アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

お知らせ

2009-07-30 17:04:44 | インポート
本日、7月30日(木)22:00~22:43
NHK総合テレビにて「タビうた」夏川りみ&秋川雅史
上富良野、美瑛、旭川を訪れ、雄大な自然に包まれて熱唱♪が放送されます。

先日、川村カ子トアイヌ記念館に寄った時に、マレウレウの皆さんがおめかししていたので、どうしたのかを伺うと、夏川りみさんが今まで来ていたとのこと(6/25 blog参照)。
今晩、放送ですね~。忘れるところでしたが、wakkaさんが教えてくださいました。感謝。


ついでに、明日の7月31日(金)は、留萌 ニューポートにて、N'DANAライブ!

出演:木村優斗、山北紀彦、三田健司
場所:ニューポート(北海道留萌市開運町1丁目5-43)
時間:OPEN 18:30  START 19:00
料金:前売 2,000円  当日 2,500円(両日共 1drink付)
(問):0164-42-0916(ニューポート)

彼らは、トンコリ奏者OKIのコンサートにセッションしていたのを以前に聞いて感動しました。
ドラムの音がいいですね。「土の上」という曲が大好きです。
せっかく留萌に来られるので行きたいのですが、時間があるだろうか・・・

そういえば、OKIとマレウレウは8月6日に東京渋谷でコンサートの後、札幌でもいつだったかコンサートを行なうと言っていたのですが、いつだろう・・・。ライジングサンってのもわたしが行くには場違いのような感じもするし(高額だし・・・)。


オビラシベ川


カナダ政府による元寄宿舎学校生徒への謝罪の経過について

2009-07-30 14:42:04 | インポート
政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京大名誉教授)の第10回目が29日に開催され、政策提言をまとめた報告書を河村建夫官房長官に提出したというニュースが流れました。わたしの前任地である姫路時代の90代の教会員の方からもニュースを見ましたよと電話を頂きました。全国的に大々的に報道されたかと思います。各新聞社も取り扱っています。
以下、色を変えて北海道新聞07/29 15:47の記事を引用します。

アイヌ政策新法を 文化復興、国に責任 有識者懇報告書
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京大名誉教授)は29日午後、首相官邸で最終となる第10回会合を開き、政策提言をまとめた報告書を河村建夫官房長官に提出した。報告を受けて政府は秋にも、後継の審議機関を設け、政策の具体化を目指す。
 報告書では「国には先住民族であるアイヌの文化の復興に配慮すべき強い責任がある」と明記。根拠となる歴史的経緯について「国の政策として近代化を進めた結果、アイヌの文化に深刻な打撃を与えた」と説明した。
 教育・生活支援や、民族共生の象徴となる教育・研究・展示施設などの提言を具体化するため、「国の姿勢と覚悟を法律で示すこと」が大きな意義を持つとして、立法措置を求めている。
 国会などへの特別議席については「憲法の規定等に抵触すると考えられる」とした。一方、ほかの政治参画の可能性は「中長期的な検討課題」とし、検討に向けアイヌ民族側に「総意をまとめる体制づくりが求められる」とした。
 「アイヌ民族の日(仮称)」を制定し、全国的に期間を集中して国民の理解を深める広報活動や行事を行うことも提言している。
 
報告書は42ページで、うち17ページを使いアイヌ民族の歴史を紹介。こうした民族の歴史や文化についての学習が教育機関で十分に実施されていない現状を指摘し、国民理解を促進するため、学習指導要領の改定を含めた対応を求めた。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/179835.html



思った通り、本文はどこも未掲載。「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」のURLにもまだUPされていません。
一般のわたしたちはいつになったらそれを読むことが出来るのでしょう。

「国の政策として近代化を進めた結果、アイヌの文化に深刻な打撃を与えた」と、国の責任を明記したこと、「国の姿勢と覚悟を法律で示すこと」が大きな意義をもつとして立法措置を求めていることが書かれているようでよかったです。
さらに、(北海道新聞07/30 07:32) では、この報告書を受けて以下のことが書かれていました。

政府は8月中にも、内閣官房にアイヌ民族政策を統括する窓口機関を設置する方針を固めた。提言の具体化に向けた動きを本格化させる。
新設する窓口機関は内閣官房アイヌ政策推進室などの職員を中心に十数人でスタート。必要に応じて増員する。現在のアイヌ民族政策は国土交通省や文部科学省など複数の省庁が所管しており、報告書も「国として政策全般を見渡せていない」として、統括窓口の設置を強く求めていた。
 同じく報告書で提言された、懇談会の後継となる新たな審議機関は、政府が秋にも発足させる方針。当面は、アイヌ民族への全国的な生活・教育支援策の前提となる道外の実態調査の方法や、民族共生の象徴となる教育・研究・展示施設整備などを審議する。審議機関は複数のアイヌ民族や有識者で構成される見込み。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/179924.html


政府が窓口機関と審議機関を設置すると名言したことが記されています。
審議機関には複数のアイヌ民族も含まれる、と。
これによって、深く広くアイヌ民族の追いやられてきた状況の調査と中長期を含む立法措置の審議が保障されることを望みます。
是非とも、「真実と和解委員会」のようなものも作り、癒しを含んだ調査をすることを希望します。



小さくもぎゃーぎゃーと威嚇をするエゾリス


25日に日帰りで静内に行き、少数民族懇談会主催の「アイヌ民族文化交流会」に参加させて頂きました。パネラーの野元弘幸さん(首都大学東京准教授)、植木哲也さん(苫小牧駒澤大学教授)、広瀬健一郎さん(鹿児島純心女子大学准教授)のお話は、どれも興味津々の内容でおひとり20分は短すぎましたね。どれも2時間聞きたかったほど。

特に、広瀬さんのお話「政府の先住民族の存在を認めるということについて~カナダ政府による元寄宿舎学校生徒への謝罪への経過について」は今後こちらでも早急に調べなおして情報をUPしたいと思います。

広瀬さんによると、カナダ政府は1991年に王立先住民族委員会を設置。当委員会の議長は共同議長としてファーストネーションズ議会全国議長のジョージ・エラスムスさんとケベック州高等裁判所判事のレネ・デュソーさん。ほか5名の委員の肩書きの中で先住民族と思われる人が2名含まれています。
委員会は5年の間、様々な調査を行ないます。その中のひとつとしてヒアリングを96箇所で172日間開催。そのうち、先住民族1623名、非先住民族444名。
また、調査報告書を300本作成し、1996年に最終勧告にいたったとのこと。
最終勧告の中には、被害を受けた個人だけではなく、そのこどもを送り出した家族を含むコミュニティーも傷つけられたということ、それらすべてを癒す必要があることなども明記されています(1.10.1号)。

1997年には、先住民族諸団体とカナダ政府が王立先住民族委員会最終答申への対応を協議。
1998年カナダ政府が元寄宿舎学校生徒に公式謝罪を行ない、政府による先住民族政策の「誤り」を認め、「後悔の念」を表明します。そして、政策プラン『力をあわせて一カナダ先住民行動計画』を政府が発表。
その後も、動きはとまりません。2000年には、インディアン寄宿舎学校問題解決庁を設置。
2003年同庁は「インディアン寄宿舎学校問題解決国家フレームワーク」、翌年2004年には「インディアン寄宿舎学校先住民族作業コーカス」を設置。そして2006年、政府は先住民族諸国体、関係宗教団体等との間で「インディアン寄宿舎学校問題解決協定」を最終合意。2007年 10月16日、カナダ総督、連邦議会の開会に際し、「カナダ総督施政方針演説」において、カナダ首相による元寄宿舎学校生徒への謝罪と、「インディアン寄宿舎学校問題解決協定書」が定める「真実解明・和解委員会」の設置の用意がある旨、表明。
2008年6月1日、カナダ政府は「真実解明・和解委員会」を設置。
2008年 6月10目、カナダ首相、元寄宿舎学校生徒に対し、公式謝罪。

以上、広瀬さんの報告を興味深く伺い、メモしたものをわたし流に紹介させて頂きました。
カナダでは真実を追究し続け、新たなことが解明されるたびに謝罪が行なわれているのですね。日本も見習うべきだと思います。
近く、カナダ合同教会のウイットマー宣教師にこれらの報告書の実物の翻訳と紹介をお願いしようと思います。