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「侵襲のない」血糖値測定法を開発

2016年02月13日 14時23分17秒 | 医療情報
「侵襲のない」血糖値測定法を開発
東北大の研究グループ
HealthDay News2016年2月12日 (金)配信 一般内科疾患内分泌・代謝疾患検査に関わる問題

 採血することなく血糖値が測定できる時代が来るかもしれない-。唇の内側の粘膜に遠赤外線を照射して血糖値を測定する手法を開発したと、東北大学大学院医工学研究科の松浦祐司氏の研究グループが報告した。院内の血糖モニタリング装置や市販の血糖測定機器の開発を目指すという。詳細は「Biomedical Optics Express」2月号に掲載された。

 近年、糖尿病患者が自己管理に用いる血糖測定器は小型化が進み、簡単に操作できるよう改良されているが、頻回に行う採血は無痛ではなく、感染症リスクも伴うことから、採血せずに血糖値を測定できる非侵襲型の計測器開発へのニーズが高まっている。

 こうした患者の負担軽減を目指して、これまで多くの非侵襲な血糖測定装置の開発が試みられてきた。なかでも、近赤外線は、人体に照射するとその一部が血中のグルコースに選択的に吸収される性質があり、これを利用した測定法が数多く提唱されているが、グルコースによる近赤外線の吸収はきわめて小さく、正確な血糖の測定は困難とされてきた。

 一方の遠赤外線は波長10μm付近でグルコースに強く吸収されるため、血糖測定への応用が期待されているが、遠赤外線は皮膚の表面ですべて吸収されてしまうため、近赤外線と同様に高精度の血糖測定は難しいとされてきた。

 そこで、今回、松浦氏らは遠赤外線を照射するためのプリズムを、柔軟な中空光ファイバーの先端に取り付けた新しい装置を開発した。同氏らによると、唇に挟んで測定できるように,長さ25mm程度の長細いプリズムを中空光ファイバーの先端に配置した。このプリズムを角質のない唇の内側の粘膜に当てて遠赤外線を照射することで、血中のグルコース濃度が測定誤差20%以内で検出可能になった。なお、このプリズムでは多重反射が生じるため,感度が高くなるとしている。

 現在、研究グループは、光源や分析機器を扱う複数のメーカーと共同で開発を進め、早期の実用化を目指している。松浦氏は、実用化に向けた改良点として、「対象とする光の波長を限定し、光源や検出器を小型かつ安価なものに置き換える必要がある」と述べている。

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