アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

教師用指導書「アイヌ民族:歴史と未来」

2010-07-02 11:06:31 | インポート
旭川竜谷高校郷土部顧問の本間先生からアイヌ文化振興・研究推進機構作成の教師用指導書「アイヌ民族:歴史と未来」を送って頂きました。札幌出張のついでに推進機構に寄られたとのこと。感謝です。
内容を見ると興味深いです。
小学生用の副読本の本分が見開きページの真ん中に小さめに載っていて、その周りに「指導のポイント」、「活動の流れ=指導のねらい=発問」「補足説明」などが書かれています。
たとえばいちばん最初のページ「オリエンテーション」のこども副読本には山や海、動物などの絵がアイヌ語で説明されています。指導書にはアイヌ語の日本語訳がすべて載っています(先生はわかっているんだよ~というアンチョコになっています)。そして、このことばはどこの言葉か、どんな意味かを話し合うよう促し、説明のしかたを書いています。

過去blob(2010/5/20)に前日の19日付北海道新聞の記事を引用しつつ、この指導書について触れました。
気になったので直接推進機構にお電話して色々と伺いました。
まず、全国の公立の小中学学校には教育委員会を通して2000年から各学校に2部づつ送付しているとのことです。全道の小中学校には4年生、中2の全生徒分を配布していたことは知っていましたが。
それに今回は指導書を付けたとのこと。この副読本が最初から全国に配布されていたとは知りませんでした(新聞にもそう書いてもったら良かったですね)。てっきり、道内だけかと思っていました。
各学校ではどのような取り扱われ方をしているのかの調査は必要かもしれませんね。うちの息子達は一切、使われなかったと言っていますから。

先日の自由学校“遊”の村上恵さんの講演に十勝の学校教員が聞きに来られていましたが、学校現場でどのように教えたらいいか悩んでおられることを話されていました。
教職員の研修を頻繁に行なったり、教職養成のカリキュラムの中で位置づけることも必要でしょう。また、竜谷高校のように、すでにアイヌ民族に関する学習を行なっている授業などをモデルとして全国に紹介することも、どんどんとしていったらいいでしょう。本間先生が言われたように受験問題にアイヌ関連のことを入れるというのは手っ取り早かったりして・・・。
以前にも書きましたが、2006年に改定された新学習指導要領の国語の「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」という付録表には、
「ア・伝統的な言語文化に関する事項」として、小学一,二年は「昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり、発表し合ったりすること」を指導するように書かれています。「神話・伝統」には当然、アイヌ民族のものも入れるべきですね。
歴史や道徳においても他民族国家であることを認め、多様性と共生をしっかり位置づけることも必要ですね(過去blog09/4/16参照)。

推進機構のHPには、アイヌ語ラジオ講座テープ貸し出しをはじめ、講師派遣やアイヌ文化普及啓発DVDの貸し出しなども紹介していますから、上手に利用したらいいと思います。わたしはセミナーに参加したり、セミナー記録をダウンロードして調べたりさせていただいています。
http://www.frpac.or.jp/

来週から台湾の原住民族の神学校である玉山神学院から2名の実習生が札幌に来られます。アミス民族とセジャク民族、それに通訳のディヴァンさん(ブヌン民族)と一緒に、まずは基督教独立学園の修学旅行生と旭川川村カ子トアイヌ記念館で学習し、夜は交流の時を持ちます。
その後、二風谷に行ったり、道北センターに行ったりと交流と学習を行います。




飽きずに毎日来ているこども達も名簿上では45名を越えました。入れ替わり立ち代り12~15名ほどが来て遊んでいきます。午後5時半までの90分ほどですが、毎日、楽しいです。
このところ気になるのですが、遊びなのに慎重になって最初に輪に加わらない子が必ず数名います。しばらく様子を見てから加わるのですが、失敗を恐れているのでしょうか。
こどもはかわいいなといつも思います。


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