アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

カナダ合同教会の先住民族への謝罪

2012-10-19 18:24:00 | インポート
カナダ合同教会は1986年に先住民族へ謝罪を行い、さらに1998年にカナダ政府と共に関わった先住民族寄宿学校に対する謝罪を行いました。その全文が手に入ったので紹介します
(今回は1986年の分のみ)。

先住民族の人々への謝罪 
わたしたちがこの地に移住してきた時よりはるかに昔から、あなた方はこの地におられました。またあなた方は元老たちから、創造や、わたしたち皆を包む神秘についての深く、豊かな理解を受け継いでこられました。
けれども、あなた方が、あなたがたのビジョンについて分かち合おうとしても、わたし達は耳を傾けませんでした。イエス・キリストの福音を伝える熱心さのあまり、わたし達はあなた方の霊性の価値に対して心を閉ざしました。
わたし達は、西洋の習慣や文化が、キリストの福音の深さ、広さ、奥行きを指し示すものであると誤解していました。
わたしたちは、福音を受け入れる条件として、わたし達の文化を強要しました。
わたし達は、あなた方をわたし達のように変えようとし、そうすることで、あなた方の存在意義をしめす幻を壊すことに加担しました。その結果として、あなた方、そしてわたし達も、貧しくなり、わたし達の内にある創造者の似姿は歪み、ぼやけてしまいました。こうしてわたし達は、神がほんらい意図されたわたし達の姿ではなくなってしまいました。
わたし達をお赦しください。そして、我々双方の民が神に祝され、神の創造されたものが癒されるように、わたし達と共にキリストの霊の内に歩んで下さることを求めます。
1986年8月 カナダ合同教会第31回総会


謝罪は関係をつくり直すのに必要なものです。先住民族側はこれを受け取ったという返事をまだしていないそうです。この謝罪が真実なものか、まだ見ているとのこと。


さて、北大開示文書研究会主催のシンポジウム「さまよえる遺骨たち Part2 アイヌのお骨はアイヌのもとへ遺骨返還訴訟と「象徴空間」計画」(2012年9月14日開催)の報告を少しずつしていましたが、研究会のウェブページにパネルディスカションの記録がUPされましたので紹介します。
http://hmjk.world.coocan.jp/symposium/sympo2012/panel2012.html


シルバーフォックス(阿寒湖に向う途中にあるキツネ牧場の子 写真代100円置いていきました。)


間近になりましたが、明日、講演会「アボリジニー言語と日本のアイヌ語の教育」 及び 「東京アイヌ」上映会が下記のとおりに開催されます。

2012年10月20日11:00~21:00
北大・情報教育館3 階スタジオ型多目的中講義室(マルチメディアビルディング)
『教育における多様性ーオーストラリアにおける先住民族の諸言語と日本におけるアイヌ語の教育ー』
講演と、パネルディスカッション、「東京アイヌ」映画上映(19:30~21:00) 英語の講演には全て同時通訳有
どなたでも参加できます。(事前登録不要)

プログラム
11:00~12:30 Heather Bowe(Monash!University,Australia)
          「オーストラリア・アボリジニの言語‐再生と復興」
14:00~15:00 Kylie Martin(RFMC)
          「東京と北海道におけるアイヌのアイデンティティ形成とアイヌ語学習の検討」
15:00~16:00 Jeff Gayman(RFMC)
「アイヌ文化・言語復興に影響を及ぼす構造的、制度的、社会的要因についてー北海道のある町の事例を中心にー」
16:30~17:30 パネルディスカッション
         パネラー 萱野志朗(萱野茂二風谷アイヌ資料館 館長)
                太田満(旭川大学、北海道教育大学 非常勤講師)
Heather Bowe、Kylie Martin , Jeff Gayman
19:30~21:00 ドキュメンタリー映画「TOKYO アイヌ」(森谷博、2010 年、114 分)



11月1日から二週間ほど台湾を訪ねます。はじめの一週間は台湾基督長老教会原住民族委員会のみなさんと共同研究会。アイヌ民族情報センタースタッフとアイヌ民族の若手のお二人で玉山神学院や原住民教会で交流をします。後半はひとり残り、ディヴァン宣教師のブヌン民族母教会をお訪ねし、交流と礼拝メッセージ奉仕を予定しています。
たくさんの原住民族関連の学びをしてこようと願っていますが、「九族文化村」にも一日中いられそうなので、情報を集めてみました。
1986年に創立され、62ヘクタール(東京ドームが4,7なので13個分)もの敷地に建つ台湾原住民族の情報満載の施設のようです。
他の情報では、「台湾中部で最大のアミューズメント施設」、「台湾五大テーマパークの一つ」とか、「フリーホールとウオータースライダーは東洋一こわい」とか、なにやら遊園地としての楽しみもあるようです(が、残念ながらわたしはそちらには全く興味はありません)。
千々岩助太郎という人物名も出て来ました。彼は1897年に佐賀で生まれ、建築家として日本の工業学校などで教諭を勤め、1925年に台湾に渡って1947年まで教諭をするかたわら、原住民族の住居の調査や多くの写真・イラストを残したようです。これらの資料を参考に九族村の各民族の家屋が再現された、と。
九族村のウェブページには、でかでかと日本のアニメ ONE PIECEの映画「メモリアルログ」の案内が書いてありました(汗)。新千歳空港で売っているONE PIECEの北海道限定版のクリアファイルをおみやげに持って行ったら喜ばれるだろうか・・・。
http://www.nine.com.tw/


阿寒湖シアター イコロ 前回訪ねた時は
10月9日にマリモ祭に参加するべく阿寒湖へ。なんとアイヌ民族のお祭は夜からとのことで、お昼にまりも行列を見て、イコロでアイヌ民族舞踊を見学させて頂き、夜は新篠津へ。
翌日、北海教区教職講座のひとコマにアイヌ民族講演として、原田公久枝さんにおいで頂いてお話を伺いました。詳しくはクリスマスに発行する次号の機関紙ノヤに掲載します。