8時、起床。
トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
昨夜、体調が悪く(たぶん風邪の初期症状)、明日(つまり今日)は授業を休もうかどうしようか考えた。今朝、起きた時の状況で決めることも考えたが、3限の大学院の演習は報告予定の2名が徹夜で準備をするかもしれないと考えて、昨夜のうちに休講にする旨をメールで連絡した。薬を飲んで一晩寝たら、体調はだいぶ回復しており、5限の講義はできそうだと判断した。「ティーチャーズハイ」という言葉があるかどうかは知らないが、大教室でマイクを持って喋っていると、アドレナリンの分泌がうながされるのか、体調が回復するという経験をこれまで何度もしてきたのだ。
午後、家を出る。近所の専門学校の芝生の上にムクドリを見かける。珍しい鳥ではないが、人が近づいてもすぐ逃げたりしないので、親しみがわく。小沼丹の『椋鳥日記』という作品が好きなことも影響しているかもしれない。
蒲田駅のホームから囲いが取れた建設中のホテルの姿が見えた。背の高いホテルである。あちこちでオリンピックに合わせてホテルの建設ラッシュが続いている。かつてバブルの時代はマンションの建設ラッシュだった。これからの日本は観光立国としてやっていこうとしているのだろうか。
昼食は崎陽軒のシュウマイ弁当。蒲田駅構内の弁当屋で買って行った。安定、信頼のうまさである。
4限の時間にKさんが研究室に内定がもらえた旨の報告にやってきた。これで安心して9月卒業を迎えられる。
5限は講義「日常生活の社会学」。「ティーチャーズハイ」というほどではなかったが、90分間しゃべり終えた。
教員ロビーのメールボックスに本が届いていた。筑波大学の土井隆義先生から新著『「宿命」を生きる若者たちー格差と幸福をつなぐもの』(岩波ブックレット)を頂戴した。さっそく帰りの電車の中で目を通す。現代の日本社会では経済的格差が拡大しているにもかかわらず、生活満足度はむしろ高くなっている(とくに若者の間では)。これは日本だけに固有の現象ではなく、先進諸国で広く見られ、研究者の間で「幸福のパラドクス」と呼ばれている。この問題を解明するためにいろいろな解釈が行われているのだが、本書では「宿命」観を媒介項としてこのパラドクスを解明しようとするものである。人生の物語、とりわけ幸福の物語の行方についてはゼミのテーマでもあるので、さっそくゼミでもこの本を取り上げることにしよう。
7時半、帰宅。
夕食はズッキーニの挽肉詰、サラダ、大根と油揚げの味噌汁、ご飯。
ズッキーニの挽肉詰は妻が最近TVの料理番組で仕入れた新しいレパートリーである。
デザートはメロン。
2時、就寝。