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フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月12日(木) 晴れ

2009-03-13 09:47:32 | Weblog
  8時、起床。ハムトースト、紅茶の朝食。大学に行く途中、有楽町で下車。リコー銀座カメラサービスセンターにデジカメを修理に出しに行く。最近のブログの写真を見ていただけるとわかると思うが(たとえば海や空の写真)、画面中央部に薄い染みのような影ができる。たぶん床に落としたときに内部にゴミが入ったか、傷が付いたかしたのでないかと思う。一昨年の12月に購入したので、保証期間の1年は過ぎてしまっているので、有償修理になるであろうが、修理に出さないわけにはゆかない。受付の女性に不具合を説明し、彼女がカメラを奥の作業場にもっていき、少しして戻ってきた。分解掃除ですむか、部品の交換になるか、修理してみらにと分らないが、修理代(見積もり)は「7千円を越えることはない」(越えたとしても7千円以上は請求しない)と説明される。なるほど、そういう方式なのかと納得する。本日の3時以降であれば引き渡せますとのことなので、夕方、受け取りにくることにして、修理に出す。これは上限の7千円はいくなという予感がした。充電池(2千円ほど)の予備も購入するつもりなので、合計で1万円の出費を覚悟する(実際、そうなった)。
  それから大学へ。「すず金」で昼食(鰻重)をとる。肝焼き(一串)も付けてもらう。鰻重の甘いタレと肝焼きの苦味がとてもよく合う。ビールを注文する人は一緒に注文することが多く、値段は200円なのだが、数が限られているので、早めに行かないと売り切れてしまう。食事の後、製本された科研費の報告書を製本屋さんで受け取り、概要書を付けて事務所へ提出する。これで肩の荷が一つ下りた。順序としては、報告書を事務所に提出してから「すず金」で一人で祝宴というのが正しいのだが、それをやっていると肝焼きがなくなってしまいそうだったので、前祝ということにしたのだった。
  研究室で雑用。現代人間論系の科目登録ガイダンスの資料を作りながら、当日の進行を考える。最初の主任の挨拶は助教のK君と組んで「ナイツ」風にやってみようとか。

  主任「昨日、ヤホーで検索したら・・・」
  K君「ヤフーですね」
  主任「とっても面白そうな論系を見つけちゃったんですよ。現代人間論系っていうんです」
  K君「みんな知ってますよ。だから、いまここに来てるんです。」
  主任「4つの国に分かれていて、精神文化論ランド・・・」
  K君「プログラムですね。ディズニーランドじゃありませんから」
  主任「いろいろなキャラクターと会えるらしいです。白雪姫・・・」
  K君「草野先生のことですね。後で自己紹介していただきます」
  主任「ミッキー・マウス・・・」
  K君「木村先生のことですね。マウスの実験されてますから」
  主任「ドナルド・ダック・・・」
  K君「助手のアヒルさんのことですね。正しくはアビルさんですけど」
  主任「7人の小人・・・」
  K君「十把ひとからげにするのはやめてください」
  主任「3年生からゼミというのが始まるそうです」
  K君「はい、現代人間論系は11のゼミがあるんですね」
  主任「油ゼミ、熊ゼミ・・・」
  K君「そっちのゼミじゃありませんから。確かに騒がしそうですけど。でも、ちゃんと11言えるのか最後まで聞いてみたい気もしますね」
  主任「君、さっきから人が一生懸命に説明してるのに横でぺちゃくちゃうるさいな。ちょっと黙ってろよ」
  K君「そ、そんな。主任は僕のことが嫌いなんですか」
  主任「そんなわけないだろう。本当に嫌いならこうして一緒にやってないよ」
  K君「でへへ・・・って、主任、それはオードリーのネタですから」

  現代人間論系単独ライブ(科目登録ガイダンス)情報
  日時:3月24日(火) 午後1時から(新2年生) 午後2時から(新3年生)
  場所:36号館382教室
  出演:現代人間論系全スタッフ
  内容:主任あいさつ *実際は一人でやります
     科目登録上の注意点
     スタッフ自己紹介
     クラス(2年生)・ゼミ(3年生)別のガイダンス
     記念写真撮影

  帰りに飯田橋ギンレイホールでミロス・フォアマン監督『宮廷画家ゴヤは見た』を観た。宮廷画家にして社会風刺画を描くことにも情熱を注いだゴヤの眼を通して見た近代スペイン史。スケールの大きな作品だが、歴史を俯瞰するわけではなく、ゴヤ(ステラン・スカルスガルト)の2枚の肖像画(実在しない)のモデル、裕福な商人の娘イネス(ナタリー・ポートマン)と野心家の神父ロレンス(ハビエル・バルデム)の数奇な愛のゆくえを追うことで混乱する時代を描いている。ナタリー・ポートマンは、無垢で薄幸の少女イネスと彼女の一人娘で娼婦としてたくましく生きるアリシアの二役を見事に演じている。あの『レオン』の女の子が女優として立派に成長した姿に接して感無量だった。ハビエル・バルデムは『コレラの時代の愛』で見かけたばかり。スペイン映画界における役所広司みたいな俳優だ。彼の出演している作品ならば間違いないという気がする。ステラン・スカルスガルトも彼の出演している『グッドウィル・ハンティング』を最近DVDで観たばかりで、フィールズ賞受賞の数学者から宮廷画家まで、達者だなあと思う。ゴヤといえば、いま話題になっている「巨人」がスタッフロールの中で彼の作品の一つとして出てきた。観客はみんな心の中で「これはゴヤの作品じゃないんだけどな」と思ったことだろう。『宮廷画家ゴヤは見た』は2006年の作品なので、大目に見てね。

         

  夜、『ありふれた奇跡』を観る。来週は最終回。おそらくはこれで最後になるだろう山田太一の連続TVドラマの最後の一回である。万難の排してTVの前に座って観なければならぬ。