この建物は北海道庁が農産試験所事務所として1886年に建設した、上川地方に現存する最古の建物です。
北海道内陸部開拓の拠点として上川地方が選定されたことで農業の適性を見極めるための試験所ですね。
視察などのために上川を訪れる方々のための宿泊施設にもなっていたようです。
さて上川地方開拓のために建設が始まったのが岩見沢ー旭川間の「上川道路」です。
この道路の建設のために樺戸監獄(監獄は今の刑務所)の囚人が動員されました。
そにためこの建物は1887年に樺戸監獄に移管され同忠別派出所事務所になり、
翌年にはここの一室に上川二等測候所が設置され電話も敷設されました。
1889年、忠別太駅逓第一美英舎として払い下げられ1903年の廃止に至るまで駅逓として活用されました。
岩見沢ー旭川間の駅逓である5つの『美英舎』については2か所まで、ブログに書いたことがありこれで3か所目だ。
第一美英舎 忠別太駅逓所(旭川市神居)
第二美英舎 音江法華駅逓所(深川市音江)
→ https://blog.goo.ne.jp/okui-m/e/50df49689bf312756fc7e7d40fb33261
第三美英舎 空知太駅逓所(滝川市)
→ https://blog.goo.ne.jp/okui-m/e/6e29d0aba32c520212a40aa2012ed2ac
第四美英舎 奈井江駅逓所(奈井江町)
第五美英舎 空知太駅逓所岩見沢出張所(岩見沢市)
駅逓廃止後は民間に払い下げられ一般住宅となっていましたが、
上川地方最古の建物として旭川市が文化財に指定し解体調査を実施した上で建築当初の姿に復元しました。
それほど貴重な建物なのですが、目立たねぇなぁ…。
住所は旭川市神居1条1丁目1-30、「すき家旭川神居店」の脇を奥に行ったところですがわかりにくいよ…。
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