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急性白血病の治療

2019年10月10日 12時57分28秒 | 医療情報
内田直之先生より

 急性白血病の治療は、化学療法が基本です。化学療法で治癒しない方には、骨髄、末梢血幹細胞、臍帯血など、造血細胞移植が必要となります。造血幹細胞移植では、抗がん剤の効果に免疫学的な効果が加わるため、抗腫瘍効果が高くなりますが、それだけ身体への負担も大きくなります。
 移植の際は、まず患者さんに大量の抗がん剤、放射線を使用し、骨髄を「空っぽ」の状態にします。その上で、血縁または非血縁ドナーの末梢血幹細胞、骨髄あるいは臍帯血を点滴で注入します。それが生着すると新しい血液が作られ、ドナーの白血球が残っている宿主の白血病細胞を攻撃してくれると考えられています。

 前処置により白血球をゼロにし、移植前日から免疫抑制剤を開始。移植後約2週間、臍帯血の場合は約3週間で再び白血球が増えてきます。白血球のない期間は感染症、生着後は急性の移植片対宿主病(GVHD)、つまりドナーの白血球がレシピエントの身体を攻撃する反応との戦いとなります。移植後3カ月以降には慢性GVHD、膠原病に似た症状が出てきます。このように、移植後の患者さんはいろいろなことを乗り越えていきます。
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