その日、誰にも会う予定がないと分っている日の朝だからこそ、食べられるのが特製ガーリックトーストだ。
前日に買って置いた青森産の大玉のニンニクを取り出し、卸し金で摩り下ろす。そこに刻んだバターを混ぜる。これだけだと、後で胃が痛くなることがあるので、マヨネーズを加えて味をマイルドにする。隠し味に、ちょっとだけ醤油をたらしておく。
さあ、パンに分厚く塗りたくり、オーブンに入れて表面をこんがりと焼く。合間にニンジンとズッキーニを蒸し焼きにしておき、青じそドレッシングをかけておく。
熱い紅茶を入れておき、オーブンがチンと鳴ったら出来上がり。ニンニクの匂いが濃厚なガーリックトーストにかぶりつきながら朝食を頂く。
ちょっと口を空けただけで、ニンニクの匂いが漂ってくる。だが、少し辛いほどのガーリックトーストを腹いっぱい食べた満足感は格別だ。
食後にいつもより多めに歯磨き材をつけて歯を磨くが、この程度ではニンニクの匂いは消えない。でも、別に外出するでもないので、気にしない、気にしない。
午前中は風呂場と台所の大掃除中にゲップが出ると、ニンニクの臭いが漂うのが難点だが、我慢するのは私一人なので気にしない、気にしない。
お昼は焼ソバを作る。ニンニクの臭いを相殺できないかと思って、ニラを多めに入れたところ、なんかますます口臭が凄いことになった気がするが、今日は誰にも会わないので気にしない、気にしない。
午後、掃除機を久々に唸らせて埃を吸い取らせる。トイレの隅とか、玄関の脇に恥ずかしいほど埃が溜まっているのに辟易する。でも、掃除が終わると気持ちがいい。
三時になったので、おやつの時間とする。おかきとみたらし団子を日本茶で頂く。まだまだニンニクの臭いが消えないが、どうせ家に居るだけなので気にしない、気にしない。
新聞や古雑誌をまとめて廊下に積んでおく。けっこう溜まっているもんだ。一通り片付けたら、随分と綺麗になった気がするが、むしろ掃除が足りない部分が目立ってしまった事実に気がつく。
やっぱり一日じゃ終わらないぞ。
で、面倒になって布団に潜り込んで読書にふける。やっぱ冬休みの楽しみは、これだね。
気がつくと外は真っ暗であり、8時を過ぎている。炊飯器にスイッチを入れて、夕食の準備をする。前日に買って置いた刺身一人前と、豆腐とわかめの味噌汁、納豆を用意しておくだけ。
ご飯が炊けて、適当に蒸らしたらいただきます。半日たったにもかかわらず、未だ口臭がニンニク臭い気がする。でも、気にしない気にしない。
ニンニク超大盛りのガーリックトーストなんて、こんな日でないと食べられない。ある意味、もの凄い贅沢な一日だったと思う。でも、ちょっと多すぎたかも・・・まさか夜半まで臭いが漂うとは思わなかったな。
ま、いいか。
夜はCS放送でドキュメンタリーを観た後、BBCとCNNのニュースをチェックしておく。日本の新聞と対比させると、如何に日本が内向きか良く分る。野田総理のインド訪問がやたらと取り上げられているのが興味深い。
お風呂に入り、上がったら入念に歯をブラッシング。だいぶ、ニンニクの臭いは減った気がする。多分、翌朝には消えているだろう。