アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

アイヌは日本の先住民族!

2008-06-12 07:11:14 | インポート
帰ってきました。先週の後半からの活動報告をします。
6日金曜日に知里幸恵さんの記念会に参加しました。
長旅の準備で少々遅刻しましたが今年も港敦子さん、よかったですね~
幸恵さんの「アイヌ神謡集」の中のユーカラを歌い聞かせてくれました。
彼女の独特な節回しといい、日本語訳を語りの途中に入れる技法(?)といい、
見事です。今回も長い物語ふたつを暗記して歌ってくださいました。
遅刻せずにぜんぶ録音できたらよかったです・・・残念でした。

午後はそのまま札幌を経由して、苫小牧港から仙台、そして山形県小国へ。

そこからは別モードでメディアも目を通す時間がなく過してしまい・・・・
な、なんて重要な時に山ごもりしていたのだろうと、悔やまれる6月6日を過してしまいました。

6日に衆参両会議にてアイヌを先住民族と認める決議がされましたね。
報道によると、全会派満場一致で決議。
さらに、その国会決議を受け、政府は同日、アイヌ民族について「先住民族であるとの認識」を明記した官房長官談話を発表(G8で首相が「声明」を出すという話もあったかと思うのですが、官房長官談話となったのですね)。
それによると、具体的な認定手続きへ向けて「有識者懇談会」を設置することも表明。
先住民族と認定する対象者の範囲、先住権として保障する内容など検討されるもよう。
早急に、且つ誠実に作業をすすめていってほしいです。
懇談会のメンバーに当然、アイヌ民族が入ると思っていましたが、町村長官は「必要な時にご意見をいただく」とオブザーバー参加にとどめる考えを示したとのこと。
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20080607hog00m010004000c.html
当事者が入らないという大変おかしなことです。「有識者」に誰が入り、その検討がどうなされるのか注視したいと思います。


今まで、政府はアイヌを先住民族と認めず、アイヌの声を無視してきました。
どの博物館や関連図書、諸文書を見ても、あえて「アイヌの人びと」と書き、「アイヌ民族」と明記することをしてきませんでした(それは見事なほどだった)。
そのような過ちを早急に訂正することを望みますし、何よりも謝罪をするべきだと思います。
今回、あれだけ報道されたにも関わらず、謝罪に関することに触れた文章は以下だけ!

町村長官は、決議文で多数のアイヌの人々が「我が国が近代化する過程において、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされた」とした部分について「政府として改めてこれを厳粛に受け止めたい」と語った。
asahi.com 2008年6月6日13時27分
http://www.asahi.com/politics/update/0606/TKY200806060110.html


謝罪を!
懇談会にもアイヌ民族を!


北海道大学アイヌ・先住民研究センター長の常本照樹さんが、インタビューの中で、アイヌ自身の声を聞くべきことを前提にしつつ、アイヌ民族側の「交渉に責任を持てる全国的体制も必要」と指摘されていました。
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20080607ddlk01010283000c.html
アイヌ民族の団体は「北海道ウタリ協会」だけではありません。ウタリ協会とは別組織の団体、またウタリ協会に入れない道外にもいくつかの団体があります。それらのことを言っておられるのでしょう。
ふと、アオテアロア(NZ)のマオリの、権利回復の話を思い出しました。149年闘い続け、マオリは権利回復を勝ち取りましたが、政府との交渉を行なうにあたり、マオリ自身の体制を整えるのに30年かかったと(民族として蔑まれ、あるいは無視され、さらに分断されられてきた先住民族の歴史の傷みの部分だと思います)。

「先住民族アイヌ」と政府が認めた今、具体的な権利回復のために、わたしたちの出来ることは何かを模索し、行動へと向いたいと願います。




山形から北上し、青森の三内丸山遺跡に寄り(よかったです)、函館の教会を訪ねてセンター活動の協力をお願いし、帰宅しました。
今日は「先住民族サミット」の事務局会で札幌泊です。


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