23日は夜に旭川で会議があったので1時間ほど早めに出てカムイコタンに寄りました。
札幌から国道12号を北上して旭川市街に入る手前にカムイコタンがあります。
アイヌ語でカムイ=神、コタン=村 の意味ですが、
善神ではなく魔神が住んでいるところと信じられていたようです。
国道に沿って石狩川が流れており、この近辺の両岸にはゴツゴツした岩の塊が多く、
さらに激流となっていて、舟を使って通ることは不可能のようです。
危険でいかにも魔神の仕業のようです。
松浦武四郎著の「石狩日誌」(万延元年刊)にも、武四郎の自筆でいかにも険しい流れであるかのような絵が書かれていますので、古くから難所とされていたことが分かります。
このゴツゴツとした岩の塊は、どうやら太平洋プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むときに形成されたものと言われています。地殻の衝突のときの強圧によって、地底奥深くあるはずの一億年前・中世代の緑色片岩や蛇紋岩が地表に搾り出されたとてもめずらしい岩石帯とのこと。貴重なところなのですね。
カムイコタンはアイヌ民族の伝説も多くあります。
また追々紹介しますが、今日は実際に今日、見てきた二つのアイヌ語地名を紹介します。
まずはカムイコタンの最初の場所
パラモイ (Para-moi 広い・湾) 知里真志保著「上川郡アイヌ語地名解」
神居大橋の上から見下ろした、広く湾になっているところ。古くは滝壺だったようで、
なんと18,3メートルもの深さがあるとのこと。
竜でも棲んでたりして・・・と帰宅後に資料を見ていたら、こんなことが書かれていました。
松本十郎の調査旅行記録である「石狩十勝両河紀行」(1876)に、
アイヌの人たちがこの湾に来たとたんに丸木舟の端をしきりに叩いたのでどうしたのかと聞くと、
ここには巨大なチョウザメか大亀が棲んでいると昔から伝えられているので危害を加えないように祈るのだ、
と言ったそうです。
う~ん わかるな~。
わたしは泳ぎが得意で、何時間でも泳いでいられる自信があるのですが、
池や海で泳ぐと水面が怖い・・・・水の中から何か出てくるのではと不安になるのです(お恥ずかしい・・・)。
シケウシ (Shike-ush-i 荷を負い・つけている・所)
パラモイの左岸。丸木舟で遡ってきたアイヌの人々は個々で舟をつなぎ、舟から上がって激流の始まるさらに上流の春志内まで、荷を背負って持っていったといわれています。
ようするに、春志内からパラモイまでの間が極めて危険な激流だったのですね。
参照:旭川市史第4巻 アイヌ語地名と伝説の岩(由良 勇著)
パラモイ 久しぶりの雨で水がにごって水面下は見えないのが残念
写真左側の岩がシケウシ
看板もありました
さて、24日の今日は朝から札幌周辺の教会を巡り、
夜は北大のアイヌ・先住民研究センター講演を聞いてきます。