たまに食べたくなるのがフランスパン。
普段は食パンしか食べないくせに、店頭で見かけると何故か急に食べたくなる。出来立てのフランスパンならば、マーガリンは論外で、絶対にバターで食べる。他はなにもいらない。外の皮がパリッと焼けていて、中が軟らかい。この感触が美味しい。
パンを食べる時は、紅茶が多いのだけど、フランスパンの時はカフェオレにしている。なお、夜だとポタージュに浸して食べることもある。少し日が経った奴は、ガーリックとバターを塗って焼いて食べるのが好き。粉チーズを振りかけて焼くことも、偶にやっている。
でも白状すると、私の食べているフランスパンは、日本のフランスパンで、フランス本国のものとは違うはずだ。フランスでは、小麦粉、塩、水、イースト菌だけで作られる。
当然、日持ちもしない。早朝焼かれたフランスパンを、人々は朝食前にパン屋に買いに行き、その日のうちに食べ切ってしまう。添加物がないので、翌日には全体が堅くなってしまい、食べにくくなっている。
以前、欧州旅行をした際に世話になった友人宅で、その話を聞いた時だ。堅くなったのならば、蒸して柔らかくすればいいのでは?と答えたら、微妙な沈黙を返されてしまった。
どうもパンを蒸すという発想自体がないらしい。気持ち悪く感じたらしい。でも、私はたまにやりますけどね。
ところで、日本で作られているフランスパンは、当然にフランス本国とは異なり、いろいろと添加物をいれている。これはある程度、仕方ないと思う。高温多湿な日本では、パンはすぐカビがつくし、バゲット一本をその日のうちに食べ切ることも普通はない。
だから本場のフランスパンに馴染んだ人は、これは違うと言ってくることがある。まァ、気持ちは分からんでもない。風味もそうだが、なにより堅さが足りないと言っている。
これはフランスに限らないらしいが、パンにはある程度堅さが必要で、噛みごたえがないと物足りなく感じるらしい。
でも私は知っている。最近は日本の柔らかいパンが、ヨーロッパでも人気。中でもメロンパンは大人気であるらしい。他にもコロッケパンや、焼きそばパンまで売られるようになったというから驚きだ。
ハワイでアボカドを使ったお寿司が生まれたように、ヨーロッパのパンも極東の地で異なる進化を遂げたのだろう。それが逆輸入されて人気が出るのだから、面白いと思います。