アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

旭川冬まつりからアイヌ古式舞踊がなくなったなんて

2011-02-11 11:33:03 | インポート
2月8日より開催された第52回旭川冬まつり。
まつりは会場も複数で多くのイヴェントが行われ、環境客を含む多くの人たちでにぎわいます。
恒例のこととしてわたしも楽しみにしていたイヴェントを今回も観たいと探すべくインターネットで調べました。
勿論、旭川チカップニ・アイヌ民族文化保存会の「アイヌ古式舞踊」。

毎年、楽しみ行っているのですが、実は、昨年は会場を間違えて、少々遅れてしまったのです(2010/2/12 blog)。
そのため、今回こそは、と調べたところ・・・どこを探してもない!
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/kankou/awf/

どうしてかを川村カ子トアイヌ記念館の川村館長に伺いに行きました。
市は「業者に任せているから」とのことらしく、市からは何の連絡もはいらなかったそうです。
半世紀にわたって定着していたものを一方的にやめてしまうとは驚きです。

しかも、この祭そのものが1947(昭和22)年にアイヌの祭り「イヨマンテ」の開催が始まりだったはず。
道外からも多くが観に来るお祭りですから必要だと思います。

このブログにも何度か書きましたが、故三浦綾子さんが小説「氷点」で冬まつりを観に行く下りがあり、長年、スクリーンにもこのカットはアイヌ民族の直々の出演をして頂いている場面なのです。
たとえば、1966年の映画「氷点」(若尾文子・船越英二出演)にカ子トさんが、現館長も2001年のドラマ「氷点2001」(浅野ゆう子・末永遙出演)に出演。
現館長の時はまつりの時期ではなかったためにわざわざまつりの舞台をセットして撮影したそうです。



今年の札幌雪祭の雪像です。

ニュースでは中国や台湾からのお客さんが旧正月と重なったために数十パーセント増とのこと。
札幌の雪祭りにも最初の頃はまだ札幌には保存会が出来ていなかったため、旭川の皆さんが踊りに出向いていたことも伺いました。いつの頃から出番がなくなったのでしょう。6月のヨサコイでは踊っておられるようですが。

アイヌ民族に対する新たな施策の確立に向けた取り組みが行われている中、アイヌ民族への理解を広めるためにもこのようなイヴェントを大切にしていくことを望みます。