非常に薄いため、余計な力が掛かると曲がってしまいます。それを防止するため、中央部の刃はブロックに近い位置で安定させておきます。
 エッチングソーの両端は、ブロックからわざと長くはみ出すようにしています。パーツを切り進めていくと、刃の長さが多めに要る場合もありますので…。
 
 これでパーツスライサーの完成です。切断できる幅(高さ)は、0.5ミリプラ板×5+エッチングソーおよび両面テープの厚み=約2.7ミリです。プラ板の組み合わせにより、切断幅を変えることが可能です。

 
 写真左:上腕のパーツの上側(肩関節に近い部分)を下にして、スライサーの刃の前に置きます。
 写真右:刃が安定している中央部を使い、パーツにスジを彫っていきます。いきなり「切る」のではなく、「スジ彫りを少しずつ深くしていく」というイメージで作業します。平らな板の上でパーツを平行に滑らせ、刃に軽く接触させます。パーツが板の上から浮き上がらないように気を付け、一定方向にスライドさせます。往復させると、ノコギリを固定している部分に余計な力が掛かり、刃がゆがんでしまったり、パーツへのスジ彫りがずれてしまったりします。


 スジ彫りが上腕の外周4面に入りました。1面だけを集中して行なわず、4つの面に対して均等に作業します。このようにして、少しずつ切り進めます。

 
 写真左:矢印を引いたところに白い線が入っています。これはパーツの内側まで切れた状態を表しています。残るはパーツの内側に付いているポリキャップ取り付け用のガイド部分です。ここまでくると切れたも同然ですが、油断は禁物です。
 写真右:エッチングソーの刃が長く突き出た部分を使って、パーツの内側のガイド部分を切っていきます。

 
 上腕のパーツがスライスできました。切断面は、ペーパー掛けで仕上げる必要がないぐらいきれいに切れています。

 
 写真左:上腕を短縮した分、中に入るポリキャップの長さが余ります。上腕にポリキャップをはめ込み、はみ出した部分を少しずつニッパーで切っていきます。
(注意:ポリキャップ全体をニッパーではさむようにして切ると、ポリキャップがつぶれてしまいます)
 写真右:この写真ぐらいまでニッパーで切ってから、あとはデザインナイフで仕上げます。
 (注意!!:デザインナイフを使う時は、ケガをしないように気をつけましょう)

 
 ポリキャップの短縮作業が完了しました。短縮前のポリキャップ(写真の左側)の穴の入り口は、昔の記事で書いたように面取りされています。そこで、短縮したポリキャップも同様になるよう、デザインナイフで削ります。


 上腕を短縮した結果、肩関節ブロックの上腕接続軸の長さが余ります。軸を2.5ミリほどニッパーで切ってから、切断面をヤスリで整えます。ポリキャップに差し込みやすくなるように、切断面の角を面取りしておくとさらに良いです。


 写真左側(右腕)が、短縮後の状態です。ひじ関節の位置が高くなったのが分かると思います。プロポーションはカトキ氏のジェガンに近付いたと思うのですが、バズーカを脇に抱えるポーズが取らせにくくなってしまったような気が…(汗)。


 *前回・前々回の記事そして過去記事にも読者の皆様からたくさんのコメントをいただきました。ありがとございます! 実は連邦軍エンブレムの削り出しは初挑戦だったんです(汗)。はじめは自分でも成功するか半信半疑だったのですが、落ち着いてじっくり丁寧に作業したらなんとか出来ました。記事を読んで「チャレンジしてみよう」という読者様がいらっしゃるのはとてもうれしいです♪ ケガに気を付けてトライしてくださいね!

 *2月27日に、超劇場版「ケロロ軍曹」エプロンさんと一緒に観てきました。同時上映の超電影版「三国伝」が目当てだったのですが、映画館に着くのが遅れてしまい、劇場に入った時には「ケロロ軍曹」のオープニングが…(汗)。ケロロは面白かったけど、残念…。
 というわけで、ケロロ&三国伝の映画は絶賛公開中です! 三国伝→ケロロの順番で上映されますよ~(映画館によって違うかも…)。

 *angle 45 さん:現在は毎日更新ではありませんが、ブログ開始当時は「何か『売り』になるモノが無いと…(燃)」と意気込んで毎日更新にしていました。熱意の源はやっぱり「ガンプラが好きだから」だと思います。{メールでの連絡ではなく、誠に勝手ながらこの場でお返事させていただきました。申し訳ございません。m(- -)m}

HGUCスタークジェガン(その1)

2010年02月21日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 今回のお題は久しぶりにGM系モビルスーツのキットです。実は筆者はジェガンのキットを組み立てるのは初めてなんです。なぜか旧キットも買ったことがありませんでした(逆にギラ・ドーガは旧キット・HGUC合わせて3回買いました。そのシワ寄せがジェガンに…:汗)。

 さて、「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」に登場するメカはカトキハジメ氏によってデザインされたものですが、「逆襲のシャア」当時に出渕裕氏がデザインしたジェガンも今回カトキ氏によって描かれています。出渕版ジェガンとカトキ版ジェガンは全身のプロポーションがかなり異なります。前者はGM系モビルスーツよりも「機動警察パトレイバー」に登場する篠原重工製2足歩行レイバーに近く(出渕先生、ごめんなさい!:汗)、後者はGM系モビルスーツの頭身を高くしたような感じです(個人的な感想です)。
 HGUCジェガンは両者の中間より出渕版寄りといった感じだと思うのですが、そのバリエーションキットであるHGUCスタークジェガンもまた、出渕版寄りのプロポーションでスターク装備が取り付けられていると筆者は感じました。キットのままでも充分格好良いのですが、他の「ガンダムUC」のモビルスーツと違和感なく並べられるように、カトキ版ジェガンに近づけるべく改修していこうと思います。完全なカトキ版を目指そうとすると大改造になります。できるだけ手間を掛けずにできる方法を模索しました。

 とりあえず出渕ジェガンとカトキジェガンの分かりやすい相違点の一つ、腰正面の連邦軍エンブレムを改修します。

 キットの連邦軍エンブレム部分のパーツです。出渕氏描くオリジナル版ジェガンの連邦軍エンブレムはV字の角度が鋭角で、赤い長方形の中央付近に付いています。
 カトキ氏のジェガンの連邦軍エンブレムは、他の連邦MSと同様の角度のV字型で、赤い長方形部分のかなり上の方に付いています。

 
 写真左:せっかく作り直すので、色塗りの手間を省くため、キットの黄色いランナーから削り出すことにしました。適当な大きさにランナーを切ります。
 写真右:片面をヤスリで削って平らにします。この作業はランナーが長い状態でやったほうが良かったです(笑)。

 
 写真左:筆者は小さいパーツを加工するときには、パーツを両面テープで作業台に固定します。しかし…
 写真右:今回は作業の手順が多く、パーツの向きを変えながら作業しなければならないため、適当な大きさに切った0.5ミリ厚プラ板に瞬間接着剤でパーツを貼り付けました。これなら利き手と反対側の手でプラ板を保持して、向きを変えながら削ることが可能です。接着剤を付ける量はごく少量です。ベッタリ接着してしまうと、せっかく削り出したエンブレムがプラ板からはがせなくなってしまいます。
 削り出しの作業にはデザインナイフを使用しますが、パーツを固定しているプラ板のサイズが大きければ作業の安全性が増すと思います。

 *注意!:デザインナイフは刃先がするどくて危険です。小・中学生の読者様はナイフの使用法をお父さん・お母さんに聞いてくださいね。 

 
 少しずつエンブレムの各面を削り出していきます。
 写真左:V字の下側の面が出来ました。大まかに削った後の仕上げは、デザインナイフを横方向に引いて、カンナ掛けの要領で削りました。
 写真右:V字の上側の面を削るべく、不要な部分を少しずつ削り取っていきます。「削る」というより「きざむ」という感じです。少しずつきざめば、ナイフを持つ手に力をあまり掛けなくても切れます。 


 筆者がエンブレムを削り出した手順を図でまとめてみました。赤い線と緑の線はナイフで切ることを表しています。色分けで手順を区別してありますが、赤い線と緑の線どちらが先でもOKです。
 1.V字の下側の辺を切り出します。
 2.下側の面が中央に向かって山形になるように、斜めに削ります。図が上手く描けませんでした(汗)。写真をよく見てください。
 3.ランナーの両端を切り落とし、エンブレムのサイズを決めます。
 4.V字の上側の2辺を切り出します。いきなり切るのは危険ですので、青や紫色の矢印で示した順番で少しずつきざんでいきます。
 5.V字の上のほうの面を削り出します。谷の部分がシャープになるように、特に注意が必要です。
 6.各面を小さく切った耐水ペーパーで仕上げれば完成です。

 
 左右対称にするのが難しかったですが、なんとか形になりました。右側の写真が実物大に近いです。

 
 キットのパーツと比べてみると…。ちょっと大きいです。これだと1/100スケール…。

 
 一度形が出来てしまったら、表面を削って小さくするのがもったいないような気がしました。エンブレムの裏面を削って小型化することにします。
 写真左:エンブレムをプラ板からはがした状態です。プラ板を軽く曲げると、エンブレムとの間にすき間が開きます。そのすき間にナイフの刃を入れ、はがします。この時、せっかく作ったエンブレムが飛んでいってしまい、危うく無くしてしまうところでした…。
 写真右:平らなところに敷いた耐水ペーパーの上でエンブレムの裏面を削ります。エンブレムを指で軽く押さえ、グリグリと動かします。V字の左右どちらか片方だけ削り過ぎてしまうことのないように、少しずつ様子をみながら、時々向きを変えて作業を行ないました。
 こういった形状のパーツは、裏面を削ると小型化すると同時に、先端部がシャープにとがってきます。ガンダムタイプMSのV字アンテナをシャープ化する場合でも、裏面を削ると失敗が少なくて済みますよ♪


 完成したエンブレムを、ベースとなる赤いパーツ(元のエンブレムは前もって削り落としておきました)に接着しました。

 
 とりあえず、エンブレムがカトキ版になりました。カトキ版ジェガンは比較的脚が長いのが特徴ですが、エンブレムを上に移動したことにより腰正面ブロックの視覚的重心も上に移動するため、脚が長く見える効果を期待できます。たぶん…(笑)。


 改修中のHGUCスタークジェガン。上腕の短縮とか小顔化とか、細かいところをいじっています。でもいちばん簡単で効果的なのは設定画を見ながら立ちポーズを研究することだと思います。詳細は次回にて…。


 *前回の記事にもたくさんの励ましのコメントをいただきました。ありがとうございます! 初めてコメントをくださった方も多くいらっしゃいましたし(まさかプロの小説家の方からもコメントをいただけるとは!)、ブログ初期からの常連の方々からもコメントをいただけたのもうれしかったです。

 パチ組さん、剣時さん、アキラさん、チョコさん、オイラもノンシンナー派さん、小太刀右京さん、ベレロフォンさん、ヤマトさん、ASAHII@さん、halさん、不知火アスカさん、れんさん、ザーコさん、コジロウさん、sugakiyaさん、鈴木勉さん(=2010-01-29 22:48:19のUnknownさんですよね?)、ふりーだむさん、HSPさん、アフロ レイさん、中尉さん、俺もオッサンさん、2010-02-18 23:21:26のUnknownさん、ラン(Ran)さん、本当にありがとうございます! お一人お一人に返答コメントを書きたいところですが、諸般の事情によりこのような形でのあいさつとさせていただきます。ごめんなさい!m(- -)m

 *ぽろたさん:ホットウィールの分解方法を教えてくださり、誠にありがとうございます! 再チャレンジしようと思ったのですが、タイヤの径が違っていることに気付き、再度断念しました。残念…。

 *ブログという形式上、過去の記事から欲しい情報を探すのは難しいと思います。時間に余裕がある時にはカテゴリー分類や過去記事の整備を行なっているのですが、それでも充分とはいえません。読者の皆様の中には不便な思いをしている方もいらっしゃることと思います。申し訳ございません。m(- -)m
 その代わりというわけではありませんが、トップページの右上の検索システムには当ブログ内での検索機能もありますので、ご利用くださいね。

 *過去記事の整備についてですが、毎日更新していた頃にネタ切れ防止のためにやむなく公開した記事(料理ネタなど)や、現在では内容が古くなってしまった部分、表記の間違いなどについては修正あるいは削除を行なっています。
 以前公開していた「老犬と一緒に」のコーナーも諸事情により削除させていただきました。コーナーにコメントをいただいた皆様、申し訳ございません。でも皆様からいただいたコメントで大いに励まされたことは忘れません。ありがとうございました!
 ランさんのワンちゃん(Qちゃん)、元気ですか?

MG Hi-ニューガンダム(その16)

2007年03月24日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 Hi-ニューガンダムの製作もほぼ終了、今日は本体以外のところをチマチマとやっていました。

 ファンネルハンガーは、ようやく接着剤とランナーパテが乾いたようなので、合わせ目を処理しました。
 そうそう、書き忘れていたのですが、先端部の半円状のノズル(?)部分は、合わせ目が中央にこないように片側のパーツにノズルの底面が寄せられています。相方になるパーツには底面の部分がはまるようにガラ空きになっているのですが、パーツを貼り合わせると底面の片側にすき間が出来ます(下図参照)。

 この部分のすき間を埋めるのには流し込みタイプの接着剤(プラスチックを溶かして接着するモノ。瞬間接着剤ではありません)を使うと楽です。すき間の部分に流し込みタイプの接着剤を少しずつ流し込むと、すき間の周りのプラスチックが溶けてすき間をふさいでくれます。一気に大量の接着剤を流し込むとパーツが溶けてしまう危険性がありますので、少し流しては乾かし、乾いた時にすき間が残っていたらまた少量流し込む、という感じにすると良いです。
 

 ようやく残り4基のフィン・ファンネルも組み上げました。ノーマルニューガンダムのフィン・ファンネルよりも簡略化されているとはいえ、全部で6基はしんどいですねぇ…。


 1/100アムロのフィギュアは非常に良く出来ています。レーザー加工技術の賜物ですねぇ! 小さいのにちゃんとアムロと分かります。スゴいです。
 丁寧に塗り分けるのはめんどくさかったので、銅像(ブロンズ像?)風の仕上げにすることにしました。まずはガンダムマーカー「ガンダムゴールド」:1に対して「ガンダムブラック」:2の分量でインクを混ぜた色(先々代トヨタ・セリカのボディー色に「ブラッキッシュ・カーキメタリック」という名前のこういう色がありました)でササッと塗りました。
 台座はコトブキヤのディテールアップパーツです。ホビージャパン誌の作例と同じモノを使っているのには後で気付きました(笑)。


 「逆襲のシャア」のアムロは、地球を滅亡の危機から救った英雄です。銅像ぐらいあっても良いと思います。ついでに「アムロ・レイ記念館」も建てられているかもしれないなぁ(当然、ニューガンダムのレプリカの足元に銅像が置かれることになるでしょうねぇ!)と思いながら、銅像の近くに置く説明文の石碑(?)も作りました。コトブキヤの角ノズルを使っています。「ガンダムゴールド」で塗り、後でマーキングシールから適当な文章を探して貼り付けることにしました。


 銅像というからには銅色にしなければなりません。そこで塗装ではない簡単な銅色の再現方法として、タミヤの「ウェザリングマスター」を使うことにしました。
 Cセットの「アカサビ」とDセットの「赤焼け」の粉をこすり付けて、余分な粉を筆で払い落とします。けっこう良い感じの銅色になってくれました。

 ちょっと金属感が減ったような気がしましたので、軽く「ガンダムゴールド」をドライブラシしてあります。写真ではちょっと赤みが出ていないので銅像っぽく見えませんが、実物はかなり「銅像」な感じです。

 「ウェザリングマスター」は工夫次第でまだまだいろんな表現法が生み出せそうですよ! それでは次回はHi-ニューガンダム最終回…と行きたいところですが、「アムロ・レイ記念館」などという大風呂敷を広げすぎて、実現できるかどうか…(汗)。