7時、起床。パンとチーズとホットミルクの朝食。
息子がここ2週間ほど空腹時にお腹が痛くなるそうで、今日、近所の内科医院で胃カメラの検査をした。人生初胃カメラで緊張していたようだが、9時半の予約で出かけていって、2時間しても戻ってこない。大学病院ではあるまいし、いくらなんでも時間がかかりすぎるだろうと、見に行ったら、看護師さんが出てきて、検査はすでに終っているのだが、麻酔が効いていて、まだ寝ているとのこと。えっ、全身麻酔で検査をしたのかとびっくりした。待合室で『週刊文春』のバックナンバーの映画評を読みながら待っていると、30分ほどして息子が検査室から出てきた。まだふわふわした感じ。検査中のことは何も覚えていないという。ほどなくして息子は診察室に呼ばれて検査結果の説明を受けた。十二指腸潰瘍とのことで、飲み薬が処方された。空腹時に腹痛ということでたぶんそうではないかと思っていたが、やはりそうであったか。痔と並んで、大学院生にはよくある病気である。薬もいいが、風呂にゆっくりつかったり、ホットトミルクを飲んだり、運動をするのもいい。
息子にはコンビニで購入した玉子粥をあてがって、私は散歩に出る。
月曜日は古本屋の店頭に『少年ジャンプ』が山と積まれる。
「鈴文」に昼食を食べに行く。ランチのとんかつ定食を注文するとき、なじみの女店員が「お久しぶり」と耳元で小声で言った。なんだかバーのホステスが常連客に言うような感じであった。去年の9月3日以来だから、半年近くになる。ごぶさたもいいところだ。目の前でご主人が肉を切り、衣をつけ、油で揚げる一連の所作は、名人の舞台を観ているようである。私も私の流儀に従って、塩とレモン汁で二切れ、醤油で一切れ、残りの半分はとんかつソースと辛子で食べた。飯粒一つ、キャベツ一切れも残さず、きれいに平らげた。ごちそうさまでした。
晴れてはいるが、風は冷たい。
久しぶりで食べる「鈴文」のとんかつはやっぱり旨い。
食後のコーヒーは、こちらも久しぶりで、「ムッシュ のんのん」で飲む。しばらく来ない間に、ランチに付くコーヒーが、以前は200円だったのが(もちろんサービス価格)、無料になっていた。ご主人に尋ねたら、「そうでもしないとね」との答えが返って来た。食事+コーヒーという感覚は私の世代には普通のものだが、若い世代は節約のためだろう、食事のみでコーヒーを注文してくれないそうだ。スパゲッティ(650円)+コーヒー(200円)=850円では割高感があるのだろう。飲み物込みで650円は薄利だが、客を失うよりはましということだろう。きびしい時代である。ブレンド単品は400円だから、考えようによっては、プラス250円でスパゲッティやピラフが食べられるということだ。これはお得だ。近所のサラリーマンの方々はぜひどうぞ。
駅前の格安チケットの店で、『ドラゴン・タトゥーの女』と『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のチケットを購入(各1300円)。どちらも医院の待合室で見た『週刊文春』の映画評で高評価だった作品。後者の原題は「EXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE』。そのままなんだ。「ものすごく・・・、ありえにほど・・・」といういい回しはなんだか真似したくなる。「ものすごく旨くて、ありえないほど安い」(「鈴文」のとんかつ)とか、「ものすごくイケメンで、ありえないほどやさしい」(結婚詐欺にご用心)とか。映画のタイトルの逆、「ものすごく静かで、ありえないほど遠い」(「静かの海」←月の)というのどうだろう。
風が冷たいので、散歩は早々に切り上げて、帰宅。春は名のみの風の寒さや。