渡邉熊四郎は1869年、大町に「洋物店 森屋商店」を開業しました。
しかし1879年の大火で焼失、翌年に現地で「金森洋物店」を新装開店し、
後に倉庫業、回漕業、書店や時計店などを営み、かなり繁盛したようです。
その名残が「金森赤レンガ倉庫」で、今では観光名所になっています。
また商いの傍ら学校、公園、病院、新聞などの公共事業にも尽力し函館の発展に大きな影響を与えました。
金森洋物店は後に森屋百貨店となり、やがて棒二森屋へと発展していきます。
棒二森屋の創業者であったのか、それは知らなかった。
だとすれば、やはりこの方は函館経済界の重鎮であったのだろう。
今でいうなら帯広の某グループのような存在なのかと思う。
明治期の函館を語る上で外すことができない存在、それが渡邉熊四郎なのでしょう。
そのルーツになった建物がここです。
大火が多かった函館において不燃家屋の建材としてレンガを使用、
1907年の大火の際には周囲が消失する中このお店のみが難を逃れたそうです。
よほどお金をかけて頑丈に造ったのだろうな。
だからこそ、今まで残っている。
中に入れば当時の商家の豪華さを知ることができます。
建築史や産業史で大切な事柄も多々あるのでしょう。
ですがここでは、渡邉熊四郎が函館に残した功績こそ称えるべき。
「渡邉熊四郎」と「金森倉庫」、「棒二森屋」の関連を解説しつつ、
社会事業家としての氏と今に続く歴史を説くべきだと思うがいかがだろうか。
*旧金森洋物店(市立函館博物館郷土資料館)
住 所:函館市末広町19-15
開館時間:10:00~16:30(11月から3月は~16:00)
入 館 料:一般100円、学生・児童・生徒50円
休 館 日:月曜、毎月最終金曜日、祝日、年末年始