OBERON 日記

1999年1月25日。パソコン通信から始まった公開日記。
できれば、死ぬまで続けたい・・・(爆)。

親しい人の頭の中・・・

2012-01-17 07:41:02 | Weblog
一昨日は
福井の警察に行ってきました。
遺族聴取ていうんでしょうか
藍那の簡単な生い立ちや事故の知らせを受け取ったときの状況など聞かれました。

わたしは、途中で気分が悪くなり
しばらく退出していたので詳しくは知りませんが
たぶん、病院に駆けつれたときのことや
その後のことも、夫は色々と聞かれたのでしょう。

わたしが部屋に戻ったときには
加害者の青年への処罰についての意見を求められているところでした。

警察の方は最初に
ぶしつけなことや失礼なことを聞くかもしれないけれど許して欲しいと
そう言ってから、聴取を始められましたが・・・
きっと、遺族の心の中に溜まっているものを吐き出させてやろう
そういうスタンスなのでしょうね・・・
加害者の青年への怒りを、さかんに引き出そうとしてくださるんですが
わたしたちには、不思議なほど怒りなどはないんです・・・

彼は21歳・・・
大学でも、とても優秀だと評判の青年で・・・
だからこそ、今回のワークショップの学生スタッフにも選ばれた。
わたしも、事故以前、会って話したことがありますが
とても好感がもてる青年でした。
彼は、これからの人生を、どう生きるんだう・・・
友人を死なせてしまったという重荷を
これからずっと、背負って生きていかなければならない・・・

友人を死なせてしまったということ自体が
何よりも重い罰になっていると思います。
それ以上、どんな罰も、望んだりはしないのです・・・

けれど、まっ、この聴取というのは、なかなかキツイです。
夫は、相当に参ったのじゃないかと思います。

三時間近く続いた聴取が終わってから
わたしたちは、藍那が参加させてもらっていたワークショップの
発表展示を見るために、金沢の美術館に向いました。
受け付け時間は過ぎてしまっていたのだけれど
大学の先生も美術館のスタッフの方も待ってくださっていて
案内してくださいました・・・

しんみりとしたくなかったので
わたしは、見学に来ている子どもたちと同じように
宝探しをして楽しみました。
夫は、先生たちと、話などしていたようです・・・
きっと・・・藍那は、ここで、とっても充実した時を過ごしたんだうな。
それが実感できる時間でした。

金沢からの帰り・・・
車で、約四時間の道のり・・・
夫は、助手席から、たえず、わたしに話しかけてきます。
内容は、他愛もないものですが・・・
きっと、気持ちが落ち込まないように
あるいは、眠気や疲労におそわれないようにという気遣いだったのでしょう。

わたしは
運転さえしていれば心が落ち着くので
そんな気遣いは不要なのですが
それが分かっていても、そうせざるを得なかったのは
彼自身も、自分の気持ちを保つ必要があったのかもしれません。

その時、ふと思ったのです・・・

彼が、一つの話題を終えてから
次の、話題で話しかけてくるまで
数分、長い時で十数分の間があくのですが・・・
彼は、その間、何を考えていたんだろう・・・

さっきの話の続きを、一人で考え続けていた・・・
ずっと、新しい話題を探していて、それが見つかったから話し出した・・・
何も考えなかった・・・
まったく別のことを考えていた・・・

真横に居ても
わたしには、それが全くワカラナイナァ~

当たり前のことなんですが
そのことが不思議でもあり
面白くもありました。