アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

「アイヌ新時代~若者たちと語り合う、民族の現在と未来~」第三回 

2010-07-27 11:52:46 | インポート
23日(金)に「アイヌ民族教育共同研究会」主催の「アイヌ民族学校設立の展望と課題」(討論会)に参加してきました。
同研究会は「アイヌ民族教育に関する総合的な研究」をテーマに共同研究を3年前から始め、今年には学術振興会より研究援助を得て、本格的に「アイヌ民族学校・アイヌ民族大学の設立を含むアイヌ民族教育システムの構築を目指す」(紹介文より)とのこと。

はじめに少数民族懇談会会長の清水裕二さんの発題があり、続いて、豊岡正則(作曲家)さん、萱野志朗(萱野茂二風谷アイヌ資料館・館長)さん、川村シンリツ・エオリパック・アイヌ(川村カ子トアイヌ記念館館長)さん、楢木貴美子(北海道アイヌ協会札幌支部事務次長)さんらの発題、パネルディスカッションを行いました。
北大のクーラー設備のない小さな会場だったこともありますが、熱の入った参加者が50名ほど集まり、会場内はたいへん暑かったです。
内容をくわしく報告したいところですが、いろいろと考えさせられることがあって、うまくまとまりません。印象に残ったことをそのままUPします。

発題の中には、「アイヌ民族大学」、「アイヌ民族学校」の設立に向けて進んで行こうという話があり、その展望と問題点が出されました。はじめは通信教育からでもいいのだ、と清水さんが言われていました。
次いで、国の認可を受けなくとも「市民大学」があるように、まずは自称大学を作って実際に動き始めるのがいいと萱野さん。
そのような具体的な「大学」設立方向に対して、豊岡さんは、まずは環境整備が大切だろうと話されました。そして、ご自身の家庭内ではアイヌ語のみで会話するよう努めている話や、受け継いできた技術を後の人たちに伝承しておられることを例に、日常でアイヌプリを取り戻すという環境整備の必要性を言われていました。
日常会話でアイヌ語を使ってアイヌ語ならではのコミニケーションを行い、囲炉裏を囲んでエカシやフチからアイヌ語で物語を聞き、自然の中で狩猟や採取といった生活の技術を伝授してきたアイヌ民族。これらの環境を整えることは大切なことと思います。そのためには土地の返還、狩猟・採取の自由など諸権利と密接な関連がありますね。

フロアーのアイヌ協会の方からは、現在、政府によってすすめられている「民族共生の象徴となる空間」構想には、アイヌ民族の小学校から大学まで考えられているとの発言がありました。
その作業部会の議事録を確認しましたが、5回までは簡単な議事次第がUPされていますが、議事録は「概要」のみ、しかも、第2回分しかまだUPされていない始末。これでは何を話されているのか分かりません。
アイヌ政策推進会議⇒ http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/kaisai.html

経済的な余裕も必要であることや、公教育でのアイヌ民族への理解を深めていく努力、差別をなくする努力に関しても話が出ました。



海水浴シーズンとなりました。明日から1泊で士別教会のこども達がキャンプに来られます。


24日のTVH午後7時から訪ソした土曜スペシャル「大自然の鼓動を聴け!」の中で、知床も出ていましたが、そこに、な、なんと、知床アイヌ民族エコ・ツアーの早坂さんがチラ出していたのをチェックしました~。
早坂さんには昨年のエコ・ツアーでお世話になりました.NHK教育「モリゾー・キッコロ森へいこう夏スペシャル「知っとこ!知床!世界遺産」(09/7/19放送)にも出演されています。

26日(月)の昨日はアイヌ民族委員会、アイヌ民族情報センタースタッフ合同会議を札幌で行ないました。
主な内容としては、今年の秋のアイヌ民族フィールド・ワークの計画をはじめました。日程は10月4日の夕方から5日午後。ちょうど完成予定の知里幸恵記念館や白老ポロト・コタンを訪ねようと準備中です。

今日は、これからさっぽろ自由学校「遊」の講座「アイヌ新時代~若者たちと語り合う、民族の現在と未来~」第三回 「アイヌ文化との出会いと私」を聞きに行ってきます。
今日のゲストは川村このみさん(1987年生。旭川生まれ、札幌で育つ)、木村君由美さん(1987年生。弟子屈町で育つ)のお二人。最近までアイヌに関わりなく生活してきたという川村さんと、弟子屈出身で幼い頃からアイヌ文化に親しんできた木村さん。おふたりとも、現在、アイヌ文化の担い手を目指し白老で研修中とのこと。お話を楽しみにしています。


富良野ニングルの住みか


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