フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月22日(金) 晴れ

2013-02-23 02:38:50 | Weblog

  7時半、起床。今日はリーガロイヤルホテル内のクリニックで大腸カメラの検査を受けることになっている。1月に受けた人間ドッグで大腸の精密検査が必要と言われた。たぶん年末から具合の悪い痔のせいだろうとは思ったが、大腸カメラは20年ほど前に一度受けただけなので、年齢のことを考えると、このあたりで受けておくべきだろうと考えた。

  前日の夕食は具のないうどん。朝食は取らず、9時半にクリニックで受付をすまし、10時頃から腸内をきれいにするための液体を10分おきに200ccずつ、90分かけて2リットル飲む。この検査の経験のある妻は、この2リットルがとても辛いと言っていたが、私は全然つらくなかった。たぶんふだんから水をよく飲むせいだろう。

  検査は午後1時から始まって、30分ほどで終わった。とくに問題(ポリープや潰瘍)はなかった。やはり潜血反応は痔のせいでしょうということになった。検査中にポリープが発見された場合、その場で切除するのだが、そうすると1週間から2週間は出張や旅行の予定を入れることができなくなる(旅行先で具合が悪くなる可能性があるため)。なので3月の金沢旅行(3年ぶりである)の予定が立たなかったのだが、これで立てることができるようになった。もっとも原稿を書き上げた後でないと旅行には行けないので、とにかく原稿を一日も早く書き上げることである。

  研究室に行って、雑用を片付けてから、帰る。 

  今日、最初の食事は、蒲田に戻ってから、「そば新」で。うどんにコロッケとチクワ天をトッピング。腹ペコだったことを差し引いても、この店のうどんは美味しいと思う。汁がいいのだ。関東風と関西風の中間的な汁である。典型的な関東の汁ほど濃くなく、典型的な関西の汁ほど甘くない。私には調度いい味だ。トッピングできるものはたくさんあるが、うどんの場合は、コロッケとチクワ天が最強の組み合わせと私は思う。チクワ天の歯ごたえと汁のしみたコロッケのトロトロ感がいいのだ。

  食後のお茶は「まやんち」で。焼き菓子の盛り合わせとミルクティー(アッサムをポットで)。焼き菓子の種類は日によって違うが、今日は、ガトーショコラ、ガトーバナーヌ、柚子のパウンドケーキ、無花果のパウンドケーキ、抹茶のフィナンシェ、え~と、最後の一つ、円盤状のカリカリしたお菓子は何と言ったかな・・・覚えていない(説明してくださったカナさん、ごめんなさい)。こうやっていろいろな種類のものをちょっとずつ、つまみ食い的に食べるのは楽しい。

  今週と来週、ギャラリーではnaokoさんという方のpuutytto(プートゥットゥ)=「森の小さな女の子」の人形が展示されている。ちょうどnaokoさんご本人がいらしたので、写真に撮ってブログに載せることを許可していただいた。

puu tyttoのホームページはこちら

   家路をたどる。5時を回っても空はまだ明るい。 

  夜、『最高の離婚』第7話(録画)を観る。結夏(尾野真千子)と灯里(真木洋子)、どちらも魅力的な女性だが、結婚相手に選ぶなら(選べる立場なのかという点は不問にする)、私は断然、結夏の方を選ぶだろう。喧嘩をしても仲直りがしやすそうだから。これは結婚生活を続けていく上でとても大切なことである。

  ところで来週の『smap×smap』の「ビストロスマップ」に尾野真千子と真木洋子がゲストで出演する。これは見なくちゃ。


2月21日(木) 晴れ

2013-02-22 01:49:06 | Weblog

  8時、起床。今日は一日、原稿書きの日だ。

  昨日、Nさんからお土産にいただいた「ティンカーベル」のパン(いろいろなクリームが入っている)とスクランブルエッグ、サラダ、紅茶の朝食。

  昼食は外に食べに出る。今日は妻が自宅でワイヤー&ビーズの講習会をやっているので、居間で食事ができないのである。

  「ムッシュのんのん」で看板メニューのナポリタンを食べる。ランチタイムだとコーヒーが無料で付いてくる。

  普段であれば、散歩なり、ジムでのトレーニングへと続くところだが、なにしろ原稿を書かねばならないので、家に帰る。

  てっきりなくなったと思っていた「ヒツジ・キッチン」が健在だった。ランチ営業をやめて夕方から深夜までの営業だけにしたようである。今度、夕食を食べにこよう。

 

  深夜、一章分の原稿をメールでT氏に送る。


2月20日(水) 晴れ

2013-02-21 08:49:00 | Weblog

   8時、起床。今日は晴れている。よかった。午後から卒業生のNさんがお子さんを連れて研究室に来ることになっているのだ。昨日みたいな天気でなくてよかった。

   朝食はとらず、お昼に自宅を出る。神楽坂で途中下車して、「SKIPA」で昼食をとる。定食(鶏肉団子のカレー煮)を注文したら、いつもとは違う盛り付けで運ばれてきた。食後に紅茶とプリン。     

 

  天気がいいので、地下鉄一駅分を歩く。途中、「レリーサ」に寄って、おもてなし用にクッキーを購入。それと自分用に「大黒屋」で草団子とみたらし団子を購入。

 

   3時頃、Nさん親子がやってきた。R君が研究室にやってくるのは一年ぶり。最初の数分間は神妙な顔をしていたが、すぐにハーモニカを吹いたり、パソコンのキーボードを叩いたりと、活発に動くようになった。 

   1時間ほどして、外に出てみる。穴八幡神社の境内でしばらく遊ぶ。

   われわれ三人は傍目にはどのように見えたであろう。クイズ100人に聞きました。「大学教師と教え子とその子ども」という正解は大学の外ではめったに当るものではないだろう。一番ありそうな回答は、「父と娘と孫」であろう。二番目にありそうな回答は、「歳の離れた夫婦とその子ども」であろう。ポジティブ心理学のテキストで、コップに半分残っている水を、「もう半分しかない」と見るか「まだ半分ある」と見るかというのに似ている(似てないか・・・)。 

   少数派の回答としては、「定年間近の刑事が、逃走中の男を追いかけていて、二人はその男の妻子」というのもあるかもしれない。「奥さん、あいつが連絡をとってきたら、警察に自首するように説得してください。いまならまだ間に合います。ちゃんと罪を償って、人生をやり直せと・・・」。

   Rくんが時計好きなので、大隈講堂の時計を見にいく。時刻は間もなく4時半になろうとしていた。路上の警備が物々しい。そうだった、今日は政治経済学部の入試があるのだ。受験生が出てくると地下鉄の駅は大変混雑するので、そうなる前に帰った方がよいだろうとアドバイスをする。二人は大隈講堂の横の停留所から高田馬場行きのバスに乗った。 


大きくなったら早稲田大学においで

  二人を見送った後、一旦研究室に戻り、それから「maruharu」に寄ってホットドッグとコーヒーを注文し、駅周辺の混雑が収まるのを待ってから帰る。教え子とその子どもと3人で散歩をするというのは不思議な感覚のものである。暖かくなったらまたいらっしゃい。

   夜、左右社のT氏から原稿の進捗状況の問い合わせのメール。痔の具合が悪くて難儀をしています・・・と言い訳のメールを返す。明日は一日自宅に篭って頑張ります。


2月19日(火) 小雪

2013-02-20 09:15:06 | Weblog

  8時、起床。朝食はとらず、9時半に家を出て、大学へ。

  10時半から教授会。

  会議が終わって、昼食をとりに出る。小雪が舞っている。今日は本当に冷える。


記念会堂前

  「奈津」のなっちゃんラーメンはこんな寒い日にはうってつけだ。前回食べたときは喉の痛みを堪えながら食べたが、今日は普通の状態で食べる。やっぱり辛い(そして旨い)。汁そのものはそれほど辛くはないが、七味唐辛子がかかっているので(あらかじめかかっているのだ)、それが辛いのである。よくこんな辛いものを喉の痛いときに食べたものである。あのときは一口食べるたびに水を飲んでいた。 

  大学に戻る途中で「カフェ・ゴトー」に寄る。私にとって「カフェ・ゴトー」は社交のための場所なので、めったに一人で来ることはないのだが、今日はチーズケーキを味わいたい気分だった。

  生協の書店を覗くと平置きされている角川ソフィア文庫の表紙が目を引く。何年か前からコミックのような表紙の小説が登場してきているが、とうとう哲学の古典にまでそれが波及するようになったか。小説の場合は表紙に描かれた人物と主人公が重ねられているので、それが読者のイメージする主人公像と重なるかズレるかという問題はあるものの、一応、辻褄は合う。しかし、哲学書の場合は、表紙に描かれているいる人物は登場人物ではなく(プラトンの対話篇を除いて「登場人物」というものは存在しないだろう)、読者のイメージ像である。『君主論』は男性、『方法序説』、『自殺について』、『幸福論』は女性が描かれている。『君主論』の男性は若き企業家だろうか。『幸福論』の女性は女子高生のようである。『方法序説』の女性はなにやらミステリアスで、お金持ちの令嬢のようでもあり、水商売の方のようでもあり、占い師のようでもある。『自殺について』の女性はお昼寝の最中なのだろうか。睡眠薬とかたくさん飲んじゃったわけではないよね。私が『幸福論』を読むときは、表紙の女子高生は、私自身ではなく、読書の同伴者、この子と一緒にこの本を読むという気分になるのだろうか。「おじさん、本当の幸福について、私と一緒に考えましょうね」という感じなのだろうか。それも悪くないけれど、電車の中でカヴァーを付けずに読むことは難しそうである。     

  研究室でゼミ論集の版下の作成(最終チェック)。5時過ぎに作業を終え、理工社(早稲田通りと明治通りの交差点付近にある)に持っていく。 1週間ほどで出来上がってくる。

  理工社を出て、高田馬場の駅まで歩く途中(早稲田松竹の向かい)に「秀永」がある。数年前に閉店した早稲田の「秀永」の姉妹店(?)である。メニューも似ている(ただし値段は少し高い)。一度入ってみたかったので、今日はここで夕食を食べて帰ることにした。 

  早稲田の「秀永」でよく食べていた油淋鶏(鶏の唐揚げのネギソース掛け)を注文する。運ばれてきた油淋鶏は早稲田店のものとは違ってキャベツの千切りが唐揚げの下に敷かれていた(早稲田店ではレタスだった)。味も、料理人が違うから当然なのだが、ちょっと違う。ハーブの風味がする。中華料理ではあるが、南の方、タイ料理やベトナム料理との交流が感じられる。早稲田店の料理は、日本人向きの中華料理という感じで、油淋鶏のネギソースはもっと甘酸っぱく、もっとストレートに食欲を刺激する味だった。一番、早稲田店に近いのは味噌汁だった。油揚げの味噌汁、これは早稲田店のものと区別がつかない。おそらく料理人のDNAは同じなのだと思うが、生息する環境が高田馬場と早稲田では違っていて、それぞれに固有の適応を遂げていったのだろう。

  あの早稲田の「秀永」のご主人と女将さんはいまどうしているのだろう。高田馬場店のご主人にうかがえばわかるかもしれないが、店も混んできたので、やめておいた。

  7時、帰宅。夕食は食べて帰るとメールしておいたので、妻は私がもっと遅く帰ると思っていたようである。

  『書店員ミチルの身の上話』第7回(録画)を観る。原作の小説を読んでいるはずなのに、こんな展開だったのかと驚く。原作と同じなのだろうか、別の話になっているのだろうか、判然としない。豊増(新井浩文)はお気の毒としかいいようがない。


2月18日(月) 小雨のち曇り

2013-02-19 02:01:26 | Weblog

  8時、起床。郵便局と薬局に行く用事があったので、そのついでサンロードカマタ(昔は蒲田銀座といった)の奥にある『麦』という喫茶店でモーニングセットの朝食。

   店の前はよく通り、古風な店名とたくさんの看板が気になっていたが、入るのは今日が初めて。直接のきっかけは先日購入した『蒲田Walker』に載っていた記事である。「ジモト自慢ランキングBEST50」の第15位として紹介されていた。

  店に入ると、写真でみた通りの82歳のマダムが客と元気な声で話をしていた。店で出している野菜ジュースがいかに健康によいか、近所の常田病院がいかによい病院であるかを、熱心に語っていた。昭和31年、25歳のときに開業して、以来56年間、今日に至っている。親子二代に渡ってとかであれば珍しくないかもしれないが、一代で56年間というのはすごい。私が2歳の頃からということになる。地元の大先輩である。ちなみに開店当時のコーヒー一杯の金額は30円だった。

  会計のとき、『麦』という店名の由来を尋ねてみた。マダムは、喫茶店を始める前、日本橋の白木屋で働いていた。若い人は居酒屋のチェーン店のことかと思うであろうが、そうではなく、当時、日本を代表する百貨店であった。いまと違って、百貨店は夕方には閉まるから、そこで働いていた若い女性たちは、仕事が終わってから、銀座界隈で青春を謳歌していた。マダムはよく昭和通にあった『麦』という喫茶店に行った。老夫婦がやっていた喫茶店で、そこが店仕舞いをすることになったとき、自分が蒲田で始める予定の喫茶店にその名前を使わせてもらいたいと頼んで、譲り受けたのだという。なのでそもそもの店名の由来はわからいとのこと。その先代の『麦』は大正の頃からあったそうだから、モダンボーイやモダンガールの社交空間だったのだろう。

  私がマダムに尋ねたのは店名の由来だったが、マダムは話好きで、私はライフストーリーを聞くことにかけてはプロであるから、話はどんどん膨らんで、レジの前で20分ばかり立ち話をしただろうか。

  モーニングセットは、表の看板には500円とあったが、請求金額は650円であった。何か勘違いがあったのかもしれないが、私はおしゃべり料込みであろうと解釈して、黙って650円を支払った。少しも高いとは思わなかった。また来よう。

  帰宅して、メールをチェックすると、ゼミ一期生のSさんから「近況報告」という件名のメールが届いていた。直感的に、今度結婚することになりましたという内容であろうと思ったが、直感は半分当り、半分外れていた。「結婚することになりました」ではなく、「今月、結婚しました」という報告だった。親族だけの結婚式だったので、私を招待できなかったことが残念ですと書かれていた。お相手のことは知っていた。同じ職場の(といってもいいだろう)かなり年上の方である。もっともSさん自身が、東大の法学部を出て、しばらくしてから、学士入学で文化構想学部に入ってきた方なので、早婚というわけではない。研究室に来て報告がしたいとのことだったので、来週、来てもらうことになった。まさか相手の方も一緒ということはないよね、と念のため尋ねると、「はい、もちろん一人でうかがいますよ!」とのことだった。そうだろう、もし、彼氏同伴なんてことになったら、私は上機嫌で応対する自信はない。「教え子」の結婚という場合、それが女子学生であれば、どうしたって「娘の父親」に近似したポジションで振舞うことになるであろうから。

  年末から痔の具合がよろしくない。悪化したり、回復したりをくり返している。市販の薬でしのいできたが、昨日から痛みがあり(原稿書きに集中できない)、今日はネットで検索して、駅の近くに去年新しく出来た肛門外科のある医院に行ってみた。そこの若い医師は私と小学校が同じで、看護師さんの息子さんはいま早稲田大学を受験中とのことだった。肛門外科だけに、思わぬところで知り(尻)合いだ。

  就活真っ只中のゼミ生のMさんからメールが来て、エントリーシートに「あなたを一言で表すキャッチフレーズ」を親しい人や先生など10人から集めて書く欄があって、先生にもお願いしたいと書いてあった。いろいろな課題があるものである。Mさんは大変に気配りの利く人で、先日のゼミ4年生の送別会の幹事役も就活で忙しい中、ちゃんとやってくれた。医院の待合室であれこれ考えたキャッチフレーズの中から、ひとつを選んで、帰宅してからメールで送る。「息子のお嫁さんにしたいような」。これでいかがだろか(大喜利か)。ほどなくしてMさんから「とても嬉しいです。エントリーシートに書かせていただきます」と返信があった。

  いま就活中のゼミ生諸君、たぶん打ちのめされるような経験をしていることと思うが、君たちはいい学生だと私は思っている。エントリーシートや短時間の面接から君たちのよさをわかる人間がどのくらいいるのかは心配だが、それはシステム上いたしかたのないことで、だから、そんなことで自分を見失ってはいけない。めげずに立ち向かっていきなさい。そんなことでめげない人間であることを見せてやることです。私は、君たちが思っている以上に、君たちのことが好きだから(「モヤモヤさまぁ~ず2」で三村が大江アナに贈った言葉を拝借しました)。