フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月21日(月) 晴れ

2020-12-22 13:29:38 | Weblog

9時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の軽めの朝食。

本日の『おちょやん』。年季明けの近づいた千代の元に父親が現れた。8年ぶりの再会である。借金まみれの彼はまた娘を売って金を得ようとしている。10年一昔、100年大昔。いまとは異世界の物語である。

11時過ぎに家を出る。

東横線の学芸大学へ行く。かつて東京学芸大学があった街であるが、大学が小金井に移転した後も駅名はそのまま。お隣の都立大学も同様である。昔からこの駅名になじんでいる人には問題ないのであろうが、勘違いする人も少なくないのではなかろうか。

今日は同僚の阿比留先生とランチの約束がある。彼女はこの街が地元である。あれこれ候補の店をあげていただき、蕎麦屋「いしおか」を希望した。

阿比留先生は昨年度から専任教員になったが、文化構想学部を立ち上げたときの現代人間論系の初代の助手だった。当時のことを知っている先生は年々少なくなっているが、草創期というのはいろいろ苦労がありつつもみんな元気があった。年末には忘年会なども行っていたが、いつしかそういう慣習はなくなり、まして昨今はコロナのせいで大人数での会食はできなくなった。大藪先生の送別会も個人的に行ったし、今日の「忘年会」もそうである。あらゆることが「個人化」(個別化)している。

私は鍋焼きうどんを注文。美味しい汁である。レベルの高い店だ。

阿比留先生はたぬき蕎麦を注文した。

「あっ」と彼女が声を出した。「大久保先生、私発見してしまいました」という。何を? 「私、きつね蕎麦を注文したつもりだったんです」。それは「発見」ではなく「間違い」というべきでしょう。見ると、そもそも品書きにきつね蕎麦というものはない。だから油揚げを追加でトッピングということもできない。「でも、美味しいです」と彼女は自分を納得させるように言った。助手時代からそそっかしい人だった。

食後のコーヒーは私のお気に入りの「平均律」へ。しかし月曜・火曜は定休日だった。それで彼女の案内でいくつかのカフェを回ったが、どこも定休日か、さもなくばコロナのせいで休業中であった。

街歩きの途中で古本屋「流浪堂」に立ち寄る。ここは品揃いのしっかりした店だ。『池波正太郎の銀座日記 PartⅡ』(朝日新聞社)とスカイ・バーンとニック・ジョージ『ヘンリーの想像する力』(角川書店)を購入。

「ヒグマ・ドーナツ」という店に入る。

客は私たちだけだった。

ドーナツとコーヒーを注文する。

私はシナモンシュガー。

彼女は店内限定のマスカルポーネ(クリームチーズ)。

今年度は論系の教室会議もすべてオンラインだったので、対面で会うのはずいぶんと久しぶりである。授業のこと、論系のこと、小学2年生のお子さんのこと・・・あれこれの話題でおしゃべりをした。

どうぞよいお年を。またカフェをいたしましょう。

一旦、自宅に戻り、雑用を片付け、夕方から早稲田へ。冬至の今日は穴八幡で一陽来復のお守りをいただきにいくのが毎年の私の役割である。今年は普段よりは空いているのではないかと思うが、昼間は大変な混雑なので、いつも夕方に行くことにしている。まだ少し時間が早いので神楽坂で途中下車して「トンボロ」に寄って行くことにする。

右が「トンボロ」本館、左が分室。三男の波鈴(ハレー)さんがマスターの分室の方へ顔を出す。

先客は女性の一人客だけ。ホットチャイを注文し、鞄に入れてきた日記帳を広げる。

30分ほど滞在し、「よいお年を」の挨拶をして店を出る。

「梅花亭」にも顔を出す。ずいぶんと久しぶりだ。

大福を2つといちご摘みというお菓子を購入。「よいお年を」のご挨拶。

穴八幡へ行く。今年はいつものような露店は出ていない。

それなりの人出ではあるが、やはり例年よりは少ないような気がする。

一陽来復のお守りを4ついただき(1つ千円)。研究室へ。

机上のカレンダーは10月のままである。11月は一度も研究室に来なかったのだ。

教員ロビーのメールボックスに溜まっているであろう郵便物等を取りに行く。

「早稲田ウィークリー」のポスターに「設計図はいらない  出会って育つカフェのような人生」というキャッチコピーが書いてある。ライターでカフェ写真家の川口葉子さんが寄稿しているようである。

後で顔を出す予定の「カフェゴト―」のショーケースがちょこっと写っている。

メールボックに同僚の嶋﨑先生たちの新著『〈つながり〉の戦後史 尺別炭鉱閉山とその後のドキュメント』(青土社)が入ったいた。ありがとうございます。

生協のカタログも入っていた。書斎で仕事をする時間が増えて人間工学に基づいたチェアーがほしいと思っていたところだったのだ。けっこうな値段がする。これって研究費で落とせるのかしら。

6時半に卒業生のキョウコさん(論系ゼミ1期生)が研究室にやってくる。仕事終わりに卒業生が研究室にやってくるというのは、コロナの前はよくあることだったのだが、コロナ的日常になってからは初めてである。彼女は国会議員の秘書をしているので、毎日出勤(議員会館)しているそうだ。

彼女とは去年の12月に会って以来だから、ちょうど1年ぶりである。

久しぶりに「すぎうら」に行く。

座敷はテーブルごとに障子で仕切られて、個室風になっていた。

お通し。

海鮮サラダ。

大山鶏の唐揚げ。

ぶり大根。

出汁巻玉子。

〆は梅茶漬け(彼女はは唐辛子茶漬け)。

食後のお茶は「カフェゴト―」で。

ショーケースの中のケーキはチーズケーキが一切れだけ。最後の一切れだ。穴八幡の参拝客がどっと押し寄せたそうである。半分に切ってもらって二人でいただく。

「1年もあっていなかったのか・・・」と意外な気がしたのは、1年という時間の隔たりを少しも感じることなく打ち解けておしゃべいができたからである。彼女の人柄だろう。年末年始はいつも彼女の実家の鹿児島に帰省するのだが、今年はしないそうである。

店には閉店時間(10時)まで滞在し、マスターに「よいお年を」のご挨拶をして、店を出る。

一緒に地下鉄に乗り、彼女は飯田橋で降りた。どうぞよいお年を。

11時に帰宅し、日付の変わるタイミングで、一陽来復のお守りを所定の場所に所定の方角(巳午)に向けて貼りつける。

前回は貼ってしばらくして剥がれて落ちてしまった。それがコロナ過の原因かもしれないと個人的に責任を感じていたので、今回はしっかり貼り付ける。

風呂(柚子湯)から出て、『ジェットストリーム』をradikoで聴きながら、今日の日記とブログ。

3時、就寝。

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