のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1930

2021-07-30 00:47:43 | 新しい子猫たち 
ジブシティーは今や日本中の金持ちが集まる、不思議な空間として知られていた。ただエンゼルホープ病院のミラクルな診察で治った人たちは、この不思議な空間から離れられないのだ。体調が悪くなったら来ればいいのだが、エンゼルホープ病院 本院のミラクルは、実はここの健康管理センターにもあって、この健康管理センターで体調を管理して少しでも該当する症状が出ると来てくれと云う 予防医学の先駆的な所があった。ナンダカンダと会費と云うか寄付金はいるが、金には代えがたいとみんな実感するのだ。そして元気になる。健康管理センターの扱える人は増える。元気になると病院にはいつも来ないのだ。こうした人たちは金は出すと云うか、寄付金はいつか、おまじないのような金と変わる。寄付金ケチれば病気になりそうな気がしていた。寄付金なんぞ払えるかと言って 病気になった人たちも見てきた。体調管理してくれる事の大切さも判ってきた。


ただジブシティーはいつも満員、空き部屋なんぞ滅多に出ない。しかし それは表面的な話であって、当初のジブシティーは東京から離れた所にあって、回りにも何にもない 山の中でもあった。ジブシティーは、まだ初期の頃だった。その時にジブシティーのマンションを買ったと云うか使用権を買ったのは 治部一族とジブの影響力のあった企業、こうした人たちが初期のジブシティーを支えていた


高層化する事で部屋は増えたが 従来の使用権を持っていた人たちの部屋も増えた。ジブシティーがある程度買い戻して市場流動性を高めようとしたが 依然として 多くの部屋は治部一族とジブの影響の強い企業が抑えていた。そしてそれを利用していた


つまり ジブ傘下と云うかジブの影響力のあった企業はこうした部屋を戦略的に使ったのだ。ナンダカンダと言って金のもった人たちが集まってきたが、市場に流れる 空き部屋は少なく、こうしたジブ系列企業 そして治部一族の人たちの持つ部屋の方がむしろ多いのだ


あの資産家の知り合いも実はジブシティーに住んでいた。今までの豪壮な屋敷は、途中は親戚に貸していたが維持費も高く、今や地域でも 有名なマンションとショッピングセンターと変わっていた


あの資産家は この知り合いを訪ねて相談してみた。このジイサンは昔は金もあり頭はキレるが、いつも どこどこが調子が悪いといつもボヤいていたジイサンだった。時々メールで相談したり、電話での話はする程度だった。このジイサンはこの資産家を可愛がってくれていた。