久々に気持ちのいい試合でしたね。
ここ数試合、勝てない試合が続いたザッケローニ・ジャパンですが、アウェイの地で強豪オランダと引き分け。親善試合であれど、アウェイの地での引き分けは、勝ちに等しい価値がある。
もちろん、ファン・ペルシーやカイト、スナイデル等を欠く一軍半のオランダではあったし、前半の多くはオランダに圧倒されていたのも事実。とりわけ日本のストロング・ポイントであるはずの左サイドの長友は、高速ドリブルのロッペンにやられっぱなし。右サイドの内田も単純なミスから失点を招くだらしなさ。
もし前半終了間際の大迫の追撃弾がなかったら、後半だって分からなかった。それでも間違いなく後半は日本が押していた。会場はオランダではなく、ベルギーのゲンク州だが、オランダから車で数十分であり事実上のホームだ。
でも勝つに決まっている日本戦に対するオランダ人の関心は薄く会場の一角で湧いていたのは、他ならぬアウェイの日本人サポーター一万人程度。だから厳密に云えば日本にとってアウェイとは言い難い。それでも遠くヨーロッパの地での試合であることに変わりはない。
その地で二点を先制されながら、日本が追い付くなんて試合は、私は初めて観た。なかでも二点目は見事な得点であった。中短距離の素早いパス交換でオランダの守備を崩し、ノートラップでの大迫のポストプレーを本田がゴール隅に叩きこむ。
日本人の俊敏さを活かした理想的なプレーであると同時に、ここしばらく影を潜めていた連動性を活かしたプレーでもあり、辛口評論でなるセルジオ越後でさえ「見事な得点シーン」だと認めざるを得ない。
この二試合の完封負けから、批難の矢面に立たされたザッケローニ監督の采配も見事であった。ほぼ不動のレギュラーといえる遠藤と川島を敢えて先発から外して、清武と山口、そして西川にチャンスを与えた。そして後半に遠藤と香川を投入して、その采配が的中した。
オランダのファン・ハール監督に「後半に入ってきた二人にやられた」と言わしめた采配だけに、ザッケローニ更迭論を見事に撥ね退けたと云ってイイと思う。
この試合で特に目を付いたのは、先制しアシストまでやってのけた大迫であり、もう一人は日本代表の激戦区の中盤に新たに名乗りを上げた山口であろう。遠藤、長谷部、細貝に対して見事に挑戦状を叩きつけたプレーは爽快であった。
ワールドカップ出場決定以降、ワントップを志向してきた日本代表にとって、期待の星であった柿谷よりも先に実績を挙げた大迫の登場は、柿谷のみならずハーフナーや前田、岡崎らFW陣の競争心を掻き立てる最高の贈り物ともいえる。
ここしばらく、日本代表の試合は少々観るのが辛かったが、久々に楽しいといえる試合でした。来年はいよいよ本番、今は勝とうと負けようと、ブラジルでの本戦に向けての準備と割り切っていましたが、やはり日本が勝つ試合を観たいのは本音です。
あァ、楽しかった。
追記 今朝のニュースでベルギーに3―2で勝ったとのこと。早朝の試合だったので冬眠を優先して観ませんでしたが、良かった良かった。