アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

遊講座 「アイヌ文化との出会いと私」

2010-07-31 10:24:48 | インポート
27日(火)は、さっぽろ自由学校「遊」の講座「アイヌ新時代~若者たちと語り合う、民族の現在と未来~」第三回 「アイヌ文化との出会いと私」を聞きに行ってきました。

ゲストは川村このみさんと木村君由美さん。おふたりとも「伝承者育成事業」の研修生。
伝承者育成(担い手育成)事業とは、文化庁の管轄で財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構が行っている伝統的生活空間(イオル)の再生事業のひとつ。
実際には推進機構が白老のアイヌ民族博物館に委託し、「アイヌ民族、文化に関する総合的な知識、教養を身につけるとともに、熟練された伝承者から指導を受け技術等を伝承する人材を育成」することを目的として二年前の2008年に始まった事業(白老町のイオル事業概要に記載)。
全国から公募して15名の申し込みの中から8名が選ばれ、三年を一期としてアイヌの衣・食・住・工芸・儀礼・言語・芸能などを研修されていますが、お二人とも覚えることがありすぎて大変とのこと。一生懸命さが伝わってきました。

「先住民族の10年News」の第155号に川村さん、第156号に木村さんがそれぞれ自己紹介を書かれています。今回の話はその内容をさらに深く広く、ご自身のことをお話くださいました。

木村さんは母方のおばあちゃんが阿寒でアイヌ民族の踊りをされており、友達にも自慢していたほど大好きなおばあちゃんだったそうです。ハワイの先住民族との交流の際、引率者にアイヌの踊りを踊れなかったことをひどく批判されて、なにくそと踊りや歌を覚えることに火がつき出したとのこと。

川村さんは、同じハワイの先住民族交流で一緒に参加した阿寒出身の同じ年の女の子と出会い、人生が変わった、と。その彼女は踊りも歌も上手でアイヌとして生き、差別も受けてきた。それでもアイヌの歌を鼻歌で歌うほど好きだったそう。
彼女との出会いでアイヌであることをカムアウトし、再度、先住民族交流で台湾へ。刺激を受けて帰った後、もっともっとアイヌに携わりたいと伝承者育成事業に応募されたそうです。

この学びもあと一年となり、さらに詰め込むことが多いそうですが、お二人とも燃えていました。
学びが終了したあと、アイヌ民族関連の仕事に就いたり、出身地の博物館や記念館などで就職できたらいいですね。推進機構や文化庁が仕事先の斡旋をしてくれたらいいですよね。残りの一年で考えてくれたらいいと思います。アイヌ文化振興・研究推進機構に電話で尋ねたところ、当財団のアドバイザー登録は考えているとのこと。この一期生が終了後の就職先のあるなしと、第二期以降の申込者の増減は関係するでしょうね。お二人とも他にアルバイトしなければならないとのこと。予算面でももう少し余裕がほしいですね。

お二人とも「ニカオップ」のメンバーとのこと。アイヌ語で木の実を意味するこのグループは、白老のポロト・コタンのフェスティバルで研修生達で何かをしようと声をかけ、16人ほどが賛同して出来たアイヌ舞踊グループ。踊りも歌も今ではどこの地域でも踊られていないもの、いわば幻の歌と踊りを古い映像資料などから掘り起して研究し、そのままを復元してやっているそうです。現在は、二十数曲でき、さまざまイヴェントで披露されています。
先月19日の第三十一回樺太移住受難者墓前祭で、わたしもみせて頂きました。けっこう、わたしもいろいろな場所で歌や踊りを見聞きさせて頂いていますが、今まで聞いたことのないものでした。いま思えば、確かに川村さん(ニカオップの代表)がリードしていたような・・・。

燃えているお二人が今後もいきいき学び伝承活動をされて輝きますように祈ります。そのことによって、その輝きが、さらに多くのアイヌ民族の若者を照らしてアイヌとしての自信を取り戻し、誇りをもって生きて行くものとなっていきますように。



28日から士別教会のこどもたちが留萌にて一泊キャンプ。あいにくの雨模様の中、かろうじて28日はゴールデン・ビーチで泳ぐことが出来ました。しかし、海水の冷たさで2時間もしないうちに終了!
ちょうどいい時間に教会に着いて、ゲーム大会。そのうちに近所のこどもたちが集まりだして、合同遊び大会。留萌での定番の超ハードなハンカチ落としやウインク・キラーは大うけ。同じく士別が持って来たハンカチ落としならず“人間落とし”は衝撃的でした。さっそく、今日に近所のこどもたちとやりました。超超ハードな遊びにみんな混乱してブーイング。夏休みの刺激は成長を促しますな。


士別教会のトーン・チャイム演奏に留萌のこども達も加わらせて頂きました。士別のこども達がやさしく教えてくれました。いい思い出となったことと思います。感謝。