アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

提訴、シンポジウム報告 その1

2012-09-15 19:33:19 | インポート
昨日の午後1時、北海道大学を相手に先祖の遺骨を盗掘された遺族三名が遺骨返還とアイヌ民族の宗教観に基づいて先祖の霊をお祭りすることを妨害され続けてきたことに対する損害賠償訴訟を札幌地裁におこしました。


裁判所に入る写真を毎日新聞がUPしていますが、裁判所の前で原告と北大開示文書研究会メンバーを含む支援者
<アイヌ民族>子孫3人、北大を提訴…収集の遺骨返還求め  毎日新聞 2012年9月15日(土)1時19分配信
http://news.nicovideo.jp/watch/nw371245

その他、WEBサイトで各新聞が記事を出しています。

「遺骨返して」北大を提訴 浦河出身のアイヌ民族3人   北海道新聞 9月15日朝刊掲載
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/404269.html

アイヌ遺骨返還求め北大を提訴   NHKニュース 9月14日 21時40分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120914/k10015038361000.html

アイヌの子孫3人、北大を提訴  京都新聞  2012年09月14日 19時30分 (共同通信)
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120914000104


その後、2時より司法記者クラブにて記者会見。代理人の市川弁護士がくわしい説明をし、訴状を読んだ上での質疑が続き、原告の中の城野口ユリさん、小川隆吉さんがお話しされました。
城野口さんは、お母様が亡くなる直前に、先祖の盗掘にあったことを知らされ、仇をとってくれと遺言されたこと、そして、小川さんは開示請求を2008年から行ってきたが北大があまりに不誠実であることを、時に涙を浮かべつつ時に声を荒くしながらカメラの向こうの皆さんに訴えました。

またたく間に40分を過ぎ、小川隆吉さんは北大医学部駐車場に建てられている「アイヌ納骨堂」へ。アイヌの仲間に協力・賛同してもらって、裁判を始めたことをカムイ(神)に報告し、助けをもとめるのだと事前に準備をしておられたのです。
しかし、北大側は当日になって、アイヌ納骨堂の使用を認めませんという通達を朝に「持参」。(「持参」というのは、封筒に切手も貼っておらず消印もなく、もちろんメール便のようなシールもない、持参して小川さんの住んでいるポストに入れたとしか考えられない。しかも、文章記載の日時は二日前だが、「持参」したのは当日朝とたいへん奇妙な手紙なのです)。

事前に北大に建物の使用を申請し、多くの方々の支援を受けて準備をしたにも関わらず、当日の朝の通達で、隆吉さんは意を決して、「2008年から開示請求をし続けてきた。北大の不誠実さで裁判をおこした。節目としてなんとしてでもカムイノミを行いたい」と述べ、アイヌ納骨堂敷地内の外の砂利にゴザをひいてカムイノミを決行されました。



カムイノミの風景

その後、午後6時15分より、かでる2・7にて、シンポジウム「さまよえる遺骨たちPart2-アイヌのお骨はアイヌのもとへ~遺骨返還訴訟と「象徴空間」計画」を開催。
約120人の参加者が発言や講演を熱い思いで聞き、活気あふれる集会を持つことが出来ました。
最後に決議文を採択し、盛りたくさんの内容を駆け足で走りきった集会でした。

シンポジウムの詳細は下記のURLをご覧下さい。
北大開示研究会 http://hmjk.world.coocan.jp/symposium2012.html

事前宣伝をしていますが、講演は東北学院大学教授であり、わたしたち北大開示文書研究会のメンバーのおひとりである榎森進さんより「遺骨は誰のものか」と題して歴史的な部分、そして、ご本人の経験されたことの中からお話しいただきました。
また、訴訟をおこした城野口さん、小川さんの発言、さらに、今回の訴状の解説を代理人弁護士の市川守弘さんにして頂きました。
パネルデスカッション(司会 殿平共同代表)には、昨年のシンポにて講演して頂いた当メンバーでもある植木哲也さん(苫小牧駒澤大学教授)を交えて、さらに、フロアーからは『アイヌ民族の先住補償問題』(2012/08/04自由学校遊発行)著者の吉田邦彦さんも質問をして頂きながら参加。
 遺骨盗掘にまつわるアイヌ民族の方の証言や、「なぜ北大は謝罪しないのか?日本人として恥ずかしい」という発言などもあり、充実した集いであり、今後もこの裁判をおぼえ、支援するぞという熱気を感じた集会でした。

取り急ぎ、簡単な報告とします。
参加者決議文や大事な訴状内容について順次、書いていきます。




昨日は札幌で泊まり、早朝から清水町で開催されているハポネタイ六人展を鑑賞すべく、道東へ向いました。山の中の笹を刈った道の中に作品が展示され、自然と融合しつつ作品が輝いていました。とても素敵な作品でしたよ。
風になびいて揺れる草花の音、落ち葉の落ちる音、鳥の鳴き声、(遠くからハポネタイのみなさんが演劇の練習をしていたようですが、その歌声や笑い声もかすかに聞こえてきました)。前日の緊張と興奮、そして疲労が吹っ飛んだ、癒しの時間でした(500キロほどの運転の疲れは続いていますが)。
展示道に入ったところで、ビッキ(かえる)が、道の真ん中で口をパクパクさせているではありませんか。
ほんとうになにかをしゃべっているようでした。作品は心の中に秘めておいて、ビッキの写真をUP!
さて、ビッキはどこでしょう。作品はいくつ写っているでしょう。



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