フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

9月21日(月) 曇り

2009-09-22 01:05:26 | Weblog

  母と妻と鶯谷の菩提寺に墓参りに行く。現地で妹夫婦と甥と合流。お参りをすませ、いつもの錦華楼が休みだったので、鶯泉楼という大きな中華レストランで昼食をとる。私はカニ炒飯を注文した。量が多いのに驚いたが、味は薄味で、いまひとつだった。錦華楼の方が安くてうまい。寺の奥さんが言っていたが、錦華楼のカレーライスはとても美味しいのだそうだ。蕎麦屋のカレーライスというのはよく話題になるが、中華料理屋の美味しいカレーライスの話は初めて聞いた。B級グルメの血が騒ぐではないか。今度、トライしてみよう。


鶯谷駅

  夜、『ブザー・ビート』最終回を観る。ケータイというものが登場してから、サスペンスドラマにおける「陸の孤島」モノは作りにくくなった。ケータイで外部との連絡が簡単にとれちゃうからだ。だからいろいろな設定をしてケータイを使えないようにしなくてはならないのだが、どうしても無理矢理感がつきまとう。それと同じようなことは恋愛ドラマにもいえる。「離れ離れの二人」という状況を作りにくい。どんなに空間的に離れていてもケータイでコミュニケーションがとれてしまうからだ。最終回では莉子が軽井沢のホテルに演奏会の練習のための合宿に行っていてしばらく直輝と会えない(それに堪えて頑張る)という設定なのだが、ケータイの問題はどうするのかと思ったら、なんと莉子がケータイを解約してしまうのだ。無理矢理もいいところだ。莉子のケータイは直輝との連絡にだけ使っていたわけではあるまい。たとえば田舎の両親からの連絡はどうするのだ。しかし、ケータイを排除したおかげで、一昔前の恋愛ドラマの雰囲気がますます濃厚になった。莉子は最終回で何回全力で走ったことだろう。私の記憶する限り、恋愛ドラマのヒロインで一番走ったのは『愛していると言ってくれ』の常盤貴子であるが、今日の北川景子はそれに次ぐくらいよく走った。走るという行為はひたむきな思いを表現するのによい方法である。私が出版社に校正済みのゲラを直接出向いて届けるのもその応用である。それはそれとして、最後、代々木の体育館を貸しきっての決勝戦のシーン、バスケットカウントの後のフリースローをする直輝に向って、会場に駆けつけた莉子が「バカヤロー」と叫ぶのは、最初の二人の出会いのシーンを重ねあわせているわけだが、今回はなぜ「バカヤロー」なのかがわからない。無理矢理である。場内がシーンと静まり返るのも、ゴルフのパットの場面じゃないのだから、あんなに静まり返っているのは不自然で、これも無理矢理である。試合終了の直後に直輝が観覧席に行って莉子を抱擁しキスをするのも無理矢理である。失恋した直後の女の子は落としやすいとはよく言われることだが、宇都宮が菜月をデートに誘うのも無理矢理である。最終回だからといって、いいかげんにしろよ、バカヤロー。でも、このくらいコテコテに作ってくれると、かえって気持ちがいい。いろいろ話の種を振りまいてくれてどうもありがとう。唯一、気になるのは、廉と菜月の後輩の女子社員とはちゃんと続いているのかどうかである。その話は12月のスペシャルで・・・ってことはないよね。