7日(月)は、さっぽろ自由学校「遊」の連続講演「「先住民族の権利に関する国連宣言」を読むⅡ」第三回講座が開催され、行って来ました。
台湾基督長老教会宣教師のディヴァン・スクルマンさんの台湾原住民族の権利回復運動やその成果についての話しで、大変、興味深く聞く事が出来ました。ご本人曰く、先月に帰国した際、関連する何冊もの本を購入して勉強されたとのこと。分かりやすく重要な部分を聞く事が出来ました。これをベースに全国で講演に行けるねと話しています。
台湾での原住民族の権利回復運動はキリスト教会の役割が大変おおきく、学ばされることが多くあります。彼女の話も教会関係で是非とも聞いてほしいです。講演依頼は当センターでも受け付けていますのでご連絡ください。
台湾の総人口は現在2300万人。その内の2.1%にあたる49万人が原住民族。今日、台湾政府が承認した「法定」原住民族は14民族。アミ、タイヤル、パイワン、ブヌン、プユマ、ルカイ、ツォウ、サイシャット、タウ(またはヤミ)、棹、カバラン、タロコ、サキザヤ、セディック。このセディックの認証が最新で08年4月。
各民族はそれぞれ独自の言語、文化、風俗、社会シツテムをもっており、継承を続けています。
この度のお話でいちばん印象にのこっているのが「呉鳳神話」廃棄運動。
日本の植民統治政策が原住民族を帰順させるためにでっち上げた(1910年)この物語を国民党政府も利用し(1940年)、台湾の小学校の教科書に載せたとのこと。そのことによって原住民族のイメージと文化が歪曲され、原住民族の尊厳を著しく傷つけたとし、廃棄運動が行なわれます。
「呉鳳神話」とは、どんな内容かというと、
呉鳳は嘉義阿里山で通事(漢民族とツォウ族の問を取り持つ専門的な仕事)をしていました。呉鳳は原住民に対して心優しく、人望が厚く、深い信頼を得ていました。原住民族 には首狩りをして神様に御祭りする風習がありました。呉鳳はこの悪い習慣を止めさせようと苦心していましたが、うまくいきませんでした。失望のあまり、呉鳳は原住民に明日の正午に赤い帽子をかぶり、 赤い服を着た人が白馬に乗って通るはずだから、その首を狩るようにと言いました。そしてツォウ族の人がその通りに首を狩って顔を見ると、何と自分たちが平素もっともも敬愛している呉鳳でした。呉鳳が自分の生命を投げ打って、原住民族の首狩りという悪習を戒めたことに感動した阿里山の原住民は、その後首狩りという風習を止め、呉鳳を神様として祭った、というもの。
「呉鳳神話」(ウーフォン神話)は台湾の誰もが知るようになりました。この物語によって原住民族は野蛮で遅れている人々で教化が必要だという印象を植え付けたのです。
ディヴァンさんは、この神話について、関連書が指摘した6つの問題点を紹介されました。
①呉鳳は神話にあるような情け深く誠実な人物ではなく、強情で競争心の強い、なかなか妥協しない小人物であった。
②呉鳳はツォウ族から敬愛されてはおらず、彼はあやまって殺されたわけではなく、殺意を抱かれて殺された。
③呉鳳は生前、紙の金にツォウ族の人物の名前を書いて燃やしていた。つまり、ツォウ族を仇敵を打とうとした。その返り討ちとして殺された。
④阿里山の市民は呉鳳の死に感銘を受けて首狩りをやめたのではない。同じ時期に伝染病がはやり、呉鳳の呪いと考え、それ以降、首狩をやめたにすぎない。
⑤原住民族が呉鳳のために神社を建立するなどありえない。そもそも先住民族には神社を建てるという観念ははじめからないし、財力もない。
⑥呉鳳の示した「赤い衣装」は、そもそもツォウ民族の衣装であり、彼らは決して仲間を襲うことはない。
「呉鳳神話」は、ディヴァンさんを含めた多くの原住民族のこども達にぬぐいさることができない影を落とした、と。野蛮で恩義知らずという観念を植え付け、さらに差別を助長させるものだった、と。
廃棄運動により、1988年に台湾政府は教科書から除くことを宣言したようです。
原住民族の権利回復運動は、原住民族の伝統的生活領域を取り戻すべく行なわれている「土地返還運動」、中国名で付けられる名前から正しい民族名を取り戻す「正名返還運動」、誘惑と脅迫によって無理やり性風俗産業に従事される原住民族の少女に対する「反娼妓運動」、国の暴力で原住民族居住区に核廃棄処理場をつくったことに抗議する「反核自己救済運動」など、多岐にわたって現在も取り組まれているとのこと。その運動で主導的に台湾基督長老教会の働きが多くあるとの刺激も与えられました。
わたしたちもならいたいと思います。
昨日(8日)は札幌から早朝に帰宅し、午前中に隣町の山奥の畑に行き、
雨の中、赤花豆の支柱立てをしました。今年こそはたわわに実ることを祈って。
収穫物はフリマなどで販売し、海外医療協力等に献金します。
隣に植えたかぼちゃは今年も熊や鹿の餌になるかも・・・。
真ん中に立っているのは、この数日、我が家に宿泊しているチャリヒロくん。ずぶ濡れになって畑仕事を手伝ってくれました。
彼は独立学園の59期生(今年卒業)で、自転車で2年かけて日本一周すると走っています。でも、札幌~留萌間は車に載せてもらったり、雨だと行動せず(留萌滞在も今日で5日目)、いったいこの先どうなることやら・・・。人懐っこくてかわいい子です。彼の旅行ブログは↓
http://charihiro.blog54.fc2.com/blog-entry-154.html
台湾基督長老教会宣教師のディヴァン・スクルマンさんの台湾原住民族の権利回復運動やその成果についての話しで、大変、興味深く聞く事が出来ました。ご本人曰く、先月に帰国した際、関連する何冊もの本を購入して勉強されたとのこと。分かりやすく重要な部分を聞く事が出来ました。これをベースに全国で講演に行けるねと話しています。
台湾での原住民族の権利回復運動はキリスト教会の役割が大変おおきく、学ばされることが多くあります。彼女の話も教会関係で是非とも聞いてほしいです。講演依頼は当センターでも受け付けていますのでご連絡ください。
台湾の総人口は現在2300万人。その内の2.1%にあたる49万人が原住民族。今日、台湾政府が承認した「法定」原住民族は14民族。アミ、タイヤル、パイワン、ブヌン、プユマ、ルカイ、ツォウ、サイシャット、タウ(またはヤミ)、棹、カバラン、タロコ、サキザヤ、セディック。このセディックの認証が最新で08年4月。
各民族はそれぞれ独自の言語、文化、風俗、社会シツテムをもっており、継承を続けています。
この度のお話でいちばん印象にのこっているのが「呉鳳神話」廃棄運動。
日本の植民統治政策が原住民族を帰順させるためにでっち上げた(1910年)この物語を国民党政府も利用し(1940年)、台湾の小学校の教科書に載せたとのこと。そのことによって原住民族のイメージと文化が歪曲され、原住民族の尊厳を著しく傷つけたとし、廃棄運動が行なわれます。
「呉鳳神話」とは、どんな内容かというと、
呉鳳は嘉義阿里山で通事(漢民族とツォウ族の問を取り持つ専門的な仕事)をしていました。呉鳳は原住民に対して心優しく、人望が厚く、深い信頼を得ていました。原住民族 には首狩りをして神様に御祭りする風習がありました。呉鳳はこの悪い習慣を止めさせようと苦心していましたが、うまくいきませんでした。失望のあまり、呉鳳は原住民に明日の正午に赤い帽子をかぶり、 赤い服を着た人が白馬に乗って通るはずだから、その首を狩るようにと言いました。そしてツォウ族の人がその通りに首を狩って顔を見ると、何と自分たちが平素もっともも敬愛している呉鳳でした。呉鳳が自分の生命を投げ打って、原住民族の首狩りという悪習を戒めたことに感動した阿里山の原住民は、その後首狩りという風習を止め、呉鳳を神様として祭った、というもの。
「呉鳳神話」(ウーフォン神話)は台湾の誰もが知るようになりました。この物語によって原住民族は野蛮で遅れている人々で教化が必要だという印象を植え付けたのです。
ディヴァンさんは、この神話について、関連書が指摘した6つの問題点を紹介されました。
①呉鳳は神話にあるような情け深く誠実な人物ではなく、強情で競争心の強い、なかなか妥協しない小人物であった。
②呉鳳はツォウ族から敬愛されてはおらず、彼はあやまって殺されたわけではなく、殺意を抱かれて殺された。
③呉鳳は生前、紙の金にツォウ族の人物の名前を書いて燃やしていた。つまり、ツォウ族を仇敵を打とうとした。その返り討ちとして殺された。
④阿里山の市民は呉鳳の死に感銘を受けて首狩りをやめたのではない。同じ時期に伝染病がはやり、呉鳳の呪いと考え、それ以降、首狩をやめたにすぎない。
⑤原住民族が呉鳳のために神社を建立するなどありえない。そもそも先住民族には神社を建てるという観念ははじめからないし、財力もない。
⑥呉鳳の示した「赤い衣装」は、そもそもツォウ民族の衣装であり、彼らは決して仲間を襲うことはない。
「呉鳳神話」は、ディヴァンさんを含めた多くの原住民族のこども達にぬぐいさることができない影を落とした、と。野蛮で恩義知らずという観念を植え付け、さらに差別を助長させるものだった、と。
廃棄運動により、1988年に台湾政府は教科書から除くことを宣言したようです。
原住民族の権利回復運動は、原住民族の伝統的生活領域を取り戻すべく行なわれている「土地返還運動」、中国名で付けられる名前から正しい民族名を取り戻す「正名返還運動」、誘惑と脅迫によって無理やり性風俗産業に従事される原住民族の少女に対する「反娼妓運動」、国の暴力で原住民族居住区に核廃棄処理場をつくったことに抗議する「反核自己救済運動」など、多岐にわたって現在も取り組まれているとのこと。その運動で主導的に台湾基督長老教会の働きが多くあるとの刺激も与えられました。
わたしたちもならいたいと思います。
昨日(8日)は札幌から早朝に帰宅し、午前中に隣町の山奥の畑に行き、
雨の中、赤花豆の支柱立てをしました。今年こそはたわわに実ることを祈って。
収穫物はフリマなどで販売し、海外医療協力等に献金します。
隣に植えたかぼちゃは今年も熊や鹿の餌になるかも・・・。
真ん中に立っているのは、この数日、我が家に宿泊しているチャリヒロくん。ずぶ濡れになって畑仕事を手伝ってくれました。
彼は独立学園の59期生(今年卒業)で、自転車で2年かけて日本一周すると走っています。でも、札幌~留萌間は車に載せてもらったり、雨だと行動せず(留萌滞在も今日で5日目)、いったいこの先どうなることやら・・・。人懐っこくてかわいい子です。彼の旅行ブログは↓
http://charihiro.blog54.fc2.com/blog-entry-154.html