若女将の修行日記

『写真館の若女将・成長記録』のはずが、いつのまにか『若女将のおとぼけな記録』になっていました。

もう新作は出ない

2010-04-27 09:20:02 | 映画と本
エリック・シーガルさん(アメリカの作家)が亡くなったという記事を見付けました。若い頃、『クラス』という小説が大好きで、その一冊だけで、私の記憶に刻み付けられた作家でした(ただ、今回ちゃんと調べてみたら、作家というより脚本家の仕事の方が有名な感じ。『ある愛の詩』とか、ビートルズの『イエロー・サブマリン』とか)。

亡くなった記事を読んで改めてシーガルさんの別の作品を殆ど読んでいないことに気付きました。お気に入りの作家が出来ると、基本的に全作品網羅しようとする私としては珍しいこと。映画『ある愛の詩』の原作『Love Story』を読んで、「うー、ちょっと私の好みと違う~」と手放してしまった記憶が残っています。勿体無かったかな、今度改めて探してみようかな。

ファンだった対象の方が亡くなると、「あぁ、もう新作が出ない」と亡くなられた寂しさよりも、ファンとしての欲望の方が先に立ってしまいます。失礼な思考だなと思う反面、もしかしたらご本人にとっては直接知らない人間からの最高の弔意だと感じて下さるかな、と勝手に思ったりもして。

数日前に遠藤周作さんの未発表作品が見付かって一般公開するという記事を見ました。同じ頃、歌手の忌野清志郎さんが学生時代に恋人に贈った未発表曲が見付かったという記事もありました。ご本人たちはあくまでも発表しないままにした作品。ファンとしては読んでみたい・聴いてみたい垂涎の一品であったとしても、そこはそっとしておくのが仁義なんじゃないかな、と思ったりもしています。天国で「おいおいー、それは公開しないでくれよぉ」と弱りきっている狐狸庵先生が目に浮かぶような気がする……。